こずみっく・ふぉーとれす

不定期更新です。特に意味はないですが、宜しくお願い致します。

人生と旅

2015-03-27 20:33:41 | 駄言
「月日は百代の過客にして、行き交う年も又旅人也。」
 人生はよく旅に例えられます。あてのない旅のように、いろいろなことが起き、いろいろな場所に行き着き、最期には終わってしまう。この的を射ているようで曖昧な喩えは、かなり古くから伝えられているようです。しかし、殆どの旅には必ず目的地があり、必ず終わりが来ます。人は生きる時に、何か目的を持っている人は一体何人いるのでしょうか。
 人生と旅を記したものに、こんなものがあります。
「私は生きている。しかし、いつまで生きるのかを知らぬ。私は死ぬ。しかし、いつ死ぬのかを知らぬ。私の旅は続く。しかし、何処へ行くべきかを知らぬ。不思議なことに、私は幸せだ。」
 マクシミリアン1世の残した落書きとされています。西にも東にも、人生を旅と例える風土があるというのは驚きです。やはり人は人ということでしょうか。
 マクシミリアン一世は、とても多くの旅をしてきた人物としても有名です。ウィーン少年合唱団の元となったものも作ったそうです。また、晩年は借金に苦しんだそうな。
 …話を戻しましょう。目的のない旅ではないにしろ、マクシミリアン一世の旅はある意味で死ぬまで終わりのないものだった、と言えるかもしれません。はるか古い時代、貴族や王族たちは、多くの領内を駆け回る必要があった、まして広大な領土を持ってしまえば尚の事。戦争が起きればもっと遠くへ。
 今の時代、そんな遠くへ行くにも時間がかからなくなっていますが、かつての彼らのように、私たちは無尽蔵に広がる土地を歩き続けなければならないのかもしれません。まして、何かの変化が起きれば、もっと遠くへ。地図があれば、迷わずに済んだものを。
 ここまで来てしまっては、もう立ち止まることも許してはくれないのでしょうか。
コメント
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