Sliding Cafeマスターのブログ

公開オンラインレッスン

埼玉大学Swing Cube Jazz Orchestraのメンバーのみんな、普段どういう練習をすれば良いのか悩んでいるようで、コンマスのH.O君からも頻繁に質問メールが届くのですが、ハッキリ言って、これこれこういう練習をすれば確実に上手くなるという練習方法などはありません。「上達に近道はなし」という事は、楽器演奏だけでなく、スポーツ、学問他どんな分野についても同じ事が言えますね。試行錯誤して、一見無駄(遠回り)と思えるような練習も沢山して、悩み苦しみながら上達するための練習方法を自分自身で見つけていくしかないと思います。「効果的な練習方法だぁ?バカタレッ!そんなもん自分で考えろッ!!」と一昔前のミュージシャン(いやゆる叩き上げのバンドマンですね)なら、一喝されたところでしょうね。

と、突き放してしまっては、ここでおしまいになってしまうので、なにか普段の練習のヒントのようなものだけは、与えてあげましょうかね。


<バンド全体での練習方法のヒント>
 曲の正規のテンポ(in Tempo)の半分くらいに落として、8小節なり16小節のパターンをただひたすらエンドレスで繰り返し練習する事。20分でも30分でもバンド全体の一体感、グルーヴ感が生まれるまで演奏を止めない事。ただし、ホーンはバテるので、時どき休みながら、リズムはひたすらエンドレスで演奏!!半分のテンポでバンドの一体感、グルーヴ感が出てきたら、テンポを5上げてまた同様の事を繰り返し、またテンポを上げて繰り返し、最終的に正規のテンポまで持っていく。決してテンポを上げる事を焦らない事。心地よいグルーヴが生まれるまでは、ただひたすら辛抱!!心地よいグルーヴは同じ事の繰り返しの中から生まれます。


何も特別な練習ではありませんね。ただし、こういういわゆる体育会的練習に耐える事が出来るかどうか。人によっては、こんな練習は無駄だと解釈してしまうかもしれないし、30分もの同じ繰り返しに耐えられないかもしれない。実践するしないは、バンドメンバーの意思次第。ただ、一流といわれる学生バンドにはこういう練習方法をしているバンドは多い。

ひとつ言えるのは、演奏中にタンギングをどういう風に発音しようかとか、タイミングを前気味にしようとか、ピッチを合わせなきゃとか、いちいち頭で考えながら演奏している内は、ダメな訳です。頭で考えているうちに演奏はどんどん進んでいきます。次から次に演奏しなければならない音符がやってきます。演奏者にとって演奏中はもう非常事態、緊急事態な訳です。頭で判断している時間的余裕などないのです。身体が勝手(自動的)に反応してくれる位まで、身体に演奏を覚えさせないとダメなのです。

繰り返し練習でひとつ気にかかる事があるかと思います。それは、間違った解釈、良くない演奏法のまま繰り返し練習をしてしまったら、よりいっそうその間違った演奏法を身体が覚えてしまうのではないかという事。でも、この問題はほとんど気にするような問題ではないと思います。というのは、ほとんどの人は、他人の演奏を聴いて、上手い演奏か、下手な演奏かという判断は出来るはずです。違った言い方をすれば、人が上手いと感じる演奏、下手と感じる演奏にはある共通の判断基準が備わっています。演奏の好みはあるにせよ、上手いと言われる人はやはり誰が聴いても上手いと感じるものです。
なので、必ず上手い演奏イメージというのは誰でも持っているので、繰り返し練習する内に、間違った演奏法が身につくのではなく、繰り返せば繰り返す程、自分の持っている理想の演奏イメージに近付いていくはずです。
頭の中では理想の演奏イメージがあるのに、実際の演奏が伴わないのは、身体がそのイメージを再現出来ないからです。頭の中のイメージを再現するには、身体中のありとあらゆる筋肉を絶妙なバランスでもって駆使し、しかも一瞬だけでなく継続的に再現しなければならない。

野球で例えれば、千本ノック、素振り何千回という事です。地味で単調で過酷な練習に耐えられる人だけが、真の一流になれる。ほんの1日数時間だけの練習で一流になろうなんてのは、まず無理な話でしょう。


公開オンラインレッスンといっておきながら、具体的な音楽的内容はほとんど書きませんでしたが、埼玉大学Swing Cube Jazz Orchestraのみんなに必要な練習の取り組み方、意識の持ち方は以上の事が全てと言っても良いでしょう。この箇所のタンギングはどの発音?どれ位の割合でハネるの?という問題ではない。

「頭で考えるなッ!!身体で覚えろッ!!」です。


(イヤァ~、今日は長い投稿でした。長文お疲れさまでした)


2010年11月3日加筆)

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コメント一覧

尾高 北斗
分かりました。。。。。
 本当に情けないです・・・。悩んでばかりいないで努力します。つらい練習もがんがん取り入れていかなきゃいけないですね。この練習法をとりあえず取り入れることにします。

 メンバーにもそう伝えます。これからもよろしくお願いします。
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