とはいえ、897Zが発売されたら一応試奏だけはしておこうと思っていたので、昨日試奏してみた訳ですが、やはり予想通りの感じでした。697Zの後継機種というよりも891Zのサイズ違いといった印象。697Zのような心地良い吹奏感は無いし、音色も濃厚さが薄れている。これは、697Zではスライドのクリアランス(スライド外管と内管との隙間)が極限まで狭く作られていたのが、897Zはノーマルのクリアランスに変更になったということが大きいのではないかと思います。確かに697Zはクリアランスが狭過ぎてスライドオイルが乾いていたりすると、6、7ポジション辺りでスライドが引っかかってしまう事が度々あるのですが、そういうスライドの操作性を犠牲にしても、697Zのタイトな吹奏感と濃厚な音色は捨て難い。だから、897Zでスライドクリアランスがノーマルに変更になってしまったことに関しては非常に残念。。。
あとは、交換式リードパイプというのは、僕個人的には全く不必要かな。897Zでもなんとなくリードパイプの箇所で響きのロスが生じているような印象がありますし、リードパイプの存在感が強く、楽器を鳴らす以前にリードパイプを吹いている、という感覚があります。697Zのような心地良い吹奏感を感じられない原因はこの交換式リードパイプの影響も大きいように思います。
更に残念なことに、697Zが生産完了になってしまったということ。僕個人的には、697Zはヤマハの歴代細管テナートロンボーンの中での最高傑作であると思っているので、早々と生産完了になってしまったことに関しては、ただただ残念。あと10数年したら往年の銘器と言われるのでしょうか。それよりも、今使っている697Zを本当に大切に使っていかなければ・・・。
ただし、897Zも697Zと比較した場合に限って、吹奏感の心地良さや音色の濃厚さが足りないと感じるだけであって、697Zと比較さえしなければ、大変に素晴らしい楽器であることは間違いありません。バックやキングに比べると897Zの方が遥かに吹きやすく、操作性もよく、演奏上のストレスを感じません。人それぞれ好みもあると思いますが、891Zよりも897Zの方が吹奏感、操作性は良いようにも思います。
このように897Zに関しては予想通りの楽器だった訳ですが、たまたまお店にあったpBoneを店員さんが出してくれたので、試奏してみました。で、感想ですが、非常に面白く、楽しい楽器ですね。普通の金属の楽器よりも楽に吹けるので、爆音炸裂しまくり!で、ファンキーなソロにはばっちりハマります。全然バテないので、いくらでも爆音を吹いていられる感じ。これはイイですねぇ~。倍音の音程も良いです(普通の楽器よりも音程良いかも)。おもちゃっぽい見た目ですが、きちんとした楽器として十分に使えます。ただ、pBoneばかりを吹き過ぎると普通の楽器を吹いた時にとてもキツく感じると思うので、程々に・・・といったところでしょうか。
pBoneは予想以上に素晴らしい楽器でした。
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