ふかふか と もふもふ と むくむく・・・

新しく家族になった美しい兄と妹猫。妹分が加わり3匹になりました。破壊力も倍増しています。微妙な同居生活は果たして・・・

放心状態。。。

2011-12-07 18:06:55 | タム
これ、ボーっとしているのには、理由があるんです。

珍しく、放心状態。

約30分ほど、ここで、置物のようになっていました。





第一章 神様の試練


それは、夕食が済んでテレビを楽しんでいるころ・・・。


『なんだったら、私のこと、かまってもいいわよ』

少し前、廊下を舞い飛んでいたタムが、トコトコとリビングにやってきた。
なにやら、姉やんの方を見て、おりこうに三角座りとか、している。

「う~ん、タムは可愛いなぁ。抱っこしてあげるねぇ」

姉やんは、モフモフの塊を抱き上げると、まるで赤子を抱きかかえるように仰向けにふんわりと包み込んだ。

「タムにゃ~ん、らぶぅ~~~ ・・・・・・・・、、、うっ!!!」

 こ、この、かぐわしい田舎の香りは、も、もしやっ!!!

姉やんは、腕の中の宝物をしっかりホールドして、そっと、お腹の方に巻き込んでいたシッポを、はがしてみた。


 「う、うわぁぁぁ。。。。。い、妹~、ヘルプぅ。。。。。ちょっと、来てぇ!!!」


そこには、過去最高サイズの、大人の人差し指ほどはあろうかという、お土産が、ふわふわの長い毛に巻かれて、その稀有な存在を主張していた。


過去、小さいお土産は、何度もあった。
いったん、モフモフに絡みつくと、ティッシュで取ることは難しい。
たいていの場合、それは【ハサミ】の出番となり、毛ごと刈り取るしかなかったのだ。
そのため、ここだけの絶対内緒の話だか、タムの後姿は、かなり【せくし~】な状態になっている。

だが、今回のお土産は、過去の比ではない。
とても一人で対処できる代物では、無かったのだ。


一緒にテレビを見ていた母と、一応ティッシュでチャレンジしてみたのだが、余計に絡まっただけの残念な結果となった。

母は、早々に現場を放棄し、「あとは何とかしてやぁ~」と言い残して、姿を消した。

残された姉やんは、タムを抱きかかえたまま、泣き叫ぶしか無かった。

「いもうと~、いもうとぉぉ~(涙目)、早く来てってばぁ」


妹(人間)の答えは、残酷なものだった。

「ゴメン、今、手が離せない。。。」

それからの数分間、姉やんは、その時のことをよく思い出せない。


嫌がるタムをなだめて、必死に抱えつつも、お土産の被害が広がらないように、最大限の努力を続ける。

 「ああっ、神様は、どうしてこんな試練を、私に・・・」 ← 仏教徒。。。


やがて合流した妹(人間)が現状を見て、一言。

「あかんわ、シャンプーしよっ」


 ああああぁぁぁぁ、つ、ついに、恐れていたことが、現実に!!



第二章 こんな屈辱って・・・


さっき、自然が呼ぶから用を済ませてスッキリして、砂場から出ようと思って、気が付いたの。

 くっついてる。。。

また、こんな事態になってしまったわ。

いつもドレスで過ごしていると、いろいろ不都合なことが多いのよ。
昔、フランスの貴族の姫たちも、苦労したらしいわ。
だから、あの国では香水の文化が発展したとか。
ベルサイユ宮殿の庭なんて、あちこちに落ちているもんだから、夜道で逢引なんて、かなり危険だったそうよ。

はぁ、フランスはどうでもよかったわね。

これ、どうしよう。

さっき、思いっきり走ってみたけど、ダメだったわ。ピッタリと付いてくるわ。

姉やんに頼むしか、無いのかしら。。。



『姉やん、これ、取って、今すぐ』


「う~ん、タムは可愛いなぁ。抱っこしてあげるねぇ」

あっ、この抱っこだと、一応お土産は私の尻尾でカバーできるから、姉やんが直接触る悲劇は避けられたのね。よかった。。。
でも、シッポが汚れちゃう。。。ふわふわの自慢のしっぽなのにぃ。

 うっ!!!

