社会不安障害:SAD、ボランティアとセカンドライフ

SADで会社を休職したが、一年で復帰し、無事定年を務めて、その後の生活とボランティアについて気ままに掲載中

フルート発表会、手が震え、吹き出しにも失敗し、まともには演奏できなかった(その1)

2015-08-31 16:13:23 | 趣味(楽器、音楽)

フルートの発表会!その曲はマリーの「金婚式」に決めた。そしてズットほぼ毎日、この曲の練習に明け暮れた。発表会の一週間前に、伴奏のピアノの先生との音合わせがあり、少し緊張して、発表会の場所へと行った。そして3回程、ピアノ伴奏つきで、金婚式を吹いた。そして余りのひどさに唖然とした。恥ずかしいやら、あせるやら、手が震え、曲がうまく演奏できないではなく、音が全くならない。出ない。必死に吹くがでない・・・。

伴奏の先生は、うまく私に合わせてくれるのだが、もうピアノに合わせる合わせないどころの問題ではない。運指を間違える間違えない等のレベルではない。音がでない。少しでても、直ぐ出なくなる。曲の頭で音がでないので、吹くのをやめて、何回か吹くと先生に注意される。一発勝負なので、音がでなくても、そのまま続けなさいと、絶対に止まらないで下さいと。

自分の家では、何んとかリピートなしで、一曲やっと吹けるぐらいだったが、これでは一曲どころの話ではない。ご存知の方も多いと思うが、マリーの金婚式は、大きく3つのパートになっている。最初と最後は同じ楽譜で、2番目の所で、パターンが変わる。この2番目の所を、吹かずに伴奏の先生に任せる事にした。そして、気分を整えて、準備して、最期のパートを吹く事に、先生と決めた。

伴奏の先生との音合わせは、約20分で終了したが、どっと疲れが出た。その後、別の生徒さんの音合わせを聞いた。うまい!

発表会場を出て、近くの餃子の王将で飯を食べた。余りの疲れと余りにもひどいフルート演奏にショックを受け、昼間ながらビールを飲んだ。

実は、この音合わせの後で、ジムのストリートダンスと水泳をする予定だったのだが、止めた。そして決意した。発表会まで、ジムに行っている暇はない。その間もフルートの練習をしなければと。

フルートの練習は最初の内は、ウォークインクローゼットだったが(フルートの練習場所は玄関脇のウォークインクローゼット)、暑いのと狭いのとで、場所を変えて、最近は洗面所で正面の鏡を見ながら、練習していた。そしてこの洗面所の鏡がどうも問題だったと認識した。先生が発表会では、譜面台の所に手鏡を置いていいですと言われてはいたが、どうもそう簡単ではない。角度だとか、慣れの問題とかでどうもうまくいかない事を認識した。

曲の頭で、音が全くでなかった為、あせって、フルートのマウスピースを回したり、口を横にずらしたりして、音を鳴らそうとするが、まったく音がならない。更にこれが原因でパニックとなる。吹いていて途中で吹けなくなるのは多少は仕方がない。しかし、頭から全くならないでは話にならない。それが今回の失敗の原因だったと認識した。

フルートの練習を始めて3カ月ぐらいの時に、娘や奥様から指摘と言うかアドバイスを受けた。いつまでも鏡を見て練習すると、いつまでも鏡がないと吹けないでしょ!と。なるほどと思い、先生にこれを聞いた所、先生曰く、今でも先生は鏡を良く見ますとの事だった。これを信じて、練習した。鏡を見ながら、フルートのマウスピースと唇を合わせるのを。

少なくとも6月から鏡を見ないで、一発で曲の頭出しをできるようにしておけば良かったと後悔した。が今更遅い。

鏡を見ないで、いや確認はするが、一発で頭出しができるように、且つ完全に暗譜で弾けるように、それこそ毎日何時間も練習した。いろいろネットを調べながら・・・。2冊しか持っていないフルートの教本を何回も見ながら・・・。私の場合、唇に小さく吹く穴を作った場合、少しセンターからずれている。これもあって、実際の音出しで一発で合わせる方法やノウハウなどを見つける事はできなかった。且つ先生も教えてはくれなかった???

