シンドバッドは三度目の航海の時、食糧調達に寄った港の宿で老婆に声をかけられた。一体幾つになるのか分からないその老婆は、歯の無い歯茎だけの口をもごもご動かしてしわがれた声で言った。
「お前さん、将来の事を知りたくはないかね?」
「婆さん、それはどう言う事だね?」
老婆はかなり古い巻物を懐から取り出した。
「これに全てが書かれておる」
「そんな古めかしいものに未来の事など書かれているものか!」
「信じないのならそれで良い・・・ 他所に持って行くまでまでじゃ」
「ちょっと待て!」シンドバッド立ち去ろうとした老婆に言った。「本当に書かれているのか?」
「本当じゃ。・・・と言うより、この巻物の通りとなる、と言い換えた方が良いかもしれん」
「そうか・・・」商才に長けているシンドバッドの勘が何かを伝えている。「分かった、買おう」
老婆の言い値は予想に反して高額だったが、シンドバッドは支払い、巻物を手に入れた。
老婆はそそくさと立ち去った。シンドバッドは巻物を広げた。途端に、にやりと口の端が上がった。
「婆さん、やりやがったな!」シンドバッドは笑い出した。「わたしの負けだ!」
巻物には『お前は将来に必ず死を迎える』とだけ書かれてあった。
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「お前さん、将来の事を知りたくはないかね?」
「婆さん、それはどう言う事だね?」
老婆はかなり古い巻物を懐から取り出した。
「これに全てが書かれておる」
「そんな古めかしいものに未来の事など書かれているものか!」
「信じないのならそれで良い・・・ 他所に持って行くまでまでじゃ」
「ちょっと待て!」シンドバッド立ち去ろうとした老婆に言った。「本当に書かれているのか?」
「本当じゃ。・・・と言うより、この巻物の通りとなる、と言い換えた方が良いかもしれん」
「そうか・・・」商才に長けているシンドバッドの勘が何かを伝えている。「分かった、買おう」
老婆の言い値は予想に反して高額だったが、シンドバッドは支払い、巻物を手に入れた。
老婆はそそくさと立ち去った。シンドバッドは巻物を広げた。途端に、にやりと口の端が上がった。
「婆さん、やりやがったな!」シンドバッドは笑い出した。「わたしの負けだ!」
巻物には『お前は将来に必ず死を迎える』とだけ書かれてあった。
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