「なこそながれて なほきこえけれ」
滝の音(おと)は
絶えて久しく
なりぬれど
名こそ流れて
なほ聞こえけれ
(大納言公任。百人一首の55番目の歌。)
〔意味〕
滝の流れ落ちる音は、聞こえなくなってから長い年月が経ってしまったけれど、その名声だけは流れ伝わり、今でもなお世間に知られている。
◎ 1回戦を左手で戦う千早ですが、敵陣はすんなりと手が出るものの、自陣のフダを右手の時の配置のままにしていたところ、上手く手が出ず。鏡映しに置き換えることで素早く取れるようになれるというのは、単純な千早ならでは。
それまでに10枚差を付けられたのに逆転するというのは、いくら何でも出来すぎですが。
団体戦で西田に勝った相手ですから、そこまで差を付けられたら、そう勝てるとも思えませんが。
2枚差とギリギリの勝利というところに、リアリティを出してはいますが。
まあ、それこそ、「名こそ流れて なほ聞こえけれ」、腐っても鯛、強い千早は左手でも強い、ということなのかも知れませんが。
◎ 新と戦うときは右手にするがそれまでは左手で戦うつもりの千早でしたが、3回戦のベスト8で詩暢と戦うことに。
新と久しぶりに会えて話せたこと、新と久しぶりに対戦できるかもしれないことにばかり気がいって、もしかしたら詩暢のことを忘れていたのかも。
目を見開き、口を軽くあけて驚いた様子の千早のアップ、
引いた絵で千早と少し離れたイスに座ってお茶を飲む詩暢の2人、
お茶を口から離す詩暢を下から上に映し、表情を変えずに千早の方を見ているような目線の詩暢のアップ、
目を描かずに唇を結ぶ千早のアップ、
ワンクッションあって、戸惑いつつも覚悟を決めようとしているのでしょう、包帯を取る千早、でもまだ目は見えず、
それを見て千早の気持ちが分かったのでしょう、少し驚きの表情の新、
包帯を取った指の感触を確かめる千早、
そのまま引いて、覚悟と本気の表情の凛々しい千早。
このラストのところ、少し張り詰めた感じと、3人の気持ちの動きがイロイロと想像できて良かったです。
◎ 右手が完全でも詩暢には勝てないはずの千早ですが、左手で戦ったことにより左利きの詩暢の戦い方を想像できるようになった千早がどこまで善戦するのか、大差になってもどこまで挫けずに戦えるのか、楽しみです。
【shin】
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