第25首「ふじのたかねに ゆきはふりつつ」
いよいよ2期も最終回です。
原作があるのに読んでいないアニメの感想を毎回書くというのは、原作を読んでいる人からすると何言ってんのと思う感想もあるでしょうし、意外と難しいものです。
まだ夏アニメは把握していませんが、まあ、夏アニメでも書けそうなのがあれば、気にせず毎回書きますけれど。
全体として楽しかったです。
ただ、このアニメは、ラブコメ部分が思ったよりテキトーなので、感想なんて書かずに気楽に見た方がより楽しめそうでしたが。
田子(たご)の浦に
うち出(い)でてみれば
白妙(しろたへ)の
富士の高嶺(たかね)に
雪は降りつつ
(山部赤人。百人一首の4番目の歌。)
〔意味〕
(静岡県の)田子の浦に出てみると、真っ白な富士山の山頂に雪が降っている(ことが想像できる)ことよ。
単に、この6月に富士山が世界文化遺産になったばかりだから、ということではないでしょうけれど。
富士山は日本一高いから、優勝した者を称えたのかも知れませんが、であれば「ふじのたかねに」だけで良いはず。
「ゆきはふりつつ」と入れていることから、静岡県の富士崎高校の合宿に参加する千早と太一を迎え撃たんとして手ぐすね引いて待っているであろう富士崎高校の面々のことかもしれませんが、それだとつまらないので、千早と新と太一のA級3人の三角関係のゴタゴタの含意もあるのかなあ、と。
三角関係と言っても、24話までの描き方からすると千早は新を好きかどうか視聴者には分からず(好きではなく、憧れや尊敬と考えることも出来た。)、太一に気があるようなそぶりも見られた(とても親しい友情と考えることはできるが。)ところですが、25話の描き方からして結論は出ているので、実質的な三角関係にはなり得ないのですが、それもミスリードかも知れませんが。
つまり、25話からして、新が死なない限り、これで千早と太一が付き合ったら、ミスリードが過ぎる展開であり、ラブストーリーとしては破綻することになりますけれど。そんな破綻した話は「新世紀エヴァンゲリオン」(TV版)で十二分ですし。
◎ A級優勝は綿谷新(cv細谷佳正)、B級優勝は真島太一(cv宮野真守)、C級優勝は駒野勉(机くん)(cv代永翼)+1人、D級優勝は筑波秋博(cv入野自由)+3人。瑞沢高校からは3人が優勝。
C級とD級が複数なのは、参加者が多いから時間の都合で1人になるまで出来ないことと、レベルが下の者のやる気を出すための複数優勝なのでしょう。
駒野と筑波の優勝は驚きですが、それくらいでないと団体戦優勝は出来ないでしょうから、そう考えると当然の優勝でしょう。特に駒野はそうでないと団体戦でかなりの格上には勝てないでしょう。
A級の西田優征(肉まんくん)(cv奈良徹)とD級の花野菫(cv潘めぐみ)は負け。
◎ 前半ラスト、指の骨が軟骨化する何たらという珍しい病気で、かるた を続けるために手術することにした綾瀬千早(cv瀬戸麻沙美)が新にどうしたら強くなれるかを電話で聞きつつ、「良く分かんない。良く分かんない気持ち。でも、あたしは一生、かるた が好きで、新が好きなんだ。」と思う千早。
そこにお見舞いに来た太一ら かるた部員。電話の相手を察した太一はショック。
千早は新を好きなのかも知れないとは私は思っていましたが、少なくとも新を好きだと自覚しているとは思わなかったので、唐突な感じ。
ただ、後半で、「新と出会ってから、あたしの毎日は かるた でいっぱい。強くなりたくて、強くなりたくて。あの情熱を、受けて立てる人間に。」と、特に「あの情熱を、受けて立てる人間に」と子供の頃に一緒に かるた をしたことを思い出して思っているところからして、自覚していたのでしょうね。
こうなると、新も千早が好きだとしか思えないところ、新が太一に遠慮して千早を振るとは思えないので(太一に言ってから付き合うか、付き合って直ぐに言うでしょうけれど。)、千早が太一を選ぶ可能性はなくなる展開なのですが、どう描いてくることやら。
◎ 後半、別の日、太一が1人で行きづらいので大江奏(cv茅野愛衣)を誘ってお見舞いへ。宿題の短歌が上手く作れない千早。
でも、新のことを思って作ったはずの短歌を奏が見つけ。
2人での帰り道、意を決したかのように急に太一の背中をパタパタ(9回?)と叩いて真顔で「頑張らないと部長!お見舞いだって、別に私誘っていかなくてもいいんですよ。千早ちゃんきっと、いつまでもアンポンタンじゃないですよ。」と言う奏。間があって、「分かってる。」と太一。
太一の言葉を聞いたときの、少し驚いたというか、ハッとしたというか、「ぁぁ」という感じに聞こえましたが、奏が発した小さな声、奏の顔を、さっとなでるように吹く風。
実は奏は太一が好きだったという描写にしか見えませんが、だから意を決して太一の背中を押し、そして、それに後悔した表情なのか、今更ながら奏が自らの気持ちに明確に気付いた表情なのか、そこは分かりませんけれど。
そもそも、奏が太一を好きだという描写に見えてもミスリードのための描写ということもあるので、奏が太一を好きなのかも分かりませんし。
そこのシーンの奏があまりにもいじらしくて可愛かったので、奏が太一を好きなら、私は太一よりも奏を応援しますけれど。太一が千早への気持ちの整理がついて前向きな気持ちで奏を好きになるのであれば、ですが。
今回のエンディング曲からすると、太一は千早を諦めて前向きになると取れるのですけれど。
余談ですが、太一役の宮野さんは、数年前は格好良いけれど嫌味に聞こえる声が多かったと思いますが、ここ何年かは格好良くて嫌味に聞こえない声になったのでは。
私は男ですが、宮野さんは、格好良くてイイ声だと思います。
◎ 静岡県の富士崎高校の桜沢翠先生(cv林原めぐみ)から1泊合宿に誘われ、奏が太一のために上手く計らって太一と千早の2人で参加することに。
2人が富士崎高校の門に付いたところでエンディング曲。
今回はいつもの「茜空」ではなく、「YOUTHFUL」(歌:99RadioService)(→歌詞へリンク)。
(EDテーマのクレジットは「茜空」なのですが。。。。。)
この歌は、「それぞれの歩く道は別々と」気付きつつ、「僕は君がいるから走り続けてる」と、恋愛ではなく(恋愛は終わったけれど、と解することもできる。)、今は別々の道を歩いているけれど友情は残っていることを歌った歌。
「茜空」(歌:瀬戸麻沙美)(→歌詞へリンク)は千早が新のことを思って歌った歌だと思われ、敢えて結論を歌った上の歌に変えたということは、太一と千早の関係は、もう・・・・・
◎ さて、ED前の中途半端さや、ED後の新のバイト先でバイトを辞めないでと言う店長(?)に対し、「ほんな直ぐ辞めませんよ。辞めませんってば!」の寸劇もどき。
原作漫画のストックによっては3期をやりそうですね。
気長に、楽しみにして待ちます。
【shin】
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