モノ作りは治具が制する~日本の労働生産性

2022年03月21日 | 会社情報・お仕事改革

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先日、丁寧なモノ作りと言う話題をさせていただきました。但し、ゆっくり作るので製造原価が高いのは仕方がない、というアポロジャイズとは違いますので、今日は作業性の向上、ひいては日本の労働生産性という壮大な(笑)話題です。

 

 

 写真(↑)は、「島津」エンブレムを貼り付けるときの位置決め治具の例です。これはいわゆる転写シールの原理のなのですが、うっかり曲がってしまうと貼り直しが出来ないので、一発で決めないといけない厄介な作業です。しかし、チマチマと貼り付け位置をマーキングして・・・などという作業をしていたら日が暮れてしまいます。丁寧だから遅い作業という事ではなく、素早く正確に作業を出来る事が何より重要です。今時は3Dプリンターで自由自在に治具を作れるので、本当に重宝しています。

 このようにして、少ない作業者でテキパキと作業を進められる様に日々工夫を重ねております。そうしますと、ここでもう一工程増やして、更に品質を向上する、という事も可能になります。キャビネット担当の加生氏の仕事を例にすれば、サンドペーパー仕上げではなく、宮大工さながらに手カンナで仕上げるといった贅沢をしつつ、しかしその他の仕事は素早く行って、高級品と言えども冗長なコストはかけない、という事が重要だと思います。

 閑話休題

 前職でオルガンの輸入の仕事をしていた時には、欧州の大小さまざまなオルガンメーカーを訪問しました。概して、郊外の大きな敷地にゆったり建てられた低層建築の工場や工房が多く、本当に羨ましい環境でした。しかし更に感心するのは、スタッフの少なさです。それでも、一見では優雅にコーヒーでも飲んでいる様に見えますし、夕方にはバールで仲間と軽く一杯引っ掛けてから、すぐに家に帰ってマンマの美味しい夕食を食べる。何故こんなに余裕感が? しかし裏では素早く無駄なく仕事をしているからこそ健全な経営が出来ているものと思います。

 翻って、我が日本国では都心に密集して、要らぬ会議で一日過ごし、本来の実務は残業時間に、家には寝に帰るだけ・・・何かがおかしい!

 日本の労働生産性はイタリアよりも低いとか、一人当たりのGDPは韓国よりも低くなったとか報道されて久しいですね。(イタリア、韓国の皆さま、失礼にお許しを)日本人が劣化しているのはもはや事実でしょう。老害に病む大企業や政治にどうこう意見してもしようがない感じがしますが、しかし独立起業する若手開拓者にはエールを送りたいと思います。若い企業がどんどん増えて、空洞化した日本の産業を埋め戻して欲しいと思います。年寄りの私も頑張っておりますゾ! 人生のレールって社畜になることだろうか? アウトローで上等、協調性という名の付和雷同ではなく、自立した大人に!

 



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