久しぶりに野暮用のない週末。
海況も悪くなさそうだし、一発座布団級を狙ってやろうと泳がせタックルを車に積んで外房に出撃した。
途中、あらかじめ電話でコマセの解凍を依頼しておいた「青い餌屋さん」に立ち寄り、バケツにアミコマセと粉餌を入れてもらう。
釣り場でゴミを出さなくて済むので、このサービスは大変嬉しい。
有難うございます。
店内の掲示板を見ると、各ャCントでアジが好調に釣れている様子。
ああ、これはまずいな・・・と少し心配になる。
魚が釣れるのはいいことだが、その分釣り人の数も増えて、釣り場はきっと混雑している。
なるべく人の居なさそうな場所をいくつかイメージしながら、国道を南下した。
最初にチェックした人気堤防は、案の定、乱舞する赤いLEDの明かりで遠目に見ても立錐の余地なし。
私のかつてのHG港であり、昔は釣り人も少なく良い釣り場だったのだが、最近では本降りの雨の日くらいしか釣りにならない。
もとより入るつもりはないが・・・・・くわばらくわばら。
次に訪れた港では、見たところウキの明かりは無さそうだが、堤防上でヘッドランプの明かりがちらちらと動いている。
アジンガ―だろうか。それとも先客が撤収しているところか。
後者だったらラッキーだ。
とりあえず背負子を担ぎ、ロッドケースを持って先端まで行ってみた。
すると、そこでは先客のカゴ師さん二人が今まさに釣りの準備をしているところだった。
正面と内側でそれぞれ竿を出すという。
私が入りたかった釣り座は空いていない。残念。
「すみません、お邪魔しました」と挨拶して、そのまま引き返した。
いいャCントですのでぜひ頑張ってください。
次に訪れた堤防も、泳がせャCントの船道には既に先客のケミホタルの明かりがひとつ。
いつもの地元のおとっつぁんだろうか。
ここは少し我慢をすれば二人並んで竿を出せるが、気持ちよく釣りができるのはあくまでも一人。
先客の邪魔をしてはいけないので、ここもスルー。
さらに、ここなら絶対にカゴ師は来ないだろうというテトラのャCントに行ってみると・・・
暗闇に、アアアア、アジンガ―軍団!
まじすか?
そういえば、ルアーマンの釣友が、「外房でアジが好調らしいですね」と言っていた。
ううむ、そっち方面からも情報が出回っていたのか。
事態は予想以上に深刻である。
まるでピンボールの玉のように訪れた釣り場でことごとく弾き返され、迷走する私。
「♪しくじったのは僕の夢 心がカタカタ泣いてるよ」(「我が心のピンボール」)と唄ったのは大瀧詠一。
いっそこのままどこかの堤防に紛れ込んで、カゴアジだけやって帰ろうかしら・・・
いや待て。
ここで諦めたら終わりだ。
最後にもう一か所。
折れかけた心をかろうじて奮い立たせ、ウエーダーの要らない地磯をチェックする。
ウエーダーがあれば釣り場の選択肢は劇的に広がるのだけれど、後悔先に立たず。
重い荷物を担いで山道を進み、目指す磯に降りてみると・・・
やったー!
誰も居ない♪
高い岩の上に腰を下ろし、明るくなりかけた東の空を眺めながらしばしの休憩。
磯歩きのアップダウンと、ようやく落ち着いて釣りができるという安堵感からか、一気に疲れが噴き出した。
やばいやばい。今日のエネルギー残量はあと僅かかもしれない(笑)。
でも、勝負はこれからだ。
さっそくカゴサビキで釣り開始。
20cmオーバーのレギュラーサイズのアジをぽんぽんと5匹釣ったところで活き餌調達は終了、
泳がせ釣りに切り替える。
周りに他の釣り人が居ないので、ウキ仕鰍ッの流し釣りだ。
仕鰍ッを流し始めて20分ほど経った頃だろうか。
アジに引かれてピコピコと動いていたウキが、すうっと沈んで動かなくなった。
よし!きたぞ!
早アワセは禁物。
ゆっくりと10数えた後、思い切り竿を煽ってアワセを入れる。
すると・・・
まさかの根鰍ゥり。
えええ?
