夜勤明け
帰ってすぐ寝てさっき起きて夕飯を済ます
今回の夜勤は
インフルエンザ対応の終わりを控え
利用者さんたちの普段の様子が戻ってきつつある光景を
微笑ましく眺める勤務だった
「なんで家に帰れないのかね?」
そんな唐突の質問に答えるには私には力不足
ただ、そう思いながらも何も言わないで過ごされている
多くの利用者さんに対して、安易に言うべき言葉ではない事は解る
「慣れて耐える」
利用者さんたちはみな紆余曲折を経て今のポジションを確保している
寂しくあれ、窮屈であれ、苦しくあれ、多くの不満を抱えながら
その上で今できるささやかな楽しみを、それ以外と引き換えにして過ごしている
今日は何年か前に亡くなった方の話が出た
いつも腹が減っていてガリガリだったけど
腸が肥大していたため医師から食事制限が出ていた方。
ある日の給食検討会で「食事制限やむなし」と結論づけた。
その方が日頃、腹が減って畑に行って生産物を盗んで食べているのを知っていたので
「ご飯をもっと多くしていただけませんか?」と伺いを立てたとき
「腸の具合を知っていたらそんなことは言えないよね!」と看護師から叱責気味に言い返された。
私はそれ以上の大きな声で「だけどタマネギや柿を盗んで食っちゃってるじゃ無いですか?」
「それならご飯を増やした方が良いんじゃ無いですか?」となかば恫喝に近い勢いで言った。
新人の発言にしては進退問題にかかわる暴言に違いなかった
でもその後からご飯の量が増やされた
私はそれでもう十分だった。その後クビになっても満足していたろうが
そのまま勤務は続けられた。
普通の暮らしって何だろう?
食事制限、栄養管理、もちろんそれも大切なサービスだとは思うが
自分の食べたいものを食べたいときに食べて
時には食べ過ぎたり食べなかったりするのが普通じゃ無いかと思う。
ノーマライゼーションが普通に批准されたり意思決定支援が叫ばれたりしているけど
それが出来ていないから叫ばれているという事情もあるわけで
普通という概念は施設では途方もなく難しい事なんだなと思い続けている。
私たちは彼ら彼女らの何をサポートすれば良いのだろうか?
私にはその答えを出す能力も出した答えを実行する力も無いけれど
普通じゃ無い普通に向き合うことは出来ると思う。
私が知的障害者の施設に入所することは無いだろうけど
いつも自分が入所していたらと考えていく。
疲れているので風呂は入らないで寝る
何となく汗臭いので着替えだけする
2~3時間椅子の上で寝たけど
それも気持ちよかった
玄関についたてを置かないと
冷気が床に入り込む
でももう動きたくないので
ファンヒーターの熱風と
外からの冷気が戦う様を暫く眺める。
といっても目を瞑っているので見えない
あとはベッドに行く体力だけ