あの大地震から3か月。これをご覧になっている方のほとんどは、ごく普通の生活を取り戻されたことと思います。
しかし、今なお避難生活を続けている方々や、家族の行方を探している方々がいることを忘れてはいけません。
“Don't Give Up Till It's Over”
これはアイルランドのシンガー・ソングライター、ジョニー・デューハン(Johnny Duhan, 1950- )の作品です。
先日takabohさんの記事で知り、「いい歌だなあ!」と感動して、旧ブログの「励ましの歌」特集に追記したのですが、その後でとてもよい話を聞いたので、こちらで取り上げ、今回も「アイリッシュな記事」にしてみたいと思います。
「あきらめないよ 最後まで 悲しみ乗り越え もっと強くなる」
takabohさんの記事の冒頭に書かれていたこの1行、単なるコーラスの部分の意訳だと思っていたのですが、実はこの歌、復興支援の歌としてレコーディングされ、コーラスがまさに上の日本語の詞で歌われていたのです。
レコーディングしたのはショーン・オコナー(Sean O'Connor)というアイリッシュ・ミュージシャンです。彼はダブリン出身ですが、四季の美しい日本の田舎暮らしにあこがれて、岡山県赤磐市に移住して暮らしているとのこと。バウロン(bodhrán:でっかいタンバリンみたいな太鼓です)をはじめ、ギターやホイッスルなどさまざまな楽器を演奏しているマルチ・プレイヤーのようです。
旧ブログにも何度か書いてきましたが、アイルランドは飢饉や植民地支配、宗教間の争いなど、歴史の中にたくさんの苦しみがあった国です。それでも人々は音楽を愛し、励ましの歌を作っては、人から人へ歌い継いできたのです。そう、アイリッシュたちの心の中には歴史と伝統を物語る歌が生き続けていて、それがきっと彼らの「生きる力」になっているのでしょう。
ショーン自身も、幼いころに内乱にまきこまれるなど、人生の中でいろいろ苦しい経験をしてきたと思います。だからこそ、移住して友だちもたくさんできた日本が大地震と津波で大変な状況になっているのを、決して他人事だとは思えず、自分にできること・・・つまり、歌で励ましたいと思ったのかもしれません。
このレコードの収益はすべて、日本赤十字社を通して被災地へ寄付されます。
iTunesやAmazonで配信されていますので、気に入ったらぜひ手に入れてくださいね。わたしも買います!
詳しくは → ショーン・オコナーさんのサイト
(コーラス)
終わりまであきらめないで できるのなら投げ出さないで
肩に担いだ重荷は あなたをもっと強くしてくれます
秋の花々をごらんなさい しおれて枯れてしまうのを
でも 自然の隠された力で 翌年にはまた花を咲かせるのです
(コーラス)
満月の昇るのをごらんなさい 沈んだ太陽の魂のように
でも 夜明けはもっと素晴らしいはず 新しい1日が始まった時
(コーラス)
そして、コーラスを一緒に歌うなり、自分の楽器を持ってきて演奏に参加するなりして(楽器を持っていない方は「テーブルをたたく」とかでOK!)応援してくださいね。
今、この歌を流しながら「遠距離セッション」に参加してくださっているみなさんは、同じ「支援の輪」の中にいます。
わたしも最後まで、みなさんと一緒に「がんばっぺ」!!
日本語の歌にもなっていたんですね。被災された皆様と地域の復興をお祈り申し上げます。あらためて、自衛隊、警察、消防の方々、海外からの支援に感謝いたします。
さっそくコメントいただき、ありがとうございます!
この日本語のコーラスは、震災後にこのレコードのためにつけられたもので、
ショーンの奥さんの順子(じゅんこ)さんが歌っています。
何人もの国境を越えた演奏仲間が声を合わせて、
日本語と英語で交互にコーラスを歌っているのは、感動的ですね
海外のミュージシャンたちからも、実にたくさんの支援のメッセージ。
言葉の違いはあっても、素晴らしい音楽に国境はありませんね。