社会不安障害:SAD、ボランティアとセカンドライフ

SADで会社を休職したが、一年で復帰し、無事定年を務めて、その後の生活とボランティアについて気ままに掲載中

宮部みゆき『楽園』上下

2009-02-09 22:25:03 | 趣味(読書)

久しぶりに宮部氏の作品を読んだ。セカンドライフに氏の作品は残しておくつもりでいたが、図書館で次々に新しい作家の面白い作品が見つかると、無限に近いたくさんの作品が日本だけでも多く存在する事が楽しくなる。

上記で述べた様に、氏の作品は出来るだけ読まないようにしていたのだが、新刊案内の所においてあった為、目に付いたが最後借りてしまった(実際は新刊ではないが・・・)。

しかし、この作品は氏の作品の中では長編過ぎる。読むのにかなりの時間を要する事になってしまった。内容その物がかなり特殊性があり、何とも言えない作品と思う。

私的には一冊にまとめて、モット楽に読める作品にできたらと思ったのは私だけか?との疑問はあるが、この辺は好みの分かれる所かも知れない。内の奥様はあっという間に読んでしまった???。 最近病みつきになっている海野碧氏(海野 碧(うみの あお)『真夜中のフーガ』その2(あらすじ))のと比べるとかなり、読むのがシンドイ感じがした。

最も読み終わるのにそれ程日数を要したわけではないが、投稿がダイブ遅れたのは物語の要約をまとめて投稿するより、先に海野碧氏の作品を読み始めてしまったからである。本ブログでは色々なカテゴリーを扱っているが(それだけ、特化した分野だけに絞り込む気がなく、勝手気ままな内容にする為なのだが)、実はこの読書のカテゴリーだけは、一番時間が、掛かる。最もITの分野もそうであるが・・・。

楽園上巻.jpg

     らくえん
書 籍:『楽園 上』
    みやべ
著 者:宮部みゆき
発行年:2007年8月10日初版発行
発行所:株式会社 文芸春秋
価 格:1,619円(税別) 縦1段組み413ページ

<ハードカバー帯の紹介>
「模倣犯」から9年--- 前原滋子 再び事件の渦中に!

自宅の床下で16年間 眠り続けた少女の死体。 その死体を”透視”した少年の交通事故死。 親と子をめぐる謎に満ちた 物語が幕を開ける---

「模倣犯」の事件から9年が経った。事件のショックから立ち直れずにいるフリーライター・前畑滋子のもとに、萩谷敏子という女性が現れる。12歳で死んだ息子に関する不思議な依頼だった。少年は16年前に殺された少女の遺体が発見される前に、それを絵に描いていたという---- 

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楽園下巻.jpg

     らくえん
書 籍:『楽園 下』
    みやべ
著 者:宮部みゆき
発行年:2007年8月10日初版発行
初 出:産経新聞2005年7月1日~2006年8月13日
発行所:株式会社 文芸春秋
価 格:1,619円(税別) 縦1段組み357ページ

<ハードカバー帯の紹介>

新たなる拉致事件も勃発、物語は驚愕の結末へ!
少年の目には何が 見えていたのか。
少女の死は何を残したのか。 

少女殺害事件の 関係者たちに、話を聞くうちに、 滋子は少女の背後にいた 人物の存在に気づく。 子を想う親の愛の形を 問いかける物語は、 いよいよ佳境へ。

土井崎夫妻がなぜ、長女・茜を殺さねばならなかったのかを調べていた滋子は、夫妻が娘を殺害後、何者かに脅迫されていたのではないか?と推理する。さらには茜と当時付き合っていた男の存在が浮かび上がる。新たなる拉致事件も勃発し、様々な事実がやがて一つの大きな奔流となって、物語は驚愕の結末を迎える!

