大阪駅での撮影を終えた私は、自分の居室・5号車11番「シングルツイン」で発車を待ちます。
そして――
<2014/9/22 AM11:50>
[8001 臨時寝台特急 トワイライトエクスプレス 大阪11:50→札幌9:52]
11時50分。トワイライトエクスプレスは軽い衝撃共に、遥か北の見果てぬ台地を目指して発車しました。
トワイライトエクスプレス。その名前は、大阪と札幌を約1日かけて、日本一豪華かつ、日本一長距離を走る寝台特急の名前です。
青函トンネル開業からしばらくたった1989年に運行開始。元は団体ツアー用の車両だったのですが、運行開始の翌年に現在の臨時列車扱いとなりました。以来、25年の長きにわたり、日本海に――いや、日本の鉄道史に君臨していました。
今や5000円出せば半日で札幌から関西に出られる時代。トワイライトエクスプレスは、運行当初から「乗ることそのものを楽しむ」列車でした。20系客車の代名詞であった「走るホテル」を現代に甦らせたといえるでしょう。
それでは、ホテルの居室……じゃなかった、シングルツインを紹介します。
B寝台1人用個室のシングルツインは、1階がソファ、2階がベッドのつくりになっています。寝台列車は昔からベッドが進行方向に対して横向きですが、シングルツインは縦になっています。これは、通路の両側にシングルツインを設けたからです。
さらに、シングルツインでも11番から13番は、編成で唯一山側に部屋があります。
やや幅が狭いところがありますが、それでもソファは1人で使うには十分大きい代物です。
しかも、写真には写っていませんが右下のほうにコンセントがあります。
寝台列車では電池が死活問題で、前の「あけぼの」(2013年12月)でも、その前の「日本海」(2011年3月)でも、電池を持たせるのに苦労しました。でも、コンセントがあるなら心置きなく電気を使えますね!
あ、コンセントがあるのは個室だけなのであしからず。
2階のベッド。
名前からも分るとおり、1階をソファベッドとすることで2人利用することも出来ます。
乗り心地は「2段構造の(ビジネスホテルの)シングルルーム」といったところ。1人で利用するには申し分ありません。
ちなみに、シングルツインは列車全体で12室のみ。この数字は2人個室のツイン(23室)よりも少ない上、A寝台個室のロイヤル(8室)とほとんど変わりません。
お値段はB寝台+3000円とお手ごろですので、(切符が取れるようであれば)是非ご乗車ください。
淀川を越え、すぐに新大阪に停車。
新大阪から速度を上げていきます。
こちらは備え付けのトワイライトエクスプレスご案内。
関空からの切符と一緒に。いつもより切符が少ないですね。
吹田付近で381系の中間車が謎の放置プレイを受けていました。
電車線を横目に、トワイライトエクスプレスは走ります。京都までは方向別複々線で、内側2線が電車線(各停と快速が使用)、外側2線が列車線(新快速以上が使用)です。
摂津富田で先行する各停の207系の後ろを捉えました。
続く直線でぐんぐん追い越します。
この後抜かれかけますが、高槻駅が近づき各停は交代していきました。客車とはいえ100km/hは出していたはずですから、電車の高速性能を見せつけられた形です。実際、多くの寝台列車が
消えた原因の1つは、電車のダイヤを抑えてしまうことでした。
高槻駅2番線を通過。いまはホームがありませんが、来年から新快速用ホームが設置される予定です。
高槻を出ると緑が増えてきます。
多数の車両が所属する京都総合運転所脇を通過。奥から281系「はるか」、117系(原色)、381系「くろしお」とバラエティ豊か。
国鉄時代からいる電気検測車・443系も見えました。
今やJR西日本の標準電車となった223系。8両編成がお休み中。所属自体はここではなく網干です。
DE10形と113系(
運転所を過ぎると長いカーブに差し掛かります。
抜けた先で出会ったのは、なんと上り「トワイライトエクスプレス」! 照準が間に合わず、中間を取るのが精一杯。
EF66-100牽引の貨物列車。日本の大動脈には、昼だろうと貨物列車の姿があります。
《京都 12:24着》
京都では0番線に到着。無機質な駅ビルの影の下で、緑の車体が小休止。
ちょっと4号車のロビーカーを除いてみた結果、満員の様子。
《京都 12:25発》
緑の113系と同じタイミングで京都駅を出ます。次の停車駅は敦賀です。
東山トンネルに入ります。
山科駅手前で京阪京津線が寄り添います。
列車は湖西線に入ります。
長等山トンネルを抜けるとそこは滋賀県です。
高架線に入ったトワイライトエクスプレスはさらに速度を上げます。なんだかんだいって特急列車です。
さて、そろそろ昼の楽しみ・昼食の時間となりましたが、食堂車の準備の関係でしばらくかかるとの放送がかかりました。しかも、食堂車の前には5人ほど並んでいます。
代わりにといえばいいのか、シャワーカードを購入しました。
B寝台以下の人たちが共用するシャワールームを利用するには、このシャワーカードが必要です(A寝台個室には備え付け)。1枚310円で、買う時に時間を指定します。
枚数には限りがあるのでご注意を!
シャワールームについては後ほど詳しくレポします。
滋賀といえば琵琶湖!……ですが、大津市内は内陸寄りを走ります。
堅田通過。
堅田を過ぎると、いよいよ琵琶湖が近くに見えてきます。
私の部屋は山側、つまり琵琶湖側にあるので、ソファに座るだけで琵琶湖が目に飛び込んできました。山側の特権ですね。
田んぼの向こうの琵琶湖。
比良連峰のすそを回り込むように走ります。
いいところで車掌さんのアナウンスが入ります。トワイライトエクスプレスでは景勝地で観光案内が入るのです。
高架なので眺めはばっちり。
澄んだ空と澄んだ湖(うみ)。かつてこの湖を海と呼んだ人の気持ちが分ります。それが「淡い海」=「あふみ(→おうみ)」であり、「近い海」→近江の元となりました。
これだけ見ると、ここが内陸とはにわかに信じがたいです。
《近江舞子 12:59着》
近江舞子駅で列車は速度を落とし、やがて副本線で止まりました。客扱いはしません。「サンダーバード19号」の通過待ちをするためです。
この時に食堂車が解禁になりましたが、景色がいいところなので後回し。
《近江舞子 13:04発》
湖西線は北陸本線のバイパスとして設計されたのでほとんどがコンクリート橋ですが、北小松付近には築堤の部分があります。
琵琶湖に近いのは近江今津まで。そこからは徐々に山の景色が色濃くなってきます。
永原からの長いトンネルを出ると、奥に北陸本線の線路が見えてきました。
近江塩津駅手前で合流。かつては3方向全て交流でしたが、アーバンネットワークの拡大で全て直流に変わったという、特異な駅です。
ここから直江津まで、メイン区間の1つ・北陸本線となります。
県境のトンネルに突入。
新疋田を通過。
これが上り列車なら有名なループ線に入りますが、下り線はただ一直線に下るだけ。
EF81のねぐらがある敦賀にやってきました。お仲間の姿も見えます。
大きなカーブを描きつつ3番線に進入。
《敦賀 13:46着》
敦賀、定着!
ということで、敦賀まで紹介しただけで終わってしまいました。
残りあと20時間ですよ!
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