奄美・瀬戸内分屯地は、南西シフト態勢の巨大弾薬庫=兵站基地
(駐屯地開設の記者会見する奄美警備隊司令、そのエンブレムは「草薙剣」とハブ!)
自衛隊の機関紙「朝雲新聞」は、2019年4月11日付で、驚くべき記事を配信した。以下がその内容だ。
「瀬戸内分屯地は標高500メートル級の山々が連なる山間部の高台にあった。瀬戸内町の市街地から国道58号線を北東に向かい、幾つものトンネルを抜け、曲がりくねった道を20分ほど進むと、緑色に塗られた施設が見えてきた。ここが分屯地だ。
『三日月』のような細長い形の分屯地の総面積は約48万平方メートル(ヤフオクドーム6.9個分)で、広さは奄美駐屯地に匹敵する。ここの敷地の約3分の2が弾薬や武器を保管する火薬庫となっています。完成は来年度以降になりますが、現在導入された装備品の弾薬はすでに配備が完了しています』と菅広報室長。」(2019/4/11付「朝雲新聞」)http://www.asagumo-news.com/homepage/htdocs/news/newsflash/201904/190411/19041102.html
私の4月4日付のブログ「宮古島の5倍、石垣島の2・2倍という巨大基地に変貌した陸自奄美駐屯地!」の記述では、この瀬戸内分屯地の弾薬庫面積に関し、南海日日新聞を引用して、この南海紙の報道内容は正確だろうか?と疑問をなげかけていた。以下の記述がそうである。
「3月31日に報道陣に公表された、この「火薬庫」は、南海日日新聞によると、『30万6551㎡が大型ミサイルの弾薬や小銃などを保管する火薬庫。完成は来年度以降となるものの、現在配備された装備品の弾薬はすでに配備が完了している」
この疑問の根拠としたのが、図に示された防衛省の情報公開文書の内容だ。ここに示されているのは「貯蔵庫A×5棟 各1000㎡」というものだ。しかし、私自体も、この「貯蔵庫5000㎡」という記述に惑わされたようだ(下記図参照)。
つまり、この「奄美駐屯地(瀬戸内)施設一覧表」([瀬戸内地区 貯蔵庫地区])に明示された施設等は、明らかに隠蔽し、誤魔化そうとする施設図だ。合計すると、ここに示された施設等面積の合計は、17.144㎡(1.7㏊)、朝雲に明記された約31万ヘクタールの18分の1に過ぎない。
どういうことか? つまり、この図には弾薬庫(火薬庫)は、その面積を含めてまったく明記されていないということだ。
間違いなく、この明示された施設図は、地上・地表に建てられる施設だけであり、弾薬庫(火薬庫)は、全てが地下に造られるということだ。つまり、瀬戸内分屯地B地区(貯蔵庫地区)の地下が、全て弾薬庫になるということだ。瀬戸内分屯地全体の面積48㏊の、半分強がB地区(貯蔵庫地区)であるとされているから、この約31㏊は図を見るまでもなく、弾薬庫が「地下構造物」として造られることは明らかだ! 約31㏊というと、宮古島駐屯地(22㏊)の約1.5倍の巨大さだ!
(情報公開文書で出された瀬戸内分屯地)
自衛隊は、宮古島・石垣島・与那国島でも、弾薬庫(火薬庫)を「貯蔵庫」と誤魔化したり、「保管庫」と言ったり、その基地建設地域によってそのつど言い換えている。その典型がこの瀬戸内分屯地の弾薬庫(自衛隊内の通常の名称)である(岩屋防衛大臣は、この誤魔化しがバレたことから、今後、火薬取締法に基づく「火薬庫」に名称を統一するという)。
31㏊の巨大火薬庫(弾薬庫)は、南西シフトー先島―南西諸島へ投入する巨大兵站基地
先のブログでも書いてきたが、3/26の開設の奄美大島の2つの駐屯地が、南西シフト態勢への兵站施設・機動展開基地であることを、建設予定の馬毛島(種子島)基地の戦略的位置付けとともに述べてきたが、この瀬戸内分屯地の巨大弾薬庫が、その先島―南西諸島に投入される全部隊の「武器・弾薬」を中心とした兵站基地であることが明らかとなった。
この奄美大島の基地が兵站基地であることを示す、防衛省の情報公開文書を再度掲載する。そして、この兵站基地=機動展開拠点の戦略的位置付けを示す、防衛省の情報公開文書を示しておこう。これは、拙著『自衛隊の南西シフト―戦慄の対中国・日米共同作戦の実態』にも引用しているが、2014年統合幕僚監部作成による「自衛隊の機動展開能力向上に係る調査研究 調査報告書」と題する文書である。
この文書によっても、奄美大島ー種子島(馬毛島)が、自衛隊の南西シフト態勢の機動展開拠点であり、「前線基地 先島諸島」→「戦闘地域」への兵站拠点として策定されていることが明らかだ。
マスメディアが奄美大島の基地建設に報道管制を敷いている理由
この文字通り隠蔽された奄美大島・瀬戸内分屯地の巨大弾薬庫を見ると、全国の全てのマスメディアが、奄美大島における基地建設について、当初から現在まで一貫して沈黙している理由がわかる、というものだ。そしてまた、この奄美大島と並ぶ馬毛島(種子島)の基地が、米軍のFCLPなどよりも遥かに重大な、自衛隊の南西シフト態勢の基地であることを隠蔽している理由もだ!
