社会不安障害:SAD、ボランティアとセカンドライフ

SADで会社を休職したが、一年で復帰し、無事定年を務めて、その後の生活とボランティアについて気ままに掲載中

池井戸潤『ようこそ、わが家へ』

2015-09-17 12:19:56 | 趣味(読書)

先週からジムに通う事ができずにいる。その原因については別途掲載するが、その為に、家でズット過ごす事になった。家でやる事は多いのだが、とりあえず読書に浸っている。

と言う事で、奥様の私への次の推奨作品がこれだった。池井戸潤『ようこそ、わが家へ』。なぜこの作品だったのか?氏の作品としては比較的新しいが、なぜ?ヒットした作品なのだろうか?

とりあえず読んでみよう。と夜中に読みだすと、ウーン、とストーカーの作品だ。このまま先を読むと寝られなくなる。

最近ジムに通えない原因の為、今週はアルコールを一切控えている。つまり禁酒だ。その為、なかなか寝つきが悪い。最初の方で読むのをやめて、寝た。

翌日に全て読み終えた。

 

エリートコースを外れ、銀行から取引先へ出向中の主人公倉田太一が家ではストーカー、出向先の会社では、社長や営業部長と対立しながら、両方の事件を解決していくストーリだ。相変わらず、ベースは銀行の経験からの話が多い。特に専門用語に対して、その本文で注釈までつけられているのは、私にとっては迷惑だが(うざい)が、一般の方からするとそうでもないのだろう。

「手形の割引もできないのか」
「割引」という言葉は一般には馴染みが浅いのでわかりづらいが、要するに商品やサービスの代金として受け取った手形を、その支払期日前に銀行に買い取ってもらう取引だと思えばいい。そうすることで、期日を待たずして会社は手形を金に換えることができるのである。
<本文より>

奥様に、「手形の割引」って知っていると聞くと、そんなの知らないわよ!と即答された。

この作品だけではないが、氏の作品では、手形割引、回し手形、与信など実用的なビジネス用語が出てくるが、それをいちいち説明していたらきりがないが、どこまで読者が知っているだろうか?と予測して注釈を入れるのはなかなか難しいと感じた。そう今時では、若い方に手形?てなんですがと言われそうだし、若手ではなくても、確かに知らない方の方が多いかも知れない。

もっとも一般知識だから皆がわかる言葉かと言うとそうでもない。何気なく簡単にハウリングと言う言葉が出てきたが、この言葉は一般の知識の範囲だろうか?

 

さて、奥様がこの作品を私に推薦したのは、どうもTVドラマ化されていたからの様だ。「相場君がストーカーに追っかけられるドラマだったよ!」と。

「エーそれは違うんじゃないの。相場君の歳では、ストーカーに追っかけられる主人公の倉田太一には、若すぎるし、息子の大学生の健太には年すぎるし、それに健太は追っかけられていないし・・・」。

と思ったが、原作を変更してドラマ化したのだろうと認識した。原作の主人公は父親の倉田太一だったが、ドラマではその長男・倉田健太を主人公にしたようだ。

つまり、ストーカーの被害に遭う事と、出向先の会社で、営業部長の不正を暴くのを別々に、分離して、その主人公をそれぞれ、太一とその息子に分けた形だが、これはこれでなかなかあっている気がした。

まあ、いずれにしても、なかなか面白い作品だった。

 

ようこそ、わが家へ

書籍名:ようこそ、わが家へ
発 行:2013年7月10日初刊
著 者:池井戸 潤
発行者:森 万紀子
発行所:株式会社小学館
価 格:695円+税

真面目なだけが取り柄の会社員・倉田太一は、ある夏の日、駅のホームで割り込み男を注意した。すると、その日から倉田家に対する嫌がらせが相次ぐようになる。花壇は踏み荒らされ、郵便ポストには瀕死の猫が投げ込まれた。さらに、車は傷つけられ、部屋からは盗聴器まで見つかった。執拗に続く攻撃から穏やかな日常を取り戻すべく、一家はストーカーとの対決を決意する。一方、出向先のナカノ電子部品でも、倉田は営業部長に不正の疑惑を抱いたことから窮地へと追い込まれていく。
直木賞作家が”身近に潜む恐怖”を描く文庫オリジナル長編。(解説・村上貴史)

上記の文庫のあらすじ紹介は珍しく、まともで誇張のない説明だ。


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