上の赤い波形が生徒さん、下の青い波形が僕の音の波形です。波形を見れば一目瞭然かと思いますが、生徒さんの波形は波形自体が細く、音の出だしの部分が鋭く切り立っているのに対し、僕の波形は太く、音の出だしも奇麗な形になっていることがわかると思います。2人の録音レベルは全く同じです。生徒さんの波形のように音の出だし部分が鋭く切り立っているということは、実際の音でも音の出だしの瞬間だけが強く、その後の音の伸ばしで音がやせ細っています。良い音の表現として「密度の濃い音」という言う方をしますが、密度の濃い音は録音した波形でも太く密度の濃い形となります。だから音を聴かなくても波形を見ただけで良い音か悪い音か、上手い人か下手な人かがわかります。ボーカルでも上手い人の波形はやはり波形も美しい。また、倍音がたっぷり含まれた波形は太く、倍音の貧弱な波形は細くなります。
僕の場合、トロンボーンをどのように演奏して、どのような音を出せば良い音で録音されるのかということを長年研究してきた訳で、そんな僕の波形と全くそのようなことを意識したことの無い生徒さんの波形を比較すること自体、非常に酷なことではありますが、音色、演奏の違いを音だけではなく、視覚的にも認識することもまた勉強になるかと思います。
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