フルートの先生の弟子たちの忘年会で、昨年私と同じフルート初心者の方々が、私と同様に定年退職後にフルートを習い始めた事を知った(フルートを習い始めたのは定年退職後)。それにしてもフルートを習うのは、周りを見ても殆どが女性の方だ。今習っているバイオリンもどうも女性の方が圧倒的だ。男性はどうなんだろうか?ギターやサックスなのだろうか?
今習っているバイオリンは午後の2:00からレッスンが始まる。このレッスンの前に、待合室で待っていると、少し高齢な方と最近話をするようになった。私がフルートとバイオリンを習っているのは、既に話していたが、その方が何を習っているかは知らなかった。多分ギターではないかぐらいにしか思っていなかった。
今日私が、「何のレッスンを受けられているのですか?」と訊くと何んと「ピアノです」との回答が返ってきた。
その方曰く「実は昔から、ピアノにあこがれていて、65歳の定年で終業式の日に、そのままここに来て、習い始めました。何だかんだでなかなか上達しなくて、先生に怒られてばかりいますが、ボケ防止にもなり、もう10年になります」との事だった。昔の会社の知人にもピアノを習っていた方がいたが、そうかピアノか!とある意味納得した。
ピアノの先生や演奏家の方には失礼かもしれないが、ピアノは最も演奏が優しい楽器だと思う。指定のキーを叩けば、音が出る。音程ははずしようがないし、半音も問題ない。フルートのように最初の3カ月はソラシしか音が鳴らせないなどはあり得ない。バイオリンのように、シドレを正確に鳴らせないなどはあり得ない。
しかし定年後既に10年もピアノのレッスンを受けられているのは凄い。既に75歳と言う事になるが、素晴らしい。継続する為のモチベーションが必要なはずだが、更に聞いて見た。
「フルートの場合は年一回フルートの発表会があるのですが、ピアノの場合はどうなんですか?」と。すると「私はそう言うのは嫌いと言うかだめなので、断っています。2回ほど先生から話がありましたが、発表会にでないといけないならレッスンを辞めますと言ったら、その後は、その話はされなくなりました。私の場合は、あまり気を使わない孫達にピアノを弾いて聞かせるぐらいで十分です」との事だった。
昨年のフルート忘年会(フルートを習い始めたのは定年退職後)で参加された先生のお弟子さんの中にも、実はこの方と同じような方がいらした。やはりこの方と同じく高齢で、かなり古カブの方だった。そしてかなり若い方も他に4,5人いらした。なぜか著名なオーケストラでフルートを弾いていたり、吹奏楽でフルートを弾いているのに、先生の発表会では未だ演奏されていないとの事。先生の発表会ではピアノの伴奏で、一人で演奏する。これは相当なプレッシャーである事は間違いないが、これが一つの目標であるのも間違いない。
しかし、本当にその楽器が好きで、このような発表会がなくても継続していけるのならそれでもいいのではないか?と思う。定年退職後の楽しみを本当に楽しめるならそれが一番だ。定年退職後になんで今更、逃げ出したくなるような発表会に参加しなくてはならないだろうか?と実は私も考えた時があったが、フルートを習い始めた当初の目的が、最初から人前で演奏するのを目指していたので、この発表会は逆にこの目的の為の一つのステップアップ手段となっている。最近フルートの音が以前より更に響くようになったので、あと数回発表会で修業(経験)を積めば、かなり自己陶酔の世界になりそうだ。
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