豊崎さんの思い出深いお気に入りの絵本を持ってきていて、その中に、シェル・シルヴァスタインの名作、「ぼくを探しに」(1976年)と続編の「ビッグ・オーとの出会い」(1981年)があったので、私も久しぶりに引っ張り出して読んでみました。
続編は若干劣りますが、それでも十分いい作品です。
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内容は、帯にある説明のとおりです。
「出会いを求めて はるかな 小さな愛の旅」
「おとなを演じるのが上手な人、下手な人・・・ 誰もが「童心」を道連れに旅をする。」
子供が読む絵本ではありせん。
青年期以降なら、中年期も老年期もOKでしょう。
何度でも読み返せる本です。
思春期は、どうだろう?
人によるかなあ。
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こんな感じの絵です。
あっと言う間に読み終わりますが、読み終わってからでもいいので、しばらく余韻に浸っていただければ。
緑の絵本は、同じ作者の「おおきな木」(1964年)。
これは、少し説教くさいので、好みは分かれるかも。
自分勝手な少年に、どこまでも尽くす大きな木の話。
少年が青年、中年、老年になっても、どこまでも尽くす大きな木の話。
何かの例えでしょう。
キリスト教的価値観や親の愛を踏まえると、理解しやすいと思います。
ただの溺愛や甘やかしと区別しにくいですけれど。
(マゾとか、子離れできない親とか、親離れさせない親とかを踏まえる必要はないです(笑)。)
因みに、訳者の倉橋由美子さんも有名な小説家。
「ヴァージニア」(1968年)とか。
「ボーイフレンドたちに自己の肉体を与え続ける女子学生ヴァージニアの奇妙な孤独感を描いた」作品で、性やら人生やらに悩む話ですが、内容が少し古いから、今の女性には合うのかどうか、女心は良く分かりませんので。
出だしはこんな文章。
「ひとりの人間を知るとはどういうことだろうか。ひとりの男がひとりの女を「知った」というとき、わたしたちは暗黙のうちにこの二人が性的な関係をもったものと了解している。」
因みに、いわゆる純文学作品ですから。