ロトの一家は退廃した町ソドムから、神の使いたちによって導き出された。
神の使いたちは言った。
「何があっても決して振り返ってはならぬ」
夜の闇に乗じ、着のみ着のままで一家は町を抜け出し、近隣の町ゾアルまで逃げ延びた。
しばらくすると、背後のソドムの町は天からの火を受け、燃え上がった。
夜の闇が紅く照らし出された。
ロト、そしてその娘たちは、言われた通り、振り返る事は無かった。
しかし、ロトの妻は言い付けを破って振り返った。
振り返ったロトの妻は、瞬く間に塩の柱になってしまった。
「妻はどうして、このような・・・?」
あわてたロトに、神の使いが答えた。
「ソドムの町に残した物に未練を感じて振り返り、塩の柱となってしまった」
「・・・そうですか・・・」
・・・やれやれ、これで物欲、色欲の塊から解放されたか・・・
ロトの脳裏には、なんでも高価なものを求める妻、毎晩床で求める妻の姿が浮かんだ。
うっすらと笑みを浮かべたロトは、はっとして真顔に戻った。
神の使いは人の心などお見通しだ。
冷や汗を浮かべながら、ロトは神の使いたちの顔を見た。
神の使いたちもうっすらと笑みを浮かべ、ロトに向かってうなずいて見せた。
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神の使いたちは言った。
「何があっても決して振り返ってはならぬ」
夜の闇に乗じ、着のみ着のままで一家は町を抜け出し、近隣の町ゾアルまで逃げ延びた。
しばらくすると、背後のソドムの町は天からの火を受け、燃え上がった。
夜の闇が紅く照らし出された。
ロト、そしてその娘たちは、言われた通り、振り返る事は無かった。
しかし、ロトの妻は言い付けを破って振り返った。
振り返ったロトの妻は、瞬く間に塩の柱になってしまった。
「妻はどうして、このような・・・?」
あわてたロトに、神の使いが答えた。
「ソドムの町に残した物に未練を感じて振り返り、塩の柱となってしまった」
「・・・そうですか・・・」
・・・やれやれ、これで物欲、色欲の塊から解放されたか・・・
ロトの脳裏には、なんでも高価なものを求める妻、毎晩床で求める妻の姿が浮かんだ。
うっすらと笑みを浮かべたロトは、はっとして真顔に戻った。
神の使いは人の心などお見通しだ。
冷や汗を浮かべながら、ロトは神の使いたちの顔を見た。
神の使いたちもうっすらと笑みを浮かべ、ロトに向かってうなずいて見せた。
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