「大発明だ!」シュタークスミス博士は叫んだ。「これでどんな知識も思いのままだ」
博士の発明したものは、ちょっと縦長でマイクの付いたヘルメットのようなものだった。
手に入れた専門書に特殊な光線を当ててゴマ粒ほどに極小化し、ヘルメットの収納ボックスに入れる。これだと専門書は何冊分でも入れる事が出来た。
そしてそのヘルメットをかぶり、必要とする知識をマイクから音声入力すると、収納ボックスに入れられた全ての本のページから必要な知識が、脳内に瞬時に伝える仕組みになっていた。
これさえあれば、専門外の分野に対して、たちどころに第一人者並みの知識を駆使できるし、いちいち調べる手間も省ける。
「これでどんな分野に関してもスピーディに発明できるぞ」
博士はうれしそうに言った。
「では、試してみよう」
博士は自分が苦手な化学のある分野について書かれた専門書をありったけ手に入れ、光線を当てて極小化し、ヘルメットの収納ボックスへ入れた。それからヘルメットをかぶり、マイクに向かって、より硬くかつ柔軟な鉄系の金属を作るために必要な材質の種類と混合させる割合について、と話しかけた。数百冊の本が、博士の要求に応じてページを示した。
「おやぁ?」
博士がつぶやいた。
博士の脳内に流れてきた専門書からの知識は、幾つかの説に分かれていた。しかも、どれもそれぞれが十分に納得できる内容だ。
「うーむ、どれが正しいのだろうか・・・」
博士は腕を組んで考え込んでしまった。
専門分野になればなるほど、諸説も多数あり、判断するには専門知識が必要になるものだ。
「付け焼き刃じゃ、やっぱりダメかぁ・・・」
博士は残念そうにヘルメットを取った。

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博士の発明したものは、ちょっと縦長でマイクの付いたヘルメットのようなものだった。
手に入れた専門書に特殊な光線を当ててゴマ粒ほどに極小化し、ヘルメットの収納ボックスに入れる。これだと専門書は何冊分でも入れる事が出来た。
そしてそのヘルメットをかぶり、必要とする知識をマイクから音声入力すると、収納ボックスに入れられた全ての本のページから必要な知識が、脳内に瞬時に伝える仕組みになっていた。
これさえあれば、専門外の分野に対して、たちどころに第一人者並みの知識を駆使できるし、いちいち調べる手間も省ける。
「これでどんな分野に関してもスピーディに発明できるぞ」
博士はうれしそうに言った。
「では、試してみよう」
博士は自分が苦手な化学のある分野について書かれた専門書をありったけ手に入れ、光線を当てて極小化し、ヘルメットの収納ボックスへ入れた。それからヘルメットをかぶり、マイクに向かって、より硬くかつ柔軟な鉄系の金属を作るために必要な材質の種類と混合させる割合について、と話しかけた。数百冊の本が、博士の要求に応じてページを示した。
「おやぁ?」
博士がつぶやいた。
博士の脳内に流れてきた専門書からの知識は、幾つかの説に分かれていた。しかも、どれもそれぞれが十分に納得できる内容だ。
「うーむ、どれが正しいのだろうか・・・」
博士は腕を組んで考え込んでしまった。
専門分野になればなるほど、諸説も多数あり、判断するには専門知識が必要になるものだ。
「付け焼き刃じゃ、やっぱりダメかぁ・・・」
博士は残念そうにヘルメットを取った。
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