2015年夏秋アニメ、秋アニメの感想です。
◎「うしおととら」（第1、2クール、全26話）夏秋アニメ
総合評価3点（5点満点）。
少し古い感じの絵柄と大げさなリアクション、それはそれで合っていますが、原作漫画は1990年代だそうなので、それが一番の理由なのでしょう。そういう古い感じには結局慣れませんでした。
シリアス系ではありますが、ほとんどギャグでもあります。テンポも物語も深みもなかなかで、古臭さが気にならなければかなり楽しめるのでは。
2016年春に第3クール放送。
蒼月潮（cv畠中祐）、とら（cv小山力也）、中村麻子（cv小松未可子）、井上真由子（cv安野希世乃）、潮の父の蒼月紫暮（cv藤原啓治）、白面の者（はくめんのもの）（cv林原めぐみ）など。
○ 妖怪退治のために妖怪の とら を利用し、とら は隙あらば潮を食って自由になろうとし、潮はそうはさせじと封印できる「獣の槍」を手放さないと。
でも、とら も潮も愛着がわいてきて、喧嘩しながらも仲良く妖怪退治をすることに。仲良くなるのが早過ぎでしたが（2話）、そこは本題ではないし、どうせそうなるのだから、気にすべきではないでしょう。
○ 過去にタイムスリップして、白面の者にはどの槍でも敵わなかったので最後の手段として、妹のジエメイ（cv花澤香菜）が人身御供になって槍の先、それを涙ながらにうつ兄のギリョウ（cv宮野真守）が槍の柄になって「獣の槍」が完成。
白面の者を見つけたものの、日本の要となる深海の場所にいて、無理に倒すと日本列島が崩壊することから、白面の者が倒されないように、代々、女性が結界を守ってきたと。今は潮の母が守っていると。それで潮は日本中の妖怪（日本中の妖怪が白面の者を敵視している。）から命を狙われていると。
で、潮は日本中の妖怪に恨まれていて、とら と共に日本中の妖怪と闘いながら、最後は大妖怪の「白面の者」との苦闘、でも決着はつかなかったものの。
妖怪とのバトルに潮と とら の友情、そして、潮をめぐる恋愛要素も少しからませたり。
◎「ヤング ブラック・ジャック」（全12話）秋アニメ
総合評価3点（5点満点）
後のブラック・ジャック（cv大塚明夫）で医学生の間黒男（はざま くろお）（cv梅原裕一郎）、間と親しい医者の藪（やぶ）（cv遊佐浩二）、間の先輩医学生の岡本舞子（cv伊藤静）など。
ヤングではない方のブラック・ジャックの漫画は既読ですが、ヤングの原作は未読です。ヤングではない方のBJは、やはり名作ですね。
間黒男が、いかにして考えが変わったというか歪んだというか、いかにしてブラック・ジャックになったのかを描いたもの。
1960年代の昭和史、学園紛争、アメリカのベトナム戦争、アメリカの人種差別などを背景に、医学生の間黒男の活躍でもあり、医学界や社会や国の厳しくてズルくてゲスな現実への絶望でもあり、患者を救うという気持ちの強さでもあり。
国や組織や個人による価値観の押し付け合いと、その愚かさも描いていましたね。
アメリカの国家の論理は強者である国のエゴでしかないですし、日本の過激派の論理も組織と個人のエゴでしかないですし、医者は医者のエゴによる論理でしかないですし。
ブラック・ジャック同様、後味の悪さは健在です。
間黒男の着替えシーンなどで裸が意外と多かったり、藪との関係にBLっぽさを匂わせたり（実際にはそういう関係ではなさそうなものの。）、そこは少し苦笑でしたが、ごく軽いものですから、ご愛嬌と考えればいいでしょう。
手術をしたこともないのに、イメージトレーニングだけで腕の良い医者が驚くような良い手術ができるというのは天才だからと思うしかありませんが、とは言え、動物で練習したことにしておけば良かったのでは（確か、それすらしてなかったはず。）。
○ 4話。血を見ると気絶する藪がこれではいけないとベトナム戦争で医師として働くも、行方不明に。間黒男は探しに。
敵味方の銃撃戦の中、戦場で間黒男らが手術をしても弾が当たらなかったのはそういうものとして、手術成功もそういうものとして、アメリカ兵がベトナム人を不法に虐殺したのも事実ですし、アメリカがベトナムが望んでいないひとりよがりな「正義」をベトナムに押し付けたのも事実ですし、1-2話の学園紛争の描写も含めて、このアニメは当時の背景を知らないと浅い理解になります。
○ 最終12話。連合赤軍事件のような立てこもり事件も起きて、総括という名のリンチを経て、間黒男が手術で助けるものの、警察に撃たれて今上エリ（cv悠木碧）が死んだり。
こういう役の悠木さんはとてもいいです。
【shin】