宮古島駐屯地弾薬庫への、中距離多目的誘導弾(ミサイル)の保管の隠蔽問題といい、この奄美大島の巨大弾薬庫自体の隠蔽といい、自衛隊の先島―南西諸島全体が、欺瞞と隠蔽に満ち満ちたものだ。
戦後初めての自衛隊の新基地を、先島―南西諸島へ造るにあたって、防衛省・自衛隊は、こうした数々の住民だましの手口ー宣撫工作を駆使しようとしている。だが、私たちは、これらの事実一つ一つを暴き、この恐るべき基地建設=基地増殖を食い止めねばならない。
*参考「馬毛島問題での東京新聞を始めとするメディア報道を糺す――日米の巨大軍事要塞島と化す馬毛島のたたかいの重大局面に当たって」https://blog.goo.ne.jp/shakai0427/e/e9cf6ebfc6e9c95e996229ec79949b0a?fm=entry_awp
*参考文献 『自衛隊の南西シフト―戦慄の対中国・日米共同作戦の実態』プロローグの立ち読み
https://hanmoto.tameshiyo.me/9784907127251
(駐屯地開設の記者会見する奄美警備隊司令、そのエンブレムは「草薙剣」とハブ!)
自衛隊の機関紙「朝雲新聞」は、2019年4月11日付で、驚くべき記事を配信した。以下がその内容だ。
「瀬戸内分屯地は標高500メートル級の山々が連なる山間部の高台にあった。瀬戸内町の市街地から国道58号線を北東に向かい、幾つものトンネルを抜け、曲がりくねった道を20分ほど進むと、緑色に塗られた施設が見えてきた。ここが分屯地だ。
『三日月』のような細長い形の分屯地の総面積は約48万平方メートル(ヤフオクドーム6.9個分)で、広さは奄美駐屯地に匹敵する。ここの敷地の約3分の2が弾薬や武器を保管する火薬庫となっています。完成は来年度以降になりますが、現在導入された装備品の弾薬はすでに配備が完了しています』と菅広報室長。」(2019/4/11付「朝雲新聞」)http://www.asagumo-news.com/homepage/htdocs/news/newsflash/201904/190411/19041102.html
私の4月4日付のブログ「宮古島の5倍、石垣島の2・2倍という巨大基地に変貌した陸自奄美駐屯地!」の記述では、この瀬戸内分屯地の弾薬庫面積に関し、南海日日新聞を引用して、この南海紙の報道内容は正確だろうか?と疑問をなげかけていた。以下の記述がそうである。
「3月31日に報道陣に公表された、この「火薬庫」は、南海日日新聞によると、『30万6551㎡が大型ミサイルの弾薬や小銃などを保管する火薬庫。完成は来年度以降となるものの、現在配備された装備品の弾薬はすでに配備が完了している」
この疑問の根拠としたのが、図に示された防衛省の情報公開文書の内容だ。ここに示されているのは「貯蔵庫A×5棟 各1000㎡」というものだ。しかし、私自体も、この「貯蔵庫5000㎡」という記述に惑わされたようだ(下記図参照)。
つまり、この「奄美駐屯地(瀬戸内)施設一覧表」([瀬戸内地区 貯蔵庫地区])に明示された施設等は、明らかに隠蔽し、誤魔化そうとする施設図だ。合計すると、ここに示された施設等面積の合計は、17.144㎡(1.7㏊)、朝雲に明記された約31万ヘクタールの18分の1に過ぎない。
どういうことか? つまり、この図には弾薬庫(火薬庫)は、その面積を含めてまったく明記されていないということだ。
間違いなく、この明示された施設図は、地上・地表に建てられる施設だけであり、弾薬庫(火薬庫)は、全てが地下に造られるということだ。つまり、瀬戸内分屯地B地区(貯蔵庫地区)の地下が、全て弾薬庫になるということだ。瀬戸内分屯地全体の面積48㏊の、半分強がB地区(貯蔵庫地区)であるとされているから、この約31㏊は図を見るまでもなく、弾薬庫が「地下構造物」として造られることは明らかだ! 約31㏊というと、宮古島駐屯地(22㏊)の約1.5倍の巨大さだ!