あ~あ、姉やんに、うって言われちゃった。
やだ、見つかっちゃった。。。

でも、これで、お土産とはバイバイできるはず。
やれやれ。


えっ、どこ、どこにいくの、風呂場???
何々、なんか、ジャージャー出てるしぃ、何するのよぅ!!!


 あ~れぇ~、


  や~~

   め~~~

    てぇ~~~~!



何これ、何これってば!!!



第三章 活躍したのは


実はうちに来てから、一度も洗濯していないのです、二匹とも。

初代の二匹は、2ヵ月に一度くらいは、シャンプーしていた。
それなりに嫌がったけど、何とか二人がかりで洗って、ドライヤーかけると、フワフワサラサラのキレイなにゃんこが出来上がった。

今いる二匹。

体も一回り、ふたまわり大きく、力も強い。
種類が違うからなのか、自分でグルーミングするだけで、いつも毛の状態はキレイに思える。

だから、一度もシャンプーしていなかったのだ。

単に、面倒だったからというのも、大きい理由なのだが。


よりにもよって、タムだ。

リリーなら、体は大きくて大変だが、まだ、何とかできると思う。
基本的に、おっとりしているから。

だが、相手は、ハンターさまだ。

身の危険を感じた、一流のハンターが、どんな反応を見せるのか。
何の準備も無い私たちに、勝ち目はあるのか。


活躍したのは、これだった。



キャット イン 洗濯ネット by 100均。



素晴らしい。
本当に、目を見張るばかりの活躍だった。
彼の力添えが無かったら、とうていこのミッションは、成功しなかっただろう。

そう、彼こそが、洗濯ネット by 100均。さま。


大き目のネット。
細かいメッシュの、ネット。
大活躍の、ネット。

そう、頭からタムを放り込んで、お尻だけ出して、シャンプーしました。

大変だったけど、なんとかなりました。

蹴っても、暴れても、ネットの中でじたばたするだけの状態に、ハンターさまは、パニックなされていました。

本当に、申し訳なかったと思いますが、おかけで作戦は大成功でした。


だいたいの水気を取って、洗濯かごでネットにすっぽり包まれたハンターさまを、運びました。

なんて、簡単だったんでしょう。


その後、ネットのまま、恐怖のドライヤーと戦い続けたハンターさまの勇姿は、長く語り継がれることでしょう。
ええ、語り継ぎますとも、私が。


数十分にわたる戦いの末、ようやく解放されたハンターさまは、暴れまわるかと思いきや、その力も無く、呆然と座り続けておられました。

彼女にとっては、受け入れがたい体験だったのでしょう。
そう、形のあるものであれば、もっと戦えたはずなんです。
蹴っても引っ掻いても、ふにゃふにゃとゆがむだけの白いメッシュ。
何とか力を振り絞っても、袋ごと引き戻される悔しさ。

まるで、その、屈辱の記憶を、すべて、忘却の彼方へ送り届けるかのように、遠くを見つめながら、ため息をつく彼女。。。



平和は訪れました。

まるで、何事も無かったかのように。

しかし今日もまた、自然が彼女を砂場に呼ぶことでしょう。

そう、長毛種の終わりなき戦いは、まだ、始まったばかりなのですから。


 【完】

参考写真


後姿のハンターさま。未だ乾ききっていないドレス姿。


シッポを引っ張られて、ドライヤーと戦闘中。


前に進むのが基本の、残念な戦闘姿。


放心状態のハンターさま。


久々長文、頑張りましたっ。長らくのお付き合い、ありがとうございました(*^_^*)

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