最終的にはデジタルオーディオファイル化するので、全行程をデジタルで行った方が良さそうな感覚がありますが、作業工程のどこか一箇所だけでもアナログを通すだけで、最終的な仕上がりの音質は全く変わってきます。最近、デジタルの平面的で無機質な音質に疑問を持ち始めるエンジニアの方も多いようで、基本はコンピューターベースでありつつも、ミキサーなどにアナログを導入する人が増えています。そのせいか、デジタル録音全盛のこの時代にありながら、各メーカーがこぞって往年のアナログ機器を復刻させたり、新製品を投入していますね。
これはカメラにも全く同じ事が当てはまる訳で、デジタルカメラはとても便利で使いやすいけれども、フィルムカメラのような独特の質感、味わい深さのようなものはデジタルでは絶対に出せない。
デジタルの利便性をとるか、アナログの「味」をとるか。
どんなにテクノロジーが進歩しても人間そのものはずっとアナログなので(人間がデジタル化するとしたら、それはロボットもしくはサイボーグだ)、人間が本当に心地よく感じるものはやはりアナログの方なのだと思う。人間の感覚、感情は決してデジタルのように割り切れるものではないから。アナログの「曖昧さ」は人間の感覚にとても近いと思う。
普段、思いっきりデジタルの恩恵を受けている者(実はデジタル機器大好き)が言うのもなんだか矛盾しているようですね。でも、だからこそアナログの良さを再認識する必要があると思います。
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