夜勤明け
疲れた夜勤だった
転倒する危険の有る認知症の方を保護しながら
まんじりともしない夜を過ごした。
先日転倒したコブがアザになり、それが移動しながら
顔は見るも無惨な容姿になっている
あんなに元気に会話を弾ませた方が・・
楽しかった日々が走馬灯のように駆け巡る
老いとはこんな一面も備える物なんだろうな
自分もいつかそうなると思うと
戻らない会話が恨めしくも有る
老いの負の部分に着目したら将来は暗くなってしまうので
受け入れて受け流そうとするけれど
本人を目の前に、なかなかそうは出来ない物だ
認知症は自分の祖父で強烈な体験が有り
どんな物かは概ね承知しているつもりだが
今こうして勤務を終えた後も後ろ髪を引かれるように
その方が気になるのは、やはり自分と重ね合わせているからか?
夜勤の出勤時に叔父が亡くなった知らせが入った
厳しく優しい方だった
くも膜下出血で入院した後、家に帰って入浴中に亡くなったらしい
ヒートショック?詳細は明日の告別式で聞くが
家の風呂も大きくて寒いので母親は日中の暖かい時間に入る
私は早朝に入ることが多く、極寒の風呂場でいつも凍えている
気をつけなくてはならないのは自分かもしれない
叔父はいつも厳しく自身を律する方だった
その姿勢は武士のようで、厳しい顔の中に
優しさと無骨さを備えていた
私の立場を理解し、いつも私の味方になってくれた叔父
感謝の言葉しか思いつかない
人生の集大成として老後があるけれど
悔いの無い生き方が出来たかどうかは
今まさに迎えようとしている老後に有るのだろうと思う。
私が今、多くの方々と働きながらも自分自身を失わずに過ごせているのは
多くの方の理解と許しの恩恵を受けているからに他ならない
一期一会という言葉があるが
まさにその出会いを大切にしていきたい。
昨日の認知症の方が示す新しい変化は
まさに一期一会の大切なときでは無いかと思う。
新しい人に出会っている
そう思うことで悲しさは消え、優しい気持ちがこみ上げてくる。
目の前の方とこうして出会えた千載一遇の時間を
自分らしく過ごすことを誓っていこう
まだ寝不足だが
夕飯を作りに行く
外は雪
雪国の人たちはこの雪を自然に受け入れ
いつか消え去る厳しさを雪解けに見つけるけれど
叔父への思いは春を越しても永遠に残る
私の心に私の作品に