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《主要登場人物》

前畑滋子 --- フリーのライター。9年前の女性を主にした連続誘拐殺人事件に関わり、最後は犯人を告発したが、余りにも多くの命が奪われ、その後も容易に立ち直れないダメージを負ってしまったが、やっとライター仕事を再開しつつあった。その滋子の前に、敏子が亡くなった息子の等の描いた絵のノートを持ってくる。この中に、9年前の事件を示唆する絵を見つけ驚愕する。一方敏子のパート仲間が指摘した絵の事件、火災が発生し、結果その住んでいた夫妻が行方不明の長女を殺した事を自白するが、既に時効が成立していた事をしり、敏子の要望、等は本当はどうだったのか?超能力者だったのか?に付いて調査をする事にする。

萩原敏子 --- 滋子に無くなった息子の話を、滋子と言う有名なジャーナリストに聞いてもらい、息子等の事を調べて貰う事を依頼し勿論、色々滋子に協力する。

萩原等 ----- 12才の時に交通事故で無くなった敏子の一人息子。絵が得意であり、素晴らしい絵画を描いていたが、一方で別のノートに幼児が書いたような絵を残していた。その絵を見た敏子のパート仲間が、その中の1頁に描かれた絵から、等が事件の事を見通せる超能力者ではなかったかと言う。等は、小学校では、先生の評判が悪く、授業中もボーとしている時が多かった。情緒不安定と言う事で児童相談所にも通っていた。

土井崎夫妻(元、向子) ------- 16年前、不良だった長女茜を殺し、家の床下に埋めた。その後、茜の交際相手だった男にゆすられ続けるが、全て誠子の為を考え、言いなりに金を渡し続けていたが、自宅の火災に会い、警察に出頭する。時効の為、その後の事を弁護士に頼み、誠子の前から姿を消す。

土井崎茜 --- 土井崎夫妻の長女。不良で周辺でも評判が悪く、よく家出もしており、ある時を境に行方不明となっていたが、火災を機を発見される。行方不明となる前にシゲたちと言う不良グループと付き合っていた。

土井崎誠子 --- 茜の6歳年下の妹。茜の遺体が発見された時は、新婚3ヶ月であったが、相手(井上達夫)を気遣い離婚した。しかしその彼氏ともその後も付き合っている。

宮田先生 --- 児童相談所の相談員で、萩原等の担当をしており、等も先生を慕ってよく相談に訪れていた。その先生から、「あおぞら会」の事を紹介され、ハイキング等に参加していた。

金川一男 --- 金川有機材工業の会長であり、「あおぞら会」の設立者。「あおぞら会」とは起業家である金川が、昨今の子供達をめぐる状況を痛め、企業経営を退くのを機会に社会の為、子供の為に何かしようと思い立ちそれに賛同するメンバーを募り本格的に活動を始めたが・・・。

三和昭夫 --- 金川会長の妹尚子の長男であり、茜の交際相手。前科有りで、女性の敵でもあり、悪党。金川が、マトモにする為に考えたのが「あおぞら会」であったが、当人は自分の財布としか考えていなかった。

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《超概要》
 
敏子は滋子に、自分の交通事故で亡くなった子供の等に付いて、調査を依頼する。滋子は、その依頼の元となった幼児が書いたような等のノートに、自分が関わった9年前の事件を発見し、驚愕する。
 
一方敏子が、等を能力者と思うようになったそのノートに描かれた一つの絵(の事件)、火災で家が焼け、直後土井崎夫婦が行方不明の長女(茜)を殺した事で警察に出頭する。
 
滋子は等の学校を調べ、なぜ等が土井崎家との関わりを知る事に成ったのかを調べてゆく。結果サイコメトラーとか異能力を信じる事ができない中で、等が会った人の頭の中をイメージ(絵)で読み取れる能力を持っていたと確信する。
 
それがゆえに、小学校時代に先生に恐れられ、嫌われ、指導の対象となり、結果ボランティア団体「あおぞら会」でのハイキングに参加する。そこにはいかにも慈善事業(ボランテア)と言う崇高な命題で設立された組織ではあったが、その実態は、設立の起業経営者金川一男の甥(妹の長男)の三和昭夫に金を与える為の組織だった。更にこの三和昭夫こそ、茜の交際相手であり、土井崎夫妻をズット脅迫して来た人物でも有った。
 
なぜ、土井崎夫妻は、長女茜を殺害したのか?なぜズット三和に脅されながら金を払い続けたのか?
すべては、妹誠子の為でもあり、且つ時効は2つ存在した(つまり、2つの事件があった)。
 
茜が土井崎夫妻に殺された日、三和と一緒に盗んだ車で三和が若い女性を轢いてしまった。三和は、その女性をそのまま強奪し、茜が穴を掘り生きているのかわからないまま見知らぬ山の中に穴を掘り、生めてしまった事が最後にわかる。
 
新たに発生した拉致事件、同じように女性を監禁していた三和たちは、逮捕される事となる。

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