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花咲くいろはHOME SWEET HOME感想。ただの実家から懐かしい実家へ

◎「劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME」

 2013年3月公開、安藤真裕監督、66分。
 松前緒花(cv伊藤かな恵)、鶴来民子(cv小見川千明)、押水菜子(cv豊崎愛生)、和倉結名(cv戸松遥)、
 四十万スイ(cv久保田民絵)、輪島巴(cv能登麻美子)、助川電六(cvチョー)、松前皐月(cv本田貴子)。


○ 2011年春夏のTVアニメ「花咲くいろは」は良かったですが(特に緒花のホビロンっぷりが。)、映画を見ようとまでは思わなかったのですが、2014年6月にスカパー!のキッズステーションで放送していたので。
 で、映画館で見れば良かったな、と後悔。

 今更の感想です。
 なお、TV版を見ていないと各キャラがどうしてこうなっているのかが少し分かりにくいので、良さも半減と思いますが。


 女子高生達の一瞬の瑞々しさを奇跡的なバランスで瑞々しいまま切り取った名作で大好きな映画に「櫻の園」があります(おじさんの、女子高生へのロマンチシズム映画とも言えますが、原作漫画にはそういう雰囲気はないです。1990年11月公開、中原俊監督、96分。同じ監督の「櫻の園 -さくらのその-」(2008年11月公開)とは別。)。

 瑞々しさは「櫻の園」には及びませんが、というよりそれに近い映画ですらアニメでも実写でも記憶にありませんが、このアニメは女子高生の青春のひとときと少しの成長を瑞々しく描いていて、「櫻の園」を思い出しました。


○ 主に緒花、民子、菜子の少しの成長と、皐月の過去の成長の群像劇。

 高校生の緒花の今と、電六の当時の業務日誌に母の皐月と皐月と付き合う前のカメラマンの父のことを見つけた緒花と、
 高校生だった時の皐月の母のスイへの反抗期と、自分の夢の無さと、厳しいスイの側と田舎の湯乃鷺温泉にいたくないという思いと、だから東京に行きたいと目的も展望も無く思って。でも最後は夢を見つけて、叶えて。

 (舞台は石川県ですけれど、とにかく東京とかの都会で暮らしたいという感覚は東京生まれの東京育ちの私には分かりにくいですが、実家から出たいという気持ちは実感として分かりますし、仕事や遊びで全国に行ってみると、東京の良さも悪さも、地方の良さも悪さも、だいぶ実感出来るようになりました。)

 そんな皐月や、親業をあまりしない親の代わりに、だけど母にはなれないけれど、弟妹の世話とかに苦労したり我慢してきた菜子を見て少し成長する緒花だったり。

 それぞれの迷いや頑張りがジーンと来たり、それぞれのすれ違いが親子してるなあと思ったり、自分を生きるために精一杯だったり、どういう自分を生きるか迷っていたり。



○ 一番ホッとしたのは、緒花達や菜子の妹が風呂に入ってワイワイやっている前を通ったスイが「大騒ぎだねえ。」と言ってから、中学生くらい?の皐月が駆け出していく幻影を見たところ。スイは厳しいけれど、スイはスイで皐月のことを思っていたし、思っていることが表れていて、良かったです(TV版でも表れていましたが。)。

 緒花の良い感じのホビロンっぷりが目立たなかったのは少し残念でしたが、騒々しくて自分勝手な結名の出番が多かったからでしょう。結名は声が高いので、出番が多いと騒々しさが癪に障ります。


○ 冒頭で駆け出す高校生の皐月、これは後ろ向きな駆け出し方
 最後、ED曲とともに、赤ちゃんの緒花を抱いて駆け出す皐月、駆け出す高校生の皐月、ゴミ出しのためとは言え駆け出す今の皐月、この3者を2回映してから赤ちゃんの緒花を映し、今の緒花が駆け出し、友達の方を振り向く緒花。これらは前向きな駆け出し方
 そういう、前向きになっていく物語が自然と描かれ、ジワリときて、少し前向きになれる物語。

 そして、女将(客に喜ばれる接客、それは既にスイの夢になっているのでしょう。)として頑張っているスイと、夢を見つけて実現した皐月と、「私、輝きたいんです!」をなかなか見つけられないし果たせないけれど探している緒花の三世代。
 確執、不器用な愛情、成長、ゆるし、つまり結局は家族なんだなあ、と。

 緒花の由来である「ohana」はハワイ語で家族という意味ですし、
 「HOME SWEET HOME」は、懐かしい我が家、という意味ですし。


 夏、帰省シーズンですね。


【shin】
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