【ネタバレ】
◎「パラサイト 半地下の家族」
「幸せ 少し いただきます」
2020年1月10日(金)日本公開(一部劇場で2019年12月27日に限定公開。韓国では2019年5月30日公開。)、監督:ポン・ジュノ、脚本:ポン・ジュノ、ハン・ジンウォン、韓国、132分。
日本語吹き替え版でしたが、2021年1月に本編ノーカットで日本テレビで放送していたので。
総合評価は上中下で上くらい。とても良かったです。
本作の前提となっている韓国の貧富の差などの社会問題については、本作の日本公開時などに映画評などで見聞きしたので、少しは知っているといったところです。
本作の理解にそれで十分ということはないのだろうとは推測しますが、外国で上映するからにはその程度の理解を前提として割り切って制作するか、映画の中で説明すること、最低でもパンフレットか公式HPで説明することが必要です。それは日本映画を外国で上映する場合であっても同じです。
公式HPから。
「全員失業中。日の光も、電波も弱い“半地下住宅”で暮らす貧しいキム一家。大学受験に失敗し続けている長男ギウは、ある理由からエリート大学生の友達に家庭教師の仕事を紹介される。身分を偽り訪れた先は、IT企業を経営するパク社長一家が暮らす“高台の大豪邸”。思いもよらぬ高給の“就職先”を見つけたギウは、続けて美術家庭教師として妹ギジョンを紹介する。徐々に“パラサイト”していくキム一家。しかし、彼らが辿り着く先には、誰にも想像し得ない衝撃の光景が待ち構えていた―。ツイストを効かせながら猛烈に加速していく100%予測不能な展開。喜怒哀楽、全ての感情が揺さぶられる、唯一無二の最高傑作が誕生した!」
ソン・ガンホ(父のキム・ギテク役。cv山路和弘)、チャン・ヘジン(母のキム・チュンスク。cv津田真澄)、チェ・ウシク(息子のキム・ギウ。cv神木隆之介)、パク・ソダム(娘のキム・ギジョン。cv近藤唯)、
イ・ソンギュン(社長のパク・ドンイク。cv東地宏樹)、チョ・ヨジョン(妻のパク・ヨンギョ。cv恒松あゆみ)、チョン・ジソ(娘のパク・ダヘ。cv早見沙織)、チョン・ヒョンジュン(息子のパク・ダソン。cv小林由美子)、
イ・ジョンウン(パク家の家政婦のムングァン。cv田村聖子)など。
○ドンイク社長の息子のダソンが、家庭教師のギウや運転手のギテクなどに近づいて、同じ臭いだと言うシーンがありましたが、実際に臭ったのでしょう。
同居家族なのに他人のフリをして社長の家で働いているのですが、自宅に帰って、洗剤や柔軟剤も人によって変えないといけない、洗濯が大変だ、という旨を言っていました。それも一因でしょうけれど、もっと根本的な臭いだということは後々判明します。
別のシーンでドンイク社長も臭いに違和感を感じますが、これは根本的な臭いのことの様子です。
さらに別のシーンでヨンギョ夫人が感じた臭いは、家族が洪水で水につかって汚れた臭いもあるでしょう。
キム一家には、そもそも半地下の部屋の汚い臭いというのが染みついているというわけですから、それは貧富の差の臭い。
ヨンギョ婦人がお人よし過ぎるのは元から金持ちだからだという旨をギテクは言いますが、それと考え合わせると、貧富の差が縮まりにくいことも韓国の問題ということなのでしょうし、養育環境が性格に大きな影響を与えると考えられているということなのでしょう。
アメリカだと、現在ではそれほどではないのかもしれませんが、アメリカンドリームとも言われるように、貧富の差はあっても逆転の可能性もそれなりにあるのでしょう。
しかし韓国では逆転の可能性が少ないということなのでしょう(本作からして。)。
日本は中間くらい、貧富の差は広がりつつあるもののアメリカや韓国ほどではない、逆転の可能性はアメリカより少ないですが韓国よりはありそうだ、といったところでしょうか。
○ギウはやめる家庭教師の紹介で新しい家庭教師になって気に入られ、雇われていた家政婦や運転手を罠にはめて、ドンイク社長やヨンギョ夫人を騙して解雇させ、家族だけど他人だと紹介してギジョンらを雇用させていくサスペンス。
社長屋敷に地下室があることをドンイク社長らは知らず、実は前の住人のときから働いていたムングァン家政婦が男をかこっていたというサスペンス。
それらが入り混じって驚きの結末。
とても良かったです。
それらが入り混じって驚きの結末。
とても良かったです。
【shin】