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前回、「常識破り」というキーワードを出させていただいたのは、実は前振りでありまして、島津Model-1 についての常識破りを何回かに分けてご紹介したいと思います。本日はその常識破りの一つである「免振ベース」をご紹介したいと思います。
※ ところで、島津Model-1 に関するトピックNo.1は、なんと言ってもDSS振動板なのですが、こちらについては奥が深いので、別途改めて扱わせていただこうと思います。ひとまずpdfカタログの解説にてご容赦ください。
さて、この免振ベースの話題が最初になったのには訳があります。チェリー無垢材天板の肌触りをお試しになった訪問者様がまず最初に驚く事は、「ぎょぎょっ、キャビネットがユラユラする!」という事だからです。(笑)
免振ベースは、簡単に申せばレコードプレーヤーのインシュレーターと同じような構造で、写真(↓)の様になっています。
※ 黒色の免振ベース本体を外した内部構造。キャビネット底面(写真右側)の黒いポチ足が、免振ベース(写真左側)の凹部に充填された耐震ジェルに乗る(実際には接着される)構造になっている。キャビネット底面から出ている2本のシャフトは組み立て時の位置決め治具であり、組み立て後は振幅リミッターに交換される。
従来のスピーカー設置は、例えば三点受けのスパイク足のごとく、ガタつきなく設置するのが常識でした。では質問です、何故インシュレーターで浮かせてはいけないのですか? 音がフワフワになってしまう? まあそのお答えで外れではないです。従来の常識的なスピーカーユニットではその様な問題が起こり得ますが、情報量が多くて応答の良いDSS振動板ユニットの場合は、フワフワに浮かせるのが正解です。
DSS振動板ユニットを免震設置するメリットは、リアリティや躍動感が確保されつつも、濁りや歪み感の原因となる雑味音を根絶する事が出来る点にあります。即ち、澄んだ生々しい音が、荒々しさ無しに出せるという事です。
※ 物理屋で理屈にうるさい私としては、浮かせたスピーカーユニットが音を出す反力で揺れてしまって良いのか、という事についてもご説明したいところですが、この面白いお話は別の機会とさせていただきます。結論だけ先に申しておきますと、全く問題はありません。