今わたしが住んでいる町は内陸のど田舎です。かといって山や川があるわけでもなく、周りには畑しかありません。
でも、逆に考えれば、畑があるのだから、畑で楽しみを見つければいいのです。
土とふれあい、畑で花や野菜を育てるのを慰めとする暮らしは、日立では唯一できなかったことでした。
うちは農家ではないのですが、祖母が大切に手入れをしている小さな畑があります。
先月、畑の一角を耕して大根の種をまき、わたしが育てることになりました。
雑草を抜いたり、間引きをしたりしながら観察すること1か月。米粒ほどだった種が大きな苗に育ちました。
中には植え替えた時に土になじまなかったのか、双葉がしおれてしまったものもありましたが、
よく見ると新しい芽が根付いていて、「植物の生命力ってすごい!」と感動しました。
植物は何も言わないけれど、ていねいに育てればこちらの想いにきっと応えてくれると信じて、
やることはたくさんあって大変だけれど、ひとつひとつの工程を心から楽しんでいます。
でも、純粋に「ガーデニングって楽しい♪」と言えるのは、売り物を作っていないからこそなのかもしれません。
売り物を作るには、それにふさわしい環境や技術、忍耐力、そしてたっぷりの愛情が必要だと思います。
だから、今回の津波で作物が流されたとか、放射能で汚染されたとか、汚染されていなくても
風評被害でさっぱり売れなくて廃棄するしかないとか、そんなことを聞くと、非常に胸が痛むのです。
それでもめげずに野菜作りに励んでいる方々もいます。農業が元気になるよう、応援していきたいですね!
そんな「農業振興支援ソング」といえば、やはり「ガーデン・ソング」(The Garden Song)でしょうね。
旧ブログでも取り上げましたが、あらためてみなさんと一緒に歌いたいと思います。
メイン州出身のシンガー・ソングライター、デービッド・マレット(David Mallett, 1951- )が家族の経営する農場での経験から作った歌で、1978年に発表されて以来たくさんの人に歌われ、もっとも有名なアメリカン・フォークソングのひとつとなっています。
松月が3年前に書いたオリジナル訳詞です。よろしければメロディにのせて歌ってみてください。
(注:このブログで「訳詞」とは、「メロディにのせて歌えるように作ったもの」をいうことにします。)
ガーデン・ソング
ひとつ ひとつ 庭を育てよう 熊手と鍬と 豊かな土で
ひとつ ひとつ 祈り捧げよう 空と大地の 恵みがあるように
草を除いて 汗を流そう いつか素敵な 実り夢見て
土に注ぐ 光や雨と ともに歌おう 故郷の歌
種をまいて 祈り歌おう 土を愛せば 豊かに実る
腹ぺこカラス 遠くで見てる ここは誰もが 自由な庭よ
ひとつ ひとつ 庭を育てよう 熊手と鍬と 豊かな土で
ひとつ ひとつ 祈り捧げよう 空と大地の 恵みがあるように
デービッドも最後にコメントしていますが、この歌のカバーで有名なのが、ジョン・デンバーとマペットたちです。
彼らが歌ったことによって、アメリカの子どもたちにも広く親しまれています。
そして1997年、この歌は絵本化され、日本語版もその翌年に出ています。
図書館の児童コーナーに置かれていることもあるので、みなさんもチェックしてみてくださいね。
松月のレビュー → 「ぐんぐんぐん-みどりのうた」~日本語版「ガーデン・ソング」の絵本