ズームカーとは平坦区間と山岳勾配区間、両方での高速走行と牽引力を兼ね備えた、南海高野線用17m車を指す。南海21000系はズームカー初代車両で、丸みを帯びた湘南マスクが特徴。同車は一部が大井川鐵道と一畑電車(旧・一畑電鉄)に移籍している。
尚、本家南海でも乗車はしているが、写真はない。
【大井川鐵道21000系】
写真上:21001F@笹間渡(現・川根温泉笹間渡)
写真中:21001F@五和(撮影当時/現・門出)~神尾
写真下:21003F@五和(撮影当時/現・門出)~神尾
21001Fと21003Fは、金谷(南海時代はなんば)方連結器胴受けや、乗降扉などに微妙な差異がある。
いずれも撮影は1998年頃。
21000系クロスシート車車内(モハ21001)。照明の配置が独特。
この写真のみ1995.8.5撮影記録あり。千頭駅停車中。
大井川に移籍した編成は、南海で最後までクロスシートを維持した21001Fと21003Fの2本で、どちらも南海時代の旧塗装(薄緑+濃緑帯)を維持している。特に21001Fは南海廃車時にラピート試験塗装車(濃青)となったが、大井川移籍時に南海旧塗装に塗り戻された。現在2編成とも南海旧塗装のまま運用されている。
南海21000系には、この塗装がいちばんよく似合う。
【一畑電鉄(現・一畑電車)3000系】
写真上:3006F@松江温泉(現・松江しんじ湖温泉)
写真中:3008F@平田市(現・雲州平田)
写真下:大社線デハ1形デハ3と並んだ3006F@川跡
撮影は1998年夏、285系寝台列車サンライズ出雲乗車を兼ねて一畑に行っており、285系就役2日目である。
一畑にはロングシート車4本が移籍しているが、同時期に一畑に移籍した元・京王初代5000系の2100系ともども写真のような奇抜な塗装になってしまった。
イメージアップとされているが、これでは昭和30年代の関西・関東の名車が台無しである。せめてデハ1形と同じクリーム+薄青帯(吊掛・自動扉車色)か、デハ50形と同じ橙+白帯(吊掛・手動扉車色)にしてくれた方がまだマシだったかも。
尚、このド派手カラーは3000系全廃と2100系塗装変更により消滅している。
21000系は南海在籍中に、
写真のような現行塗装になった編成がいた。上写真の7100系や、21000系の弟分にあたる22000系などでの現行塗装はそれなりに似合うが、丸みを帯びた湘南マスクの21000系には全く似合わなかった。
21000系と同じ車体の吊掛車版21200系で、架線電圧昇圧後長期休車を経て晩年貴志川線モハ1201形の増結用になったクハ21201が、モハ1201形や7100系旧塗装と同色(緑の濃淡ツートン)に塗られていたが、まだその色の方がマシかな?