本日、島津Model-3 の初ロット品の出荷が完了しました。納品待ちのお客様、大変お待たせ致しました。まもなくお手元に届きますので、音楽三昧を愉しんで頂けましたら幸いです。
この 島津Model-3 ですが、振動板本体の製作だけでも一日に一個しか作れません。従来不可能であった分割振動の本質排除を実現した代わりに、内部形状が複雑(※1)で、骨の折れる細かな手仕事でしか作れないのです。実は特許などは出さなくても、恐らく誰も真似しないだろうと思います。睡眠時間をきちんととって集中力を保たなければ出来ない作業ですので、徹夜作業などはもっての外で、根性論では不可能な世界です。一般に(工業製品と違って)手仕事職人の納期が長いのは如何なものかと(少しだけ)思っていましたが、今回身をもって手仕事の苦労を実感した次第です。
※1. 『MJ無線と実験10月号』での島津スピーカーのテクニカルレポートで、振動板内部の「特殊ダンピング機構」については特許の都合で非公開となっていましたが、こちらは解決済みですので、後日ご紹介したいと思います。従来のリブ構造やハイテク素材の利用では、分割振動の本質排除が出来ない理由についても、併せて解説したいと思います。
閑話休題
さてこのDSS振動板スピーカーですが、オーディオユニオンお茶の水店にて、最終製品としてのご報告を兼ねた試聴会をご設定下さいました。濁りの無いクリアー感と、しっかりした骨格のある音で、強いエネルギー感が得られつつも歪みを感じない音質は、数あるスピーカー製品の中でも一線を画すと思います。特に音数の多いオーケストラものが混濁せずに力強く鳴るのは圧巻だと思います。昨年の年末に行った試作ユニットの試聴会での完成度から長足の進歩を遂げましたので、その仕上がりにご注目いただければと思います。
<試聴会のご案内>
9月18日(月)(敬老の日)
14時~、15時~の二回
オーディオユニオンお茶の水店3F試聴室 → 詳細はこちらから