最近富に、定年退職について考えている。元々このブログはSADの病状が悪化して、2007年4月から1年間会社を休職したが、その時に近く訪れるであろうセカンドライフが大きなテーマでもあった。復帰後今年で50代の半ばを超えた事や、今年定年退職される先輩の方が多い事も影響している。そして、リーマンショック以降の経済低迷、金利0、最近の円高や株安を考慮すると、定年後の資金への懸念も同時に深い影を落としている。と言う事で、この定年後も働く(働かざるを得ない)大きな理由の一つがこの定年後の資金となる。「つまりお金が欲しい」。もちろん「年金だけでは暮らせない」と言うのがその背景だが・・・。
一方もう一つの理由に、「まだ仕事をしたい」と言う事が上げられている。以前、「目的と手段」についても掲載した事があるが、この「仕事」に関してはこれが、なかなか難しい。そう「仕事」は生きて(生活する、旅行する等)行く為の手段のはずだが。と簡単には行かない。そんな事がはっきりできるぐらいだと、我々の生きる目的とはと言う大変難しいテーマとなり、これは哲学か宗教の世界でないと解決しないし、それでも解決できないだろう。
この定年後も働きたいとは、どう言う事だろか?上記の「お金がない」、や他の例で良く出てくる奥様から「家に家にいて欲しくない。つまりどこかに行ってくれ」と言う背景があるにしても、「本当に仕事がしたい」と言う方が多いのも事実だろうと思う。これはなんと素晴らしい事だろうと思う。私の身近にもこの先輩が多くおられ、大変ありがたく思っている。逆にこれらの先輩達の人生は素晴らしい人生であり、羨ましく思う。なぜか?「仕事」は「目的」か「手段」かという話だ。これらの先輩にとって、「仕事」は「手段」であり生きる「目的」その物だった(にいつの間にかなっていた)と言う事だ。
定年退職となり、これから会社に行く必要もなくなり、会社と関係が切れ、毎日が休みとなった時に、何をするのか?毎日何を目的として生きるのか?そう今までの人生を振り返ると仕事(会社)が生活の大半を占めていた。何時の間にか仕事(会社)が生きる事その物に変わっていた事になるのだろう。
これらの先輩達の仕事は、最終的にご本人が好きだったかどうかは別にして、専門的実務が多いと私的には考えている。これは業務系や経理系、専門技術系、生産系、購買系等も含めてだが、要は末端の仕事をこなされて来た方が多く、会社から乞われて、残ってもらっている場合が多いし、会社にとってのメリットも図り知れない程大きい。
一方、私もそうだったが、同じ仕事あるいは同じ業界一筋ではなかった事も大きいが、さまざまな仕事、業界を経験している。するとある仕事では、嫌な場合も多く、ハッキリ言って仕事と割り切ってその苦痛に耐えた時期があった。そうこんな仕事なんか・・・。これは不幸だと思うが、それでも大きな会社にいるとかならず、誰かが引き受けざるを得ない。この仕事に耐える中で、その仕事が一生の仕事となるか?これは単なる通過点か?この仕事は好きになれるか????等耐えながら、その仕事が周りから、認められ、感謝され、じぶんも達成感があり、更なる目標へと変わっていければ良いが、やはりこれは仕事だと割り切るしかない仕事が存在する。
こう言う仕事は、むしろ会社にとっては必要なのだが、個人にとって必要なのだろうか?定年後もする仕事か?いや実際は定年後は誰もしないだろう。そう言う意味でこれらの仕事は、華やか(に見えるかもしれないが)かもしれないが、一生の仕事ではないし、それに携わった人は不幸かもしれない。完全に仕事として、割り切った分おそらく別の目標を持たれただろう。これらの仕事、企画系の仕事(特にトップ対応部門、日々トップに土下座や謝る事が仕事)、品質系の仕事(特にお客さま対応部門、日々お客様に土下座や謝る事が仕事)等は、会社に取って非常に重要な仕事だ。
![]() | 書 籍:「57歳のセカンドハローワーク」 発 行:2005年5月21日初版発行 著 者:布施 克彦 発行所:株式会社中経出版 定 価:1,500円+税 定年後を豊かに! 700万人団塊世代のガイドブック どうにかなる、じゃだめなんだ。 本書が紹介する「人生後半戦」の過ごし方 会社にしがみつく 転職する/起業する 海外出稼ぎする 会社依存する/資格を取る 新規就業する 生活をコストダウンする 生き甲斐を探す 社会貢献する・・・。 |
![]() | 書 籍:「60歳からの仕事」 発 行:2009年11月18日初版発行 著 者:清家篤 長嶋俊三 発行所:株式会社講談社 定 価:1,400円+税 世界で類を見ない超高齢化社会を迎える日本において「生涯現役社会」の実現は、必然かつ不可避である。生活のため、自分のため、社会のためーーー様々な理由から60歳以降も働くことがもとめられているいま、何をすべきなのか、どんな選択肢があるのか。企業と個人、両方の視点から、60歳からの働き方を探る。 「60歳からの人生を、豊かに幸せに生きるための指南書 65歳まで ?同じ会社で働く場合 ?会社を変わって働く場合 ?フリーランスで働く場合 70歳まで働く場合 17企業の事例研究付き。 |
![]() | 書 籍:入社資格は「60歳以上」”マイスター60”躍進の秘密 |
いつまでも、今までと同じ仕事を続けたい。それほど仕事が好きで(好きかどうかは別)、もちろん周りの方も感謝している先輩達は私にとってやはりうらやましい。私にとって、仕事とは?今までは誰かが、必要としたから何とかそれに答えようと、なんでもこなしてきた。つまり生活する手段だった。
子供たちを大学まで出して、家のローンを払い終わって。そして退職後に備えて貯蓄をして・・・。
これを先輩達と同じように自分の目的に変える為には???残念ながら、今の所、私にはこれはできそうにない。別に今の仕事が嫌いな訳ではないが。そう私にはまだ仕事は仕事だ。もちろん他にもやり残した仕事もある。もちろんやりたい事も沢山ある。それを片っ端から試したい。その為の期間がどれぐらいかかるのかとんでもなくかかる気がするが、その為の時間はいくらでもある。しかしそれの準備の為の時間はそれほど多くは残されていない。そう私の定年の歳は・・・。
定年退職後の仕事に関する書籍で今回、上記の3冊を紹介しておく。上の2冊「57歳のセカンドハローワーク」、「60歳からの仕事」は、一斉に定年を迎える(既に迎えた)団塊の世代へのメッセージであり、要は60歳以降の仕事を含めた生き方についてのアドバイス本だ。今までの仕事や会社経験を活かして、給料は下がるが、継続雇用や再雇用の道があれば、それが一番と言う事になる。
もう一つの「入社資格は「60歳以上」」は、むしろ定年退職と言う制度自体への問題定義となろう。つまり60歳を過ぎてもまだノウハウを持った元気な方がいるのにこれを活用しない手はない。会社としても個人としても、願ったりの事。これを実際に実現している会社”マイスター60”の例を説明している。
何れにしても、定年後はお金が必要だ。まずは先立つ物はとなる。何時の世でもそうだが、多くは必要ないが、最低は必要だろう。
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