東野圭吾『新参者』を久しぶりに読んだ。やはり面白い。以前の作品も面白かったが、氏の最近の作品は更に面白くなっている。と言う事でふと手にした氏の作品を連続で紹介する。別に私が紹介する必要もなく氏の作品は既に発売と同時に多くの方が読まれていると思うが・・・。
最初の作品は『ナミヤ雑貨店の奇跡』だ。この作品は昔で言うSF(サイエンス・フィクション)小説のジャンルだ。氏の『プラチナデータ』より、どちらかとと言う『秘密』に近い気がする。そう不思議な世界。悲しく切なくなる世界観。最期はどんでん返しのストリー。そして未来へと力強く生きていくのを期待させる展開。
この作品を読んだ時、思わず涙しそうになった。
『第二章、夜更けにハーモニカ』。魚屋ミュージシャンが作ったハーモニカの曲「再生」。彼がミュージシャンとして慰労で訪れた養護施設。その養護施設で披露した時に出たった音楽の天才少女。その施設が火事になり、魚屋ミュージシャンは逃げ遅れた少女の弟を助ける為に火の中へ飛び込み、亡くなる。魚屋ミュージシャンの「再生」で世に出て日本を代表するミュージシャンになった天才少女は、生きる限り魚屋ミュージシャンへの恩返しの為に「再生」を歌い続ける・・・。その魚屋ミュージシャンが成功しないまま、挫折しそうな中で、彼に「あなたが音楽の道を進むことは、決してムダにはなりません。そしてあなたが生み出した音楽は必ず残ります。~最期まで、そのことを信じてください。最期の最期まで信じていてください」と相談の回答をしたのは・・・
ナミヤ雑貨店の店主だった浪矢雄治は、近所の子供たちとの口げんかから悩み相談を始めたが、やがて真剣な悩み相談も入るようになり、そのトンチ的な回答で評判になる。その約40年後、強盗をしでかした3人の青年が、廃墟とかしたこのナミヤ雑貨店に入り込んだ。そこへ、悩み相談の封筒が投げ込まれた。その悩み相談へ、真剣に回答しようとする内に、これは40年前の過去からの手紙だと理解する。そして2つ目の相談が投げ込まれた。相談者は、魚屋ミュージシャン。彼は、大学を辞めてギター一本で音楽を目指していたが、なかなか成功しないため、辞めて実家の魚屋を告げと言われていた。魚屋ミュージシャンの相談に激怒した3人は、罵詈雑言で彼に回答を返す。しかし、2回めの相談で彼が吹いたホーモニカの曲。それが3人の所に時代を超えて聞こえた。彼ら3人は、養護施設丸光園で育ち、その曲を知っていた。その曲は「再生」・・・。
ナミヤ雑貨店と児童養護施設丸光園。児童養護施設丸光園を開設したのは皆月暁子。彼女は息を引き取る時に「心配しないで、私は空の上からみんなの幸せを祈っているから」と言葉を残した。浪矢雄治はしがない機械工で皆月暁子は資産家の娘だったが、ふたりは、駆け落ちしてまで一緒になろうとした仲だったが・・・・
大変感動的な作品です。氏の作品を初めて知ったのは『秘密』。この時も大変感動した。何回もこの作品を読み返した。そしてこの『ナミヤ雑貨店の奇跡』も何回も読み返せる作品だ。素晴らしい。
書籍名:ナミヤ雑貨店の奇跡 | |
あの時の回答は、 あなたを 救いましたか? 悩み相談お任せください--。 時空を超えて交じわされる、 温かな手紙交換。 すべての人に捧げる、 こころふるわす物語。 | 「一か八かの勝負でした」東野圭吾 夢をとるか、愛をとるか。 現実をとるか、理想をとるか。 人情をとるか、道理をとるか。 家庭をとるか、将来をとるか。 野望をとるか、幸せをとるか。 あらゆる相談に乗る、不思議な雑貨店。しかしその正体は……。 物語が完結するとき、人智を超えた真実が明らかになる。 |
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