潮待小屋

君に届け

 

乾くるみの「イニシエーション・ラブ」というミステリーが面白いと聞き、通勤時間を使って読んでみた。

舞台は80年代後半の地方都市。
若い男女の恋物語。
ミステリーといっても血なまぐさい話は一切なく、懐かしさと切なさに胸をキュンキュンさせながら読み進んだ。(乙女か!笑)

事前に聞いた話では、最後の最後で物語が大きく展開するという。
ラストの数十ページは、休日にゆっくり読もうと、敢えて残しておいた。


・・・・・・・・・・・・・・・・

久しぶりに休みがとれた土曜日。
朝起きてスマホを手に取ってみると、外房へ出撃中の釣友から、アジが好調との速報が入っていた。
今日も良型が揚がっているという。
いいなあ、羨ましい。

よし、決めた!
読書は後回しだ。
私もアジを釣りに行くぞ♪


ジグで釣れたら嬉しい


赤イソメは反則ですか?(笑)


昨日までの疲れもどこへやら。
明日の朝マズメは、久しぶりの弾丸釣行だ。
楽しみ楽しみ。
今日は早く寝て、明日に備えよう。

ZZZZZZ・・・・・・


深夜の海岸道路。
行きかう車は、皆釣り人の車だろうか。
一年で最も水温が下がるこの時期、魚の活性も低下しているはずなのに、釣り人の活性だけはすこぶる高いようである。

本日のBGMは、家入レオのセカンドアルバム「a boy」。




いい年をしたおっさんがレコード店で買うのは少しばかり勇気が要ったが、良いものは良い。
信念に基づき行動することを躊躇してはいけない(爆)。


三連休の日曜日とあって、人気の堤防ャCントはどこも大盛況。
しかし、あの人混みの中に入って釣りをする勇気は、私にはない。
釣友から「嫌な知らせ」を聞いた直後という所為もあるかもしれない。

先客のいないャCントを探して徘徊し、落ち着いたのは、足場の良い静かな地磯。
夏場には時々レア物狙いでカゴを投げるャCントだが、幸い今日は、見渡す限り同業者もフカセ師も居ない。
よしよし。

万が一の大物に備え、玉網をセットして釣り座に入る。
追い風に乗せ、足下のサラシから払い出す潮目を狙ってキャストする。
本命は尺オーバーの大アジだ。小アジはいらない。
フックも大きめのものを使ってみる。
回遊待ちのギャンブルの釣りになるが、これもまた楽しいのである。
最近、こんな釣りばかりやっているような気がする(笑)。


しかし・・・今日は外してしまったらしい。
レギュラーサイズのアタリさえ無い。
そこで、メバルかソイでも居ないかと、「赤イソメ」をたっぷり一本フックに刺し、潮目を外して沈み根の際に流し入れてみた。

すると、ゴンゴンゴンと重量感のあるアタリ。
よっしゃ、なんか来た♪

慎重に浮かせ、寄せ波に乗せてずり上げた獲物は・・・




まさかのジャンボ赤目フグ(汗)。
美味しい魚らしいが、私には料理できないのでリリース。


結局、アタリらしいアタリはこれだけだった。
本命の大アジの顔を見ることはできなかったが、「フグング」ゲームの新たな可能性を予感しつつ(爆)、朝まずめの磯を後にした。




車のオーディオから流れる曲は、家入レオの「君に届け」。




♪IDとパスで守られたエリア
 それじゃ何も 感じられない



ネットやメディアに流れる情報を鵜呑みにすることの危うさ。
誰かに与えられた価値観や序列に踊らされることの虚しさ。
それは釣りの世界だって同じこと。

他人の真似をして、他人と同じ釣りをする必要なんてない。
他人より大きな魚を釣ったり、他人よりたくさん魚を釣る人が偉いと思うのも妄想だ。
釣りの楽しみ方なんて、いくらでもある。
唄の歌詞ではないが、ナンバーワンよりオンリーワン。
そんな釣り人になった方が、そんな釣友が周りに大勢居た方が、ずっと愉快じゃないか。


♪リアルな世界で 笑ってみたいんだ
 叫ぶ 君に届け



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

海岸の駐車場に車を停めて、読みかけの本の続きを読んだ。




最後の一行。

・・・え?

私は思わず、時間が経つのも忘れて最初から読み返した。

なるほど、そういうことでしたか。
大変面白うございました♪


※本稿の内容には、上記作品へのオマージュを含みます。


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