今回も初めての作家の作品紹介となる。今年は熊が人を襲った事件があり、衝撃の報道となったが、実はそれ以前に読んだ書籍の紹介です。本当は記事と同時に掲載予定だったが、タイミングを逃してしまった。単なる備忘録になりそうであるが、掲載する事にする。
熊の話をした事から、この書籍の紹介が熊に関係するものである事は容易に推察されると思うが、この作品の主役は、最愛の妻が、突然いなくなり、半年後にバラバラの白骨死体で見つかる。そのためにその真実を追う夫、その後次々と起こる奇怪な殺人事件と言うか失踪事件、そしてツキノワグマを研究する女性と犯人の本島にいないはずのヒグマである。しかし本島にいないはずのヒグマが存在するのはなぜか?その謎が犯人のヒグマと言うより、人間の起こした犯罪でもあり、且つそのヒグマが多くの犠牲者を出しながら、町民一体でやっと始末するが、実は一匹ではなく、もう一匹存在すると言う最後の落ちが面白いと言うか更なる恐怖を誘う。
なお作者の北林一光(きたばやし いっこう)氏は、本作品(原題「幻の山」)で第12回松本清張賞最終候補となったが、受賞を逃し次回作執筆途中で癌により享年45歳の若さで他界(2006年11月)されている。非常に残念であるが、冥福を祈りたい。
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