(情報公開文書で出された瀬戸内分屯地)
自衛隊は、宮古島・石垣島・与那国島でも、弾薬庫(火薬庫)を「貯蔵庫」と誤魔化したり、「保管庫」と言ったり、その基地建設地域によってそのつど言い換えている。その典型がこの瀬戸内分屯地の弾薬庫(自衛隊内の通常の名称)である(岩屋防衛大臣は、この誤魔化しがバレたことから、今後、火薬取締法に基づく「火薬庫」に名称を統一するという)。
31㏊の巨大火薬庫(弾薬庫)は、南西シフトー先島―南西諸島へ投入する巨大兵站基地
先のブログでも書いてきたが、3/26の開設の奄美大島の2つの駐屯地が、南西シフト態勢への兵站施設・機動展開基地であることを、建設予定の馬毛島(種子島)基地の戦略的位置付けとともに述べてきたが、この瀬戸内分屯地の巨大弾薬庫が、その先島―南西諸島に投入される全部隊の「武器・弾薬」を中心とした兵站基地であることが明らかとなった。
この奄美大島の基地が兵站基地であることを示す、防衛省の情報公開文書を再度掲載する。そして、この兵站基地=機動展開拠点の戦略的位置付けを示す、防衛省の情報公開文書を示しておこう。これは、拙著『自衛隊の南西シフト―戦慄の対中国・日米共同作戦の実態』にも引用しているが、2014年統合幕僚監部作成による「自衛隊の機動展開能力向上に係る調査研究 調査報告書」と題する文書である。
この文書によっても、奄美大島ー種子島(馬毛島)が、自衛隊の南西シフト態勢の機動展開拠点であり、「前線基地 先島諸島」→「戦闘地域」への兵站拠点として策定されていることが明らかだ。
マスメディアが奄美大島の基地建設に報道管制を敷いている理由
この文字通り隠蔽された奄美大島・瀬戸内分屯地の巨大弾薬庫を見ると、全国の全てのマスメディアが、奄美大島における基地建設について、当初から現在まで一貫して沈黙している理由がわかる、というものだ。そしてまた、この奄美大島と並ぶ馬毛島(種子島)の基地が、米軍のFCLPなどよりも遥かに重大な、自衛隊の南西シフト態勢の基地であることを隠蔽している理由もだ!
宮古島駐屯地弾薬庫への、中距離多目的誘導弾(ミサイル)の保管の隠蔽問題といい、この奄美大島の巨大弾薬庫自体の隠蔽といい、自衛隊の先島―南西諸島全体が、欺瞞と隠蔽に満ち満ちたものだ。
戦後初めての自衛隊の新基地を、先島―南西諸島へ造るにあたって、防衛省・自衛隊は、こうした数々の住民だましの手口ー宣撫工作を駆使しようとしている。だが、私たちは、これらの事実一つ一つを暴き、この恐るべき基地建設=基地増殖を食い止めねばならない。
*参考「馬毛島問題での東京新聞を始めとするメディア報道を糺す――日米の巨大軍事要塞島と化す馬毛島のたたかいの重大局面に当たって」https://blog.goo.ne.jp/shakai0427/e/e9cf6ebfc6e9c95e996229ec79949b0a?fm=entry_awp
*参考文献 『自衛隊の南西シフト―戦慄の対中国・日米共同作戦の実態』プロローグの立ち読み
https://hanmoto.tameshiyo.me/9784907127251
古仁屋に海自の基地が増設される事を願っています。
特に潜水艦の整備ができる施設が出来れば嬉しいですね。