私にはお世話をしている野良ちゃんがいる。
「しかくちゃん」
もう鋭い前歯も2本抜けている、そこそこおばあちゃん、、、かな?
この2週間心配と涙と不安のかたまりで過ごしていました
台風の前日から、しかくちゃんが姿を現さなくなったからです。
大雨以外はほぼ毎日、仕事帰りの不規則な時間の私を待ってくれている。
「おねえタンはじぇったい来る!!」
出会って4年近く。
私と、しかくちゃんの間は確実に信頼の絆で結ばれている。
たまにすれ違いの日もあるけれど、その次の日には必ず会える。
それなのに、翌日、
台風も午後には過ぎ去り、夕方には雨もすっかり上がっていたのに、しかくちゃんはどれだけ待っても現れなかった。
「おかしい!!」
そしてその次の日も。3日目にもなるとさすがに「何かあったに違いない!!」と漠然とした不安は確信に変わった。
「事故かな。どこかに閉じ込められちゃったのかな。もしかして猫捕りに捕まってしまったのかも、、、」
大丈夫と信じたいのに、悪いことしか浮かんでこない。
仕事も身が入らない。
毎晩、夜遅くに仏前でしかくちゃんの無事を祈る日々が続いた
野良ちゃんとの別れは何の前触れもなく突然やってくる。
過酷で危険がいっぱいのお外の生活。
頭ではわかっていても、思い入れの強い子だけにすんなり心が流してくれない。心配だらけの心で過ごすのはほんとに重くてしんどい。
昨年も一度、姿を隠したことがあった。
「何日目で出てきたんだろう、、、」
と、昨年の手帳を開いてみた。
、、、9日目。
まだ2日ある!!
まだ可能性は十分ある!!
姿を消して8日目。
しかくちゃんのいつもの場所に(ネコステーション)に黒子猫3匹の姿!!!
どうやら、しかくちゃんの陰膳を食べに来てたらしい。
他にもいるのだけど、大きい子は避妊、去勢して戻したり、人懐こい子なら里親さんを探したり、なんせ一人だから、一度にたくさんのことはできない。里親探しは特に自分の家で保護してやることができないから病院に預かってもらわないといけないし、そこでまたベテランのボランティアさん方のお力をお借りする。ありがたい。
黒子猫ちゃん達は、一度は逃げたものの、よほどお腹がすいていたのか1匹保護できた。触っても逃げず、持ち上げても威嚇もしない子を到底そのままにすることもできず、、、
その後は、獣医さんのハシゴでばたばたしたおかげで気が紛れた。
「あたちどうちたの??」
ついに9日目!!
しかくちゃんが現れた!!
よかった!!生きてた!!
けど3本足。ケンケンしてる。お口も開いたままで、ヨダレがでろ~ん。折れてるのか?事故にでもあったのか、、、?
お口もかなり痛そうで、9日ぶりのごはんもうまく食べられない。
すっかり痩せこけてしまって、骨盤がとんがってる
生きていることがわかったので、私の心労もだいぶ軽くなった。
けれどごはんを食べられないことが今度は心配で心配で。
水だけでも一か月は生きられると記憶にある。
でもそれまでに衰弱しきってしまったら??
折れてるのかどうなのか、、、様子が分からない。
しかくちゃんは、なでなでさせてはくれるけどそれ以上はできない子。
それが自分でも不安なのか、食べないかわりに私の横を行ったり来たり、スリスリスリスリ、、、、。
このまま食べれないと自分がどうなるのか悟っているのか、これまでになく私の顔に近づき、食い入るように「おねえタンの顔わすれないよ」とばかりに目を見開いてじ~っと見てくる。
もっと甘えてみたいけど、、、
ふみふみふみふみ~。。。
今は私に会うことがしかくちゃんの生きる支えになっている!!
そう思えてしかたなかった。
心の支えがあると頑張れるのは猫も人間も一緒なんだ。
そ~っと抱き上げて初めて膝の上に乗せてみた。
軽い!!しかくちゃん綿のよう
びっくりして下りようとするけど、食べてないから力もでない、、、
それから2日くらいで膝の上になれた様子だった。
連れて行けるかも!!
とにかくお口の中がどうなっているのか、漠然とした不安と推測ではなく、折れてるのかどうなのか何か少しでも正確な情報が欲しかった。
病院に連れて行っても、野良ちゃんだけに、暴れたり威嚇が激しくて診てもらえないかもしれないけど、そうなら仕方ない。
診てもらえても、どうしようもないかもしれない。それなら仕方ない。
納得する。
洗濯ネットを膝に広げ、そっとしかくちゃんを乗せる。
嬉しそうにネットの上でふ~みふ~みしてる。
そのままチャックを閉めて、ストールで巻いて抱っこして家に帰り、病院へ。
しかくちゃんは大人しかった。
そして足もアゴも骨折はしていないであろうという結果だった!!
「よかった~」不安と心配でいっぱいだった私の心が安堵感が満ちてきた。
口内炎がひどくなりすぎて食べられないのかもしれない。
であれば、注射してやると痛みはましになるよ、と先生。
一時しのぎかもしれないけれど、とにかく食べさせてあげたかったので注射してもらった。明日くらいから食べられるであろう、ということだった。
「しかくちゃんも歳やな。」
そう思うと、心配だけどどこか納得できたようで私の心も落ち着きと、覚悟ができた。命あるもの、遅かれ早かれ別れはやってくる。
そして今日、先生の言葉どおりしかくちゃんは2週間ぶりにまともにごはんを食べることができた
お薬が効いている間に元の体型に戻ってほしい。
目の前にごはんがあるのに食べられない。
食べたいのに食べられない。
そうなるとどうなるのか、しかくちゃん自身もわかっていたのであろう。
食べれた喜び。
2週間ぶりのごはん。
両方のお目めから、ポロンポロン。。。
涙を流して食べていた。
よかったね、おいしいね、しかくちゃん。
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