社会不安障害:SAD、ボランティアとセカンドライフ

SADで会社を休職したが、一年で復帰し、無事定年を務めて、その後の生活とボランティアについて気ままに掲載中

東野圭吾「手紙」

2008-02-19 23:11:10 | 趣味(読書)

東野圭吾「犯人のいない殺人の夜」 に引き続き、東野圭吾氏の書籍連続紹介です。

確か2006年に映画化され、先月?にもその映画がTVで初放映されたはずですので、ご存知の方も多いと思います。

画像 003 (2)-2.jpg
書籍名:「手紙」
発行所:毎日新聞社
発 行:2003年3月15日初版発行
初 出:毎日新聞日曜版連載
     2001年7月1日~2002年10月27日
定 価:1,600円+税

<ハードカバーの帯の紹介>
祝い 直木賞受賞!
絆とは何か。罪を償うとはどういうことか。深く問い続ける、感動のロングセラー「手紙」映画化決定!

兄は強盗殺人で服役中。その時、弟は---
断ち切られた兄弟の絆。希望なき世界をさまよう人生。いつか罪は償われ、傷は癒されていくのだろうか。
「毎日新聞日曜版」大反響連載、待望の単行本化。

<要約>
主な登場人物
・武島直貴 ・・・ 兄剛士の犯した強盗殺人の為に、かろうじて高校卒業後、寮が使えるリサイクルの会社に勤める。あきらめていた大学の夢を、通信教育で取ろうとする中で、白石由美子や寺尾祐輔と知り合う。
・武島剛志 ・・・ 直貴を大学に行かせる為に、母親の死後、力仕事で働き続け、ついに強盗に入った家で誤って殺人を起こしてしまい、強盗殺人の罪で、刑務所に。その後刑務所から直貴に毎月手紙を出す。
・白石由美子 ・・・ 直貴がリサイクル会社で勤めていた時に、その親会社の製造に勤めており、直貴と知り合い、以降ズット直貴を支えていく。
・武島実紀 ・・・ 直貴と由美子の娘。
・梅村教諭 ・・・ 直貴の高校の担任。アルバイトの紹介や就職の面倒を見る。
・寺尾祐輔 ・・・ 直貴と大学の通信教育のセミナーで知り合い、直貴の音楽(ボーカル)の才能を見抜き、自分のバンドに誘う。直貴の兄の事を知っても、変わらず付き合う。
・中条朝美 ・・・ 直貴が音楽の夢を捨て、通信教育から大学に編入した後の合コンで知り合い、始めて愛する事になる。
・嘉島孝文 ・・・ 朝美の従兄弟で、朝美の婚約者。直貴の兄の事を突き止め、両親に告げる。
・平野 ・・・・・・・ 大学卒業後、就職した新星電機の社長。直貴に会社や社会での差別の背景と理由と諭す。
・緒方忠夫 ・・・ 剛志に殺された緒方の息子。直貴と会った時、剛志から彼に送られていた最後の手紙を直貴に見せ、事件を終わりにする事を直貴に言う。

直貴は、兄剛志が強強盗殺人犯であるが為に、武島らとのバンドデビューで歌を歌う夢を捨てさせられ、恋人朝美とも別れさせられる。大学を必死で卒業し、新星電機に勤めるが、ある事件を元に、兄の事がばれて、職場を変更されることになる。一方由美子は、途中から直貴に代わり、剛志に手紙を返答しながら、直貴を支える。直貴と結ばれ、実紀が生まれるが、新星電機の社宅や保育所で、またも兄の事が知られてしまい、由美子や実紀までも直貴と同じ境遇になってしまう。ついに直貴は、二人を守る為、剛志との縁を切る事と共に新星電機を止める事を決意する・・・。

あまりにも切ない、つらい物語であり、それでも直貴が生きていこうとする姿に感動しました。おそらく、この様な状況であれば、新聞の中でよく出てくるように同じような犯罪者になっても不思議ではなく、この物語は、そういう意味では、世の不幸だと思っている人に読んで欲しい本だと思う。

罪を犯した本人もそうだが、親族も罪を償わなければならない、一方で、親族は関係ないとは言いながら周りの人間は、当事者から避けていくと言う人間の当たり前(汚い面)の所を示しているかなり考えさせられる物語です。

一方で最後まで、変わらず、直貴と付き合うのが由美子と寺尾祐輔の二人であり、最後に直貴が寺尾と一緒に剛志のいる刑務所で慰問コンサートをするラストが感動です。

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