東野圭吾『赤い指』、東野圭吾『鳥人計画』に続き、氏の作品紹介です。氏の作品は私的に興味ある作品では数冊を残すのみと思っていたが、まだまだ私が知らない(当市の図書館にない)作品がまだある事がわかりました。特に初期の作品ですが・・・。
東野圭吾『鳥人計画』でも記載したように、図書館に最新作を予約してやっと貸し出し可能の電話連絡が入った。おそらく半年ぐらいかかると思っていたが、ほぼ5ヶ月ぐらいで読める事になった。次回にまた掲載する予定です。何れにしても、氏のファンの方はやはり多い。
今回の作品も割と初期の作品と思いますが、大変面白い推理小説であり、最後がどうなるのかどんどん読み進める作品です。予想通り最後は、予想外の結末と死が待っていますが・・・。全く真の犯人が私には予想できない作品でした。
<カバー裏のストリー紹介>
一代で財を成した一ヶ原高顕が死んだ。妻子を持たない高顕の莫大の遺産の相続にあたって、生前彼が残した遺言書が一族の前で公開されることになった。一族は高顕がオーナーだった”回廊亭”と呼ばれる旅館に集められた。さらに、一族の他に、本間菊代という老婆が関係者という形で、回廊亭に招待されていた。だが、菊代の真の目的は別なところにあった!半年前に回廊亭で起きた心中事件の真相を探るためにやってきたのだった。その夜、第一の殺人が!? 心中事件に絡んで巻き起こる回廊亭での怪事件!何がここで起こったのか!?著者の新境地を拓いた、書き下ろし長編推理小説力作!
書籍名:『回廊亭(かいろうてい)の殺人』
発行所:株式会社光文社 カッパ・ノベルス
発 行:1991年7月25日初版発行
定 価:730円(税込み)
頁 数:縦2段組み238ページ
<表紙カバーすぐ裏の紹介>
小説を書いている時に、別の作品のアイデアが生まれるということは、しばしばある。今回の作品は『仮面山荘殺人事件』(トクマノベルズ刊)の執筆中に思いついた。したがって両作品は姉妹編のような関係にある。
トリックはたった一つ、しかも単純である。だから読み終わった時、「やっぱり自分の思ったとおりだった」という呟きが読者の口から漏れるかもしれない。そういう勝利感を与えるのも我々の義務である。ただし、それが叶わなかった読者には目いっぱい敗北感を味わっていただこう。「著者のことば」
<カバー裏の紹介>
カッパ・ノベルス4作目にあたるこの作品でも、東野圭吾は、前三作(『白馬山荘殺人事件』、『11文字の殺人』、『ブルータスの心臓』)同様、斬新な趣向を凝らしながら、本格推理に挑戦している。氏の丹念に作り上げた”謎”は、つねに読者の期待を裏切ることはない。ミステリー・ワールドの冒険者、氏の活躍に心からの拍手をおくりたい。
※ちなみに、上記紹介にある『白馬山荘殺人事件』、『11文字の殺人』、『ブルータスの心臓』は、まだ読んでいない。
<私的概要>
一代で財を成した一ヶ原高顕の秘書であった桐生枝梨子(32歳)は、回廊亭で、恋人の里中二郎と無理心中として、火災の中で殺されかける。里中二郎が前日バイクで老人を跳ねた事で、枝梨子を殺して自殺を考えたとの警察の推測であった。自殺ではなく、殺人と気づいた枝梨子は、愛する二郎を殺した犯人に復讐する為に、自分は自殺した事に見せかけ、高顕の親友の妻であった本間菊代(70歳)として、再び回廊亭を訪れる。高顕は遺言状を残しており、その公開の場として遺言状の関係者がこの回廊亭で、集まるようになった。枝梨子(本間菊代)はその関係者の一人として呼ばれる事になった。
犯人を暴くおとりとして、本間菊代(枝梨子)は、枝梨子が遺書を残した事にし、高顕氏の遺言状公開の時にこの遺書を公開する事を一ヶ原家の皆に伝える。これにより、枝梨子の遺書が盗まれるが、その盗んだと思われる、一ヶ原由香が殺される。この状況から枝梨子は共犯者を見つける。高顕氏の愛人でもあり、この回廊亭の女将でもあった小林真穂であり、この真穂を枝梨子は夜のお風呂(温泉)に誘って殺す。
一方、警察が髪の毛からの年齢で、本間菊代を疑い始めているのを気づいた枝梨子は変装用の鬘(かつら)を警察にはがされる瞬間、タイマーを使ってガス爆発を起こす。再び燃え上がる中に自ら入り、二郎は虚構であり、鰺沢宏美と言う二郎を演じ、本当の二郎を殺し、枝梨子を愛したように演じた男を知る。回廊亭が燃える中、宏美が殺す為枝梨子の胸を挿すが、枝梨子はガソリンをばら撒き、最後の力を振り絞り、宏美(二郎)を両手に抱く・・・。
※結末まで書いてしまいました。
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