らいむ&りーずん

歌いつがれる言葉と想い ~ アメリカン・フォーク・ソングの庭へようこそ♪

by 松月(しょうげつ)

「ガーデン・ソング」 by デービッド・マレット

2011年05月17日 | 希望と祈りの歌

今わたしが住んでいる町は内陸のど田舎です。かといって山や川があるわけでもなく、周りには畑しかありません。

でも、逆に考えれば、畑があるのだから、畑で楽しみを見つければいいのです。
土とふれあい、畑で花や野菜を育てるのを慰めとする暮らしは、日立では唯一できなかったことでした。

うちは農家ではないのですが、祖母が大切に手入れをしている小さな畑があります。
先月、畑の一角を耕して大根の種をまき、わたしが育てることになりました。

雑草を抜いたり、間引きをしたりしながら観察すること1か月。米粒ほどだった種が大きな苗に育ちました。
中には植え替えた時に土になじまなかったのか、双葉がしおれてしまったものもありましたが、
よく見ると新しい芽が根付いていて、「植物の生命力ってすごい!と感動しました。

植物は何も言わないけれど、ていねいに育てればこちらの想いにきっと応えてくれると信じて、
やることはたくさんあって大変だけれど、ひとつひとつの工程を心から楽しんでいます。

でも、純粋に「ガーデニングって楽しい♪」と言えるのは、売り物を作っていないからこそなのかもしれません。
売り物を作るには、それにふさわしい環境や技術、忍耐力、そしてたっぷりの愛情が必要だと思います。

だから、今回の津波で作物が流されたとか、放射能で汚染されたとか、汚染されていなくても
風評被害でさっぱり売れなくて廃棄するしかないとか、そんなことを聞くと、非常に胸が痛むのです。

それでもめげずに野菜作りに励んでいる方々もいます。農業が元気になるよう、応援していきたいですね!

 

そんな「農業振興支援ソング」といえば、やはり「ガーデン・ソング」(The Garden Song)でしょうね。
旧ブログでも取り上げましたが、あらためてみなさんと一緒に歌いたいと思います。

メイン州出身のシンガー・ソングライター、デービッド・マレット(David Mallett, 1951- )が家族の経営する農場での経験から作った歌で、1978年に発表されて以来たくさんの人に歌われ、もっとも有名なアメリカン・フォークソングのひとつとなっています。

松月が3年前に書いたオリジナル訳詞です。よろしければメロディにのせて歌ってみてください。
(注:このブログで「訳詞」とは、「メロディにのせて歌えるように作ったもの」をいうことにします。)

ガーデン・ソング

ひとつ ひとつ 庭を育てよう 熊手と鍬と 豊かな土で
ひとつ ひとつ 祈り捧げよう 空と大地の 恵みがあるように

草を除いて 汗を流そう いつか素敵な 実り夢見て
土に注ぐ 光や雨と ともに歌おう 故郷の歌

種をまいて 祈り歌おう 土を愛せば 豊かに実る
腹ぺこカラス 遠くで見てる ここは誰もが 自由な庭よ

ひとつ ひとつ 庭を育てよう 熊手と鍬と 豊かな土で
ひとつ ひとつ 祈り捧げよう 空と大地の 恵みがあるように

デービッドも最後にコメントしていますが、この歌のカバーで有名なのが、ジョン・デンバーとマペットたちです。
彼らが歌ったことによって、アメリカの子どもたちにも広く親しまれています。

そして1997年、この歌は絵本化され、日本語版もその翌年に出ています。
図書館の児童コーナーに置かれていることもあるので、みなさんもチェックしてみてくださいね。

松月のレビュー → 「ぐんぐんぐん-みどりのうた」~日本語版「ガーデン・ソング」の絵本


「パワー」 by ピーター、ポール&マリー

2011年04月22日 | 希望と祈りの歌

現在、日本の電力の約30%は原子力に頼っているといわれています。

そもそも原子力は、石油や石炭などの限りある資源を節約でき、温室効果の原因となる二酸化炭素をほとんど出さず、コスト・パフォーマンスも高く、 とってもエコでクリーンなエネルギーなのです。資源の少ない国の産業、過疎地の産業に活気も与えてきました。(実際、東海村が今も茨城で合併せずに元気なのは、 ほぼ原発のおかげです。)

その代わり、万が一事故が起きてしまえば、大惨事になってしまいます。近くの住民は自分たちが真っ先に被害にあうことを心配しながらも、国や電力会社から補助金を受け取ることで、原発を受け入れて暮らしているのです。

放射線は目に見えないものですし、「想定外の事故」が起こらないともいえませんし、いくら注意してもしすぎることはありません。今回の大地震が引き起こした福島第一原発の事故によって、もともと原発に反対していた方々の「ほら、ごらんなさい!」という声があちこちで上がっていそうです。そして今や、 国民の半数近くが「原発反対」を訴えています。

でも、今すべての原発が撤廃されたとして、わたしたちの暮らしは満たされるでしょうか。これまでわたしたちの暮らしがいかに満たされていたか、少なくとも関東にお住まいの方なら、計画停電を経験してわかっていることでしょう。

