ここ二日間で感じたことだが、外で遊んでいる子供がいない。ぼくたちが子供の頃は、元日からみんな外に出て、コマ回しや凧揚げをしたものだった。
凧揚げは正月だけの風物詩だったが、コマ回しは、ぼくの住んでいる地区では、唯一のウィンタースポーツだった。ひと冬通じて、みんなが投げゴマに熱中した。
当時のコマは、今のコマのように民芸品化したものではなく、コマ本体、芯、紐と、駄菓子屋で各パーツごとに売られていた。
コマはベーゴマではなく、木製のものだった。芯を火であぶって本体にさし込み、自分の好きなようにカスタマイズしていく。相手のコマを割るために心の先を尖らせたり、長く回すために心を短く削ったり、紐を細くしたり、と各自が工夫していた。
ゲームは、ジャンケンで暫定的に将軍を決める。ジャンケンに負けた順にインビ、ニビ、サンビ・・・、副将という地位になり、勝った者が将軍となった。将軍が「天下の号令、インビ参れ」と言って、地位の低い者から順番に投げさせていく。最後まで回っていたものが、次の将軍になる。
ぼくはコマがあまり得意ではなかったので、よくインビをやらされていた。インビはいろいろと不利であった。最後の将軍が投げるまで、1分ほどの時間差があるので、当然将軍に勝つことは出来ない。
当てゴマがOKだったので、割られることが多い。割られたら、他にコマを持ってないものは、当然遊ぶことが出来なくなる。当時コマ一式で20円ほどだったから、一日10円しかお小遣いをもらってない子供は翌々日までコマを買うことが出来ない。
もしコマをやらないということになると、コマを見るのも辛いし、家にいてもつまらないし、外で遊ぶとすれば女子とゴム跳びをするしかない。こんなの嫌だったから、お年玉などをもらった時などに、コマの買い置きをしておいた。
そういう遊びも、ぼくたちの世代が最後だったようだ。ぼくが中学生の時には、この時期に外でコマを回している者はもういなかった。合わせて、ダンチン(ビー球)やパッチン(メンコ)も廃れていったようだ。おそらく、ぼくが小学校高学年の頃から徐々に流行り始めた、ローラースケート(ローラーゲームの影響か?)やボーリング(中山律子の影響か?)など、金を使う遊びが主流になっていったんだろう。その後はテレビゲームの普及などがあり、その延長に今がある。
そういえば最近、「子供は風の子」という言葉を聞かなくなった。
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