今のは絶対魚だろう
ラインを張ったり緩めたりしながら少し待っていると、おもむろに魚が動き出した。
よし、抜けたぞ。
5号竿を大きく曲げて、ゴンゴンと突っ込む魚。
結構でかい。
ャ塔sングで寄せて、もうすぐ魚の姿が見えるというとき・・・
突然、ラインのテンションが抜けた。
うわああっ!
仕鰍ッを見ると、8号フロロのハリスがザラザラになって切れていた。
さっきの根鰍ゥりで傷が付いてしまったのだろうか。
く、悔しい(泣)。
気を取り直してすぐに2匹目のアジを泳がせる。
今度こそ、絶対獲ってやるぞ。
と、そこへ背後から人の気配が近づいてきた。
振り返ると、年配の釣り人が二人。
どうやら底物師らしい。
こっちを見ながら何かこそこそと話をしていたが、やがて私のすぐ隣、5m程のところにピトンを打ち始めた。
おいおい勘弁してくれ。
そんなところから竿を出すつもりか?
潮を読んでくれ。そっちは下手だ、
私の仕鰍ッとオマツリしてしまうじゃないか。
海は広いんだから、ワンドを超えて向こう側の岬から竿を出せばいいだろう・・・
理解不能な行動をとる底物師に気を取られてよそ見をしていると、突然、手持ちしていた竿にグングンという生体反応が伝わってきた。
慌ててウキを探すと、水面下に沈んだウキがゆらゆらと進んでいくのが見えた。
よし、今度こそ!
すでに十分食いこんでいると思われるので、即、大アワセを入れる。
魚を無駄に遊ばせるとまた潜られて根鰍ゥりするおそれがあるので、ャ塔sングで一気に浮かせる。
こいつも結構でかいぞ。
ヒラメなら70cmオーバーか、と思っていると・・・
唐突にラインテンションが抜けた。
さっきと同じだ。
回収したハリスを見てみると、まるでナイフを当てたかのようにスパッと切れている。
こ、これは・・・・
ウツボだ!
最初にバラした魚も、きっとウツボだったのだろう。
私自身の緊張の糸もぷつんと切れてしまった。
岩の上に腰を下ろし、持参したパンとコーヒーで一休み。
すると、その様子を見ていたのか、隣の底物師が、私が仕鰍ッを流していた潮目のど真ん中にブッコミ仕鰍ッを投入した。
はあああ?
キャスティングの技量からして、素人ではない。
明らかに確信犯だ。
冗談じゃない。
私はそれ以上釣りを続ける気を失った。
バッカンの中で元気に泳いでいたアジ3匹をナイフで絞めて血抜きをし、竿をたたんで帰り支度。
結局、このャCントからも弾き出されるのか。
なんて日だ。
そして、荷物をまとめて背負子を担いだ私に、隣の釣り人が一言。
「もう帰るの?」
ななな何だと◇●%@&÷※◎▼¥#■$!(`Д´)!
平静を保った自分を褒めてあげたいと思います。
帰路、通りかかった漁港では、「みなと祭り」なるイベントが開催されていた。
これ、掴み取りなんかしたら、さすがに手を怪我しちゃうんじゃないの?(笑)
◇◇◇◇◇
さて、今週のお料理編。
まずは、活き餌の残りのアジ君から。
サイズは22~28cm。
25cm以下なら十分活き餌に使えるので、無理に小アジを釣ろうとしなくてもよい。
三枚におろしたところ。
活き締め&血抜き処理に成功したアジは、捌いても背骨の周りに血がにじまない。
ついでにもう一品。
近所のスーパーで調達した活ミル貝。
安心してください。穿いてますよ!(意味不明w)
切ればほら、気持ち悪くない。
晩酌は、鹿児島県・種子島酒造の芋焼酎「黄金安納」で。
美味しゅうございました。
◇◇◇◇◇
<今週の教訓>
「泳がせ釣りにはまだ時期が早い」
もっと寒くなって、釣り人が減ってから出直そう。
「ガチ磯はウツボだらけ」
そりゃあそうだろうさ、という話ですが・・・(笑)。
来週末は、またまた野暮用。
釣りを忘れてしまいそうです(汗)。
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