本当の意味でエコでクリーンなのは、太陽や風のエネルギーです。でも、それらがちゃんと機能するかは天候や設置場所によるため、現状で発電の主役になることはできません。それに、自然エネルギーへ移行するにも、かなりの時間とエネルギーが必要になると思います。

今も原発で一生懸命働いている方がいます。わたしには簡単に「原発をなくせ!」とは言えません。

でもどうか、安全対策は徹底してください。わたしたちには本当のことを知らせてください。

そして、わたしたちも・・・これをよい機会として、電気とうまくつきあっていきたいですね。

 

今年のアースデイは、ピーター、ポール&マリーの「パワー」(Power)を聴きながら、原発のことや、節電の工夫に関してみなさんと意見を交換できたらいいなと思っています。わたしたちの生活がどうあるべきかは、国の政策として決められるのではなく、本当はわたしたちひとりひとりが考えて決めていかなければならないものだと思っています。



(コーラス)
暖かい太陽の力をください 変わらない滝の流れをください
命あるものが土に還る時 その魂をください
絶え間なく吹く風の力をください 焚き木の心地よい光をください
でもどうか 原子力の害は取り除いてください

暗闇や寒さから身を守るため みんないくらかの電力が必要なのです
それが売り買いされることになれば 誰かが管理する方法を見つけ出すでしょう

命が危険にさらされています あなたもわたしも 子孫たちも
得るものも多いけれど 失うものも多いのです
わたしたちひとりひとりがみんな 選ばなければなりません

(コーラス)

たった今わかり始めています 自然のつりあいがどれほど繊細になり得るか
自然のふるまいに限界が定められ わたしたちはその域を越えてしまいました

わたしたちの払う代償に 関心のない人もいます
でも この時代に死にゆく人々のありさまを見ているのです
やり方を変える時間はほとんどありません
わたしたちが声をそろえて こう言うことができさえすれば!

(コーラス)


☆これまでのアースデイ☆

2008年 「岩を砕く花のように」 by 南こうせつ&ジョン・デンバー

2009年 「虹の民」 by ピート・シーガー

2010年 「この自然は誰のもの」 by トム・パクストン


「船が入ってくるとき」 by ボブ・ディラン

2011年04月21日 | 希望と祈りの歌

みなさーん! 松月です! しばらくですっ! 

あ、やっぱり「はじめまして」の方もいらっしゃるかもしれませんので、ちゃんとごあいさつしておきましょう。

わたくし、筆名を松月(しょうげつ)と申します。松月というのは関東ではもうじき見ごろを迎えるであろう八重桜の一種の名前であって、家はそば屋でも料亭でもございません(笑) 

それから、IDを見て「なぜ千葉県なのに“ひたち”?」と思われたかもしれませんが、先月まで茨城県の日立市に住んでいまして、そこで旧ブログ「松月のRhymes&Reasons」と充実した音楽活動を続けてきたので、その名残なんです

茨城から千葉へ移ったのをきっかけに、ブログも移転して今月からまた新たな気持ちで始めることにしました

日立と聞いて、「はっ」とした方。そうです、わたしも(ブログの開設3周年の記念日でもあった)先月3月11日の大地震で被災したのです。こちらは数日間の停電と断水くらいですみましたが、港の方は津波に呑まれました。原発も決して遠くなく、放射能の恐怖もありました。多くの市民の方々がまだ愛する街を離れずにがんばっているというのに、震災前から決まっていたこととはいえ、自分は街を離れることになり、とても複雑な気持ちでした。

直接行って支援できない代わりに、日立市役所に義援金と応援メッセージを送りました。もちろんそれとは別に、東北地方の復興に向けての募金にも応じました。そして、これからもこのブログで大好きなアメリカン・フォーク・ソングのお話を続けていくことが、今もがんばっている方々のためにできる最高の支援だと思っています。

わたし自身、避難所で過ごしていた時は、ラジオの茨城放送だけが情報源で、そこから流れてきた歌と各地からのメッセージが心の支えだったのですから。「歌や言葉の力って、本当にすごい!」と、つくづく感じたのです。

それから、その時国内だけでなく、海外からも熱い応援のメッセージが寄せられたのには感動でした。松月のところにも、YouTubeで知り合ったアメリカやイギリス、アイルランドの友だちから「地震のことを聞きました。あなたたちが無事であることを祈ります」みたいなメッセージが寄せられていて、涙があふれました。

過去にどんな歴史があったとしても、時代は変わり、今は世界中が見守ってくれているのです

 

というわけで、

全国、全世界からのご支援に感謝して! 港の漁師さんたちが救われますように願って!

そして当ブログ「らいむ&りーずん」の新しい船出を記念して!

この歌からスタートしましょう。「船が入ってくるとき」(When the Ship Comes In)です

ボブ・ディランの3rdアルバム「時代は変る」(The Times They Are A-Changin')に収録されています。次の映像は1985年に行われたアフリカの飢餓救済のチャリティ・イベント「ライブ・エイド」(LIVE AID)でのパフォーマンスですね。

ピーター、ポール&マリーのバージョンも軽快で気に入っています