写真(↑)は、先日の10cmDSS振動板ユニットの特別試聴会の来場者にお見せしたもので、製品開発中の 島津Model-3 用のフローティングマウント機構です。(関連記事として「スピーカーはガッチリ固定するべき?」についてもご参照下さい)
ところで、右側に裏返しに置いてあるのがプロテクター(保護カバー)です。これを装着すると・・・
この様になります。マグネットキャッチになっていて、容易に着脱可能です。
さて、機構部の詳細ですが、裏側から見ると、外側の薄い筒と内側の薄い筒の間の狭い隙間にゲル物質(写真の白色部)が充填されています。外筒は外側のフランジと一体で、このフランジはバッフル板に固定します。内筒は内側のフランジと一体で、スピーカーユニットを固定しています。
この構造によって、スピーカーユニット側のフランジ(内筒)は前後(振動板のピストン運動)方向に緩く動く事が可能になり、それ以外の方向の動きはかなりしっかりと固定されます。ガタやビリ音の発生しない ”直動ベアリング” の様な機能となっています。即ち、ユニットが自重で傾いてしまったり、搬送中に機構部が破損したりするリスクを排除しています。
ところで、6cm口径の現行品 島津Model-1 では非常に小さな(軽量な)ユニットでしたので、緩衝材を挟んだ簡単な構造のフローティングマウントとなっていました。しかし10cm口径では、超大型マグネットにかなりの重量がありますため、製品としての信頼性確保のために、この様なゴツい設計になった次第です。
写真(↑)は、外筒と内筒の隙間に充填してあるゲル(白色の部分)の様子の拡大写真です。
そして現在、KASHO工房 にて製品版キャビネットの試作品を製作中です。年明けに入荷しますので、フローティングマウントを組み込んだ状態での音出しが可能になります。
ところで先日の特別試聴会では、10cmDSS振動板ユニットを簡易Boxに組み込んだだけの(ユニットはバッフル板に直留め)状態でした。その為、当社のサウンドコンセプトである「柔らかいのにクリアーで実在感がある」の内「柔らかい」が不十分でした。しかし、いよいよ音質の総仕上げとなる製品化の最終段階に入ります。製品版キャビネットでの音出しにワクワクしております。