不安を抱えたまま、当日のリハーサルでは、何んとか頭出しは上手く行った。そこそこ音も続き、2つ目のパートを休んで、再度吹こうとしたら、今度は曲の頭の部分ではない所で吹き始め、先生の注意を受け、あせったが、何んとか無事リハーサルを終えた。

さて、前後の方のリハーサルを見ていて、私と同じ方がいる事に気付いた。私は演奏する順番が2番目だが、1番目と3番目の方も私同様に今回が初めてとの事。1番目の方は、私より少し後にフルートを始められたそうだ。そして全く、私と同じような状況だった。吹いている曲の途中で、音が出なくなり、必死に音を出されようとされていた。3番目の方は、私達二人よりはずいぶんましで、伴奏に合わせて曲になっていたが、やはり途中で音がでなくなる所があった。4番目が高校生で、ジブリシリーズの一曲を吹いた時に、うまいなあと感心した。後でその高校生に「上手ね!フルートを吹き始めてもう長いの?」と聞いたら、「3カ月です」とニコニコ笑って答えてくれた。

「エーーーー」と私は唖然とした。そしてかなりショックを受けた。演奏順の1番目も3番目の方も私同様に、そこそこお歳だ。もちろん女性の方々なのでお歳を聞く事はできないが。

ショックを受けた。が今更それを言っても仕方がない。

本番は1時からだ。それまで、出演者の控室兼音出し室で、練習した。

初めての経験でこれも驚いた。皆さん必死で自分の曲を練習する。しかもフルパワーで。それこそ何回も何回も。すさまじい音だ。私も音がまともに出たら、かなりの音量だと思っていたが、またまたショックを受けた。とんでもない。自分の音が殆ど認識できなかった。

11時半頃、そばで練習されていた女性の方から、「自分は飯を食べて直ぐは演奏できないので、早めに食べますし、12時20分から記念撮影だし、皆さんもう食べていらっしゃいます」とアドバイスを貰った。近くのコンビニでおにぎり弁当とお茶を買って、一人で食べた。

記念撮影後また、必死に練習した。

演奏が2番目なので、開演10分前にはコンサートホールの袖の控え室に行って、ドキドキしながら出番を待った。1番目や3番目の方と「もう心臓が飛び出しそう」と話しながら。

そして、一番目の方の演奏が始まった。予想通りと言うか、やはり曲にはなっていない。音が殆どでない。・・・・。私もそうだが、どうしよう。

そして、私の番が来た。譜面台に譜面をセットして、頭を下げた。手鏡をセットしようとしたが、手が震えて、セットできない。意を決して、息を吸い込んだ。これを合図に伴奏の先生がピアノの伴奏を開始した。しかしやはり、最初の音出しに失敗した。音が出ない。つい先ほどチューニング用で音出しは成功したのに!と思っても仕方がない。曲は止められない。必死になって音を出そうとする。しかしでない・・・しかし伴奏は止まらない。私も音はでないが、運指を止めないで、そのまま吹く。すると途中から音がでる。何んとなく、曲になる部分ができる。また曲が途切れる。また曲になる。

1番目のパートが終了して、笛を下ろす。伴奏の先生に任す部分だ。ここで私は再度鏡を開いて、譜面台にセットした。2番目のパートが終わるのを間違えないように、譜面を追いながら、フルートをあげて、唇をセットした。

3番目のパートが始まり、フルートを吹いた。しかしやはり音が出ない。また失敗した。顔を真っ赤になるのがわかった。手が震える。曲が震える。いや音が綺麗に出ていない。途中からまた音が出始めた。曲になる部分もある。このまま行ってくれ!と叫びそうだったが、最期のパートも最期の方でまた音がでないまま終了した。そして譜面を畳んで、頭を下げた。温かい拍手がたくさんあった。

奥様が来ているはずだったが、私の目には、どこにいるのか?見えなかった。

終わった。ホールを後にして、控室に戻った。疲れた。とにかく終わった。一人控室で泣きそうだったが、それ程悔しかった。いや恥ずかしかった。


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