九月に北九州市立病院の病棟課長が、2審で逆転無罪判決を受けた。入院高齢者
など四人の爪はぎを報道されて、病院長が「虐待といわれても抗弁しようがない」
と発表(07年6月)。
事件が表面化して「北九州市尊厳擁護専門委員会」が虐待と判断し、
福岡県警が看護師を障害容疑で逮捕した(07年7月2日)。
警察担当新聞記者は「県警、病院双方とも『つめはぎ』『虐待』との認識だった。
他に取材した病院関係者にも同様の認識があった」と述べている。
老人ホームの施設長を経験した私は病院側が看護師の自宅待機の処置とった
ことは正しいと考える。
問題は「つめはぎ」を傷害罪の刑事事件とし、起訴まですべきであるのか
判断が難しい。これは高齢の認知症者への虐待事件ではないのか。これに対して
看護師は「疾患がある爪を切っただけで虐待ではない」と主張している。
検事が人権を犯した看護師を起訴し、裁判官は有罪としてしまった。
看護師の行為を「つめはぎ」でなく「つめ切り」と認定したうえで
「患者に配慮せず、楽しみとして切った」と懲役6ヵ月執行猶予猶予3年という
珍しい判決となった。これで、虐待事件は二審までもつれ込んでしまった。
看護師の行為は「つめはぎ」であると関係者が認めているのに、「つめ切り」と
矮小化して判決を下すのは首を傾けざるを得ない。
老人の爪を処置するのは、かなり難しいと私は認めている。 認知症の高齢者の
爪を剥ぐ時は、医師や家族など関係者の同意を得てから処置したほうが良い。
看護師の代理人は「報道や捜査機関など、高齢者の爪のケア(介護)の実態を
知らない人たちが暴走した結果、『つめはぎ事件』が作られた」と訴えている。
報道まで非難するのは間違っている。
「つめはぎ」の治療(キュア)が行われたのは事実であり、認知症患者の
爪の治療は治療手続きを踏まえたうえで行うべきであるということを、こんどの
ケースは我々に示している。 高齢者とくに認知症者の治療は手続きが大切だと
いうことを教えてくれた。
看護師が家族から患者のつめ切りを依頼されても断るといううような話しが漏れ
伝わってきた。 高齢者の介護と治療を拒否することは看護師、介護士ともに
許されない。
など四人の爪はぎを報道されて、病院長が「虐待といわれても抗弁しようがない」
と発表(07年6月)。
事件が表面化して「北九州市尊厳擁護専門委員会」が虐待と判断し、
福岡県警が看護師を障害容疑で逮捕した(07年7月2日)。
警察担当新聞記者は「県警、病院双方とも『つめはぎ』『虐待』との認識だった。
他に取材した病院関係者にも同様の認識があった」と述べている。
老人ホームの施設長を経験した私は病院側が看護師の自宅待機の処置とった
ことは正しいと考える。
問題は「つめはぎ」を傷害罪の刑事事件とし、起訴まですべきであるのか
判断が難しい。これは高齢の認知症者への虐待事件ではないのか。これに対して
看護師は「疾患がある爪を切っただけで虐待ではない」と主張している。
検事が人権を犯した看護師を起訴し、裁判官は有罪としてしまった。
看護師の行為を「つめはぎ」でなく「つめ切り」と認定したうえで
「患者に配慮せず、楽しみとして切った」と懲役6ヵ月執行猶予猶予3年という
珍しい判決となった。これで、虐待事件は二審までもつれ込んでしまった。
看護師の行為は「つめはぎ」であると関係者が認めているのに、「つめ切り」と
矮小化して判決を下すのは首を傾けざるを得ない。
老人の爪を処置するのは、かなり難しいと私は認めている。 認知症の高齢者の
爪を剥ぐ時は、医師や家族など関係者の同意を得てから処置したほうが良い。
看護師の代理人は「報道や捜査機関など、高齢者の爪のケア(介護)の実態を
知らない人たちが暴走した結果、『つめはぎ事件』が作られた」と訴えている。
報道まで非難するのは間違っている。
「つめはぎ」の治療(キュア)が行われたのは事実であり、認知症患者の
爪の治療は治療手続きを踏まえたうえで行うべきであるということを、こんどの
ケースは我々に示している。 高齢者とくに認知症者の治療は手続きが大切だと
いうことを教えてくれた。
看護師が家族から患者のつめ切りを依頼されても断るといううような話しが漏れ
伝わってきた。 高齢者の介護と治療を拒否することは看護師、介護士ともに
許されない。