書こうか書くまいかと迷った釣行記。
再現性のない釣りは、ただのまぐれ。
記録を残す意味が果たしてあるのか。
でも、残しておかないと、いずれ私自身の記憶も薄れてしまう。
そんなわけで、以下、あくまでも個人的な備忘録。
◇◇◇◇◇
最初にそれを意識したのは、テレビで「鉄腕ダッシュ」を観ていたとき。
東京湾口の沖釣りで「戻りガツオ」を狙うという企画を放映していた。
あいにくカツオは釣れず、良型のサバが釣れただけだったが、カツオ狙いの遊漁船が多数集結している様子が映っていた。
外房では、年によりスマガツオの小規模な群れが接岸して、岸からの釣果を聞くことがある。
また、昨年秋には沖釣りで爆釣していたハガツオの群れの一部が接岸し、磯や堤防から釣れ盛ったことは記憶に新しい。
通常、船でしか狙えない魚であっても、中には興奮してベイトを追っているうちに沖の本隊からはぐれ、岸近くまで回遊してくる個体もある程度いると思う。
そんな魚がショアから釣れたら楽しいだろうなあと、その時はただ漠然と思っていた。
そんなある日、沖釣りで5キロ級のワラサ爆釣という報告が複数のサイトやブログを賑わせているのを目にした。
いいなあ、ワラサ釣りたい。
私は船に弱いので沖釣りは無理だが、ベイト次第ではショアでもチャンスがあるかもしれない。
すっかりワラサモードの妄想スイッチが入ってしまった私は、例によってガチンコショアジギタックルを準備。
予報では、低気圧の影響で沖からのウネリが入るというので、波裏になるエリアに狙いを定めて出撃した。
現地に到着し、背負子を担いで駐車スペースからの長い道のりを進軍。
途中、ぬかるみにはまってコケそうになりながらエッチラオッチラとやってきたポイントは、思った通り穏やかに凪いでいた。
これなら危険はないだろう。
潮色も悪くない。
釣り人は、私の右手に餌師、少し離れた左手にルアーマン。
夜明けとともに戦闘開始するが、まあいつものごとく魚の反応はない。
一方、隣の餌師は快調にナイスサイズのメジナを釣り上げている。
いいなあ、楽しそう(^^;)。
羨ましい光景を横目に、私はひたすら80gのジグを投げ唐オ、しゃくり続けた。
マズメの時合が終わると、隣の餌師はアタリが遠のいたのか、どこかへ移動してしまった。
潮の流れが少し変わったように感じたのは、午前8時頃だったろうか。
少し沖の方で、小規模なナブラが発生した。
おそらくソーダガツオだろう。
さらに、ペンペンサイズのシイラが足元までジグを追ってきた。
魚っ気が出てきたかもしれない。
そして・・・
突然、そいつが現れた。
足元まで曳いてきたジグを、横からひったくっていく青い影。
海面に突き刺さるロッキーショア。
固めに設定していたドラグがジージーと音を立てた。
なんだこのスピード!
ワラサじゃないぞ。
竿尻を腹に当ててロッドを立て、走る魚を止める。
ラインシステムを信じて、強気のポンピングで一気に魚を寄せる。
やがて姿を見せた魚は、やけにコンパクトで太い。
メジ?
いや違う・・・
カツオだ!
同サイズのイナワラやヒラマサとは比較にならない強烈なパワー。
激しい抵抗をいなしながら無事に取り込んだのは、銀ピカの本ガツオだった。
私は嬉しくて、思わずガッツポーズをした。
しかし、ここからが問題。
この魚は、誰にも見られてはならない。
静かなこの釣り場に、情報後追い系の釣り人が押しかけてきたら大変なことになる。
私は急いで魚をストリンガーに繋ぎ、足元の海中に投入した。
すると案の定、帰り支度をしたルアーマンが背後からやってきた。
「いい感じで竿が曲がってましたね。青物ですか?」
「いや~、ホントはワラサ狙ってたんだけど・・・50㎝ちょいってとこですかね。私ももうじき引き揚げますよ。」
幸い彼は、海中を覗きこんでストリンガーの先の獲物を確認しようとするような無礼な人物ではなかった。
私は何ひとつ嘘は言っていないが、彼がどう理解したかは彼自身の問題である。
周りに人が居なくなったところを見計らって、ストリンガーに繋いだ魚を回収。
釣った直後は銀ピカだった魚体は、波にもまれて短時間のうちに傷だらけになっていた。
カツオは随分と傷つきやすい魚のようだ。
記念撮影。
本ガツオ56cm。死後計測で2.93kg。
ヒットルアーは、ヒラジグラ80gブルピン。
最新モデルのジグも色々試してはいるが、結局最後はこのジグが魚を連れてきてくれる。
私にとって、絶対的エースのジグだ。
<本日のタックル>
ロッド:タイドマーク・ロッキーショア・パーガトリー100/13
リール:ステラSW6000HG
ライン:PE3号+フロロリーダー10号
血抜きを済ませた魚を袋に入れ、背負子にしまって撤収。
来たときよりも荷物は重くなったが、高揚した気分のおかげで上り坂も苦にならない。
コンビニでロックアイスを2袋買ってクーラーボックスの中の魚を冷やし、PAに車を停めてしばし爆睡したのち、帰路についた。
帰りは少し遠回りをして、祝杯用の秋酒を調達。
ん~、早く飲みたい♪
◇◇◇◇◇
さて、料理編である。
カツオを丸ごと一本捌くのは、私も初めての経験。
独特な鱗の付き方に苦戦しながら、なんとか4本のサクを取った。
乾燥しないようラップに包んで、夕食の時間まで冷蔵庫に保存。
外出していた家族が帰宅する頃合いを見計らって調理開始。
刺身は今まで見たことのない綺麗な色。
なにしろ朝まで泳いでいたんだからね。
そして、B.サーフさんから頂いたタレで漬けた「りゅうきゅう」。
これはもう、絶対に美味しいに決まっている。
さらに、生姜を効かせたカブト煮も作ってみた。
それではあらためまして。
二度とないかもしれないまぐれあたりに・・・
かんぱ~い(^^♪
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