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残響のテロル 感想。ツッコミどころは多いが緊迫感があって雰囲気がいいシリアス物語

2014年夏アニメの感想の続きです。

◎「残響のテロル」(全11話)

この世界に、引き金をひけ。

スピンクス1号/九重新(ここのえ あらた)ことナイン(cv石川界人)、スピンクス2号/久見冬二(ひさみ とうじ)ことツエルブ(cv斉藤壮馬)、虐められっ子の三島リサ(cv種﨑敦美)、
刑事の柴崎健次郎(cv咲野俊介)、
アメリカ政府から派遣された、ナインらと同じ人体実験をされたハイヴ(cv潘めぐみ)など。




○ 1話。
日本が極秘裏に開発した核爆弾を青森県から盗んだのに捕まっていないし、犯人について何もバレていないというのは少し不思議ですが、それだけ上手い計画だった、利口だった、ということで、そういうものとしましょう。

その割に、都庁爆破をリサに見られたのはあり得ないヘマですが。
逃げる時間を与えたとはいえ短時間ですから(それで数万人が逃げられるのかなあ。)、都庁をかなり破壊して死者が出なかったのは都合が良すぎ。
停電で監視カメラを使えなくしてから爆破していますが、周辺にはある程度人がいますから、リサを助けるときに目撃されなかったことも都合が良すぎ。
飛び降りたときにリサのパンツが見えなかったのも都合が良すぎ、だなんて、ぜーんぜん思っていないんだからね!。

スピンクスとしてネットに出るときにお面をかぶって顔を隠していますが、髪や半袖の腕や体型や声はネットに流して犯行予告みたいなことをしていて、こんなに手がかりを残しては危険ですし。声紋は変えてあるということにしましょう。

騒動は起こしても人を殺さないようにしているとか、何やら目的があることも確かな様子。

1話はツッコミどころは満載でしたが、OP曲もED曲も含めてシリアス系の雰囲気が良く、引き込まれる感じ。


○ で、爆弾の在り処のヒントを出しながら仕掛け続けるナインとツエルブと、柴崎との知恵比べも楽しかったですし、
ハイブが出てから大袈裟な展開になりましたが、ナインとツエルブの感情があらわになって物語に動きが出て単調にならないようになりましたし、
で、アテネ計画(※)で人体実験されたナインとツエルブ(とハイブ)、騒ぎを起こして注目されてから捕まって、それを暴くための大仕掛けだったと。。。

(※エリートの集まりである新進平和塾によって極秘裏に進められた、知能の高い孤児26人に薬を投与して優秀な人間にしようという計画。薬の影響により多くが死に、生きているナインらも長生きは出来ないとされている。)


○ 核爆弾を成層圏(高度11‐50キロ)で爆発させる高高度核爆発により強烈な電磁パルスを発生させて日本中の電子機器の大半を破壊しましたが(※)、そのときに全ての放射能が宇宙に散ってゆくとアニメ内で研究者が言っていました(11話)。

しかし、本当に地上には落ちてこないのかなあ。そこはそれでもいいですが、超大型気球で数キロのものを高度53キロまで上げたのが世界最高記録ですから(→JAXA/ISASの大気球のHPへのリンク。数百キロを高度30キロくらいまで上げられる大気球もある。気球は高度が上がるにつれて気圧の関係でふくらむので、数十メートルの大きさの大気球でも地上に近いところでは小さい(アニメでは地上近くでも高高度と同程度に大きく膨らんでいるので、変。)。通常は高度30キロくらいまで上げられる。)、高さと重さからして、高高度に核爆弾を本当に上げられるのかなあ、というのも引っ掛かります。

しかも、ウィキペディアでは(ウィキ自体は眉唾で見ないといけませんが、事実の一部しか載っていないことはあれど、事実関係は概ね信用できるとは思っています。)、高度100キロ以上が高高度核爆発と書いてあり、良く分からないところ(なお、宇宙は高度100キロ以上とされている。)。

シリアス系アニメなのであまり現実離れしたことは描かないとは思いますが、それでもそこは無視したのかもしれませんが、それでもいいでしょう。

(※ここを柴崎の娘の大学生に言わせたところは何なのだか。高高度核爆発の概要なんて大人の常識と思っていましたが、良く考えると軍事にある程度関心がある人でないと分からないかなとも思い直しましたが。それでも、柴崎が、専攻が近いとはいえ娘に聞くものかなあ、と。そんな専門的な知識ではないので、警察内に知っている人がいても自然です。)
柴崎。



○ ツエルブは米軍に射殺され、ナインとハイブは副作用で死にましたが、刑事の柴崎の努力もあったのでしょう、アテネ計画は暴かれて大ニュースとなり、目的は果たされました。ただ、その目的のためにそこまでする必要があったのかなあ、長生きできないと分かっているのに生きて捕まって証言しないと信憑性を疑われるのではないかなあ、記者会見を設定させましたが犯罪者が証言しても信用されないのではないかなあ、とも思い。


なお、リサというヒロインもいましたが、リサは虐めや家庭の事情で生きる気力を失っていたところ、都庁事件で2人の共犯になることにし、それで2人の足手まといにもなりましたが、実験のために人間らしい子供時代を過ごせなかった2人が、いわゆる「人間らしい感情」でいるために必要な存在であり、死期が近い2人にとっては欠かせない存在だったのでしょう。

リサの存在が少し安直には思いましたけれど、リサの存在が2人に必要だったことの描き方が不足している気がしたのは、11話後半でいくらかあったものの、そこを描くと11話でまとめるには短かったからでしょうし、本筋ではないからでしょう。


○ 緊迫感もあり、謎解きもあり、萌やコメディはほとんどありませんが問題なく、ツッコミどころも全体の雰囲気から見れば気にすべきことではなく、全体として、どうなるのだろうと思いながら楽しみましたが、その目的のためにそこまでする必要があったのかなあ、それが一番有効だったのかなあ、柴崎が告発する前に柴崎が暗殺されなかったのは何故だろう、というところは引っかかりました。

でも、第一に雰囲気を楽しむべきでしょう。


アニメジャパン2014にて。



【shin】
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