カタバミはおおよそスターとか主役から縁遠い野花の代表格。でも旬には輝きを放つ小さな花。
昔は試合でバントばかりの時代があった。ヒットの確率はスター選手でも高くはない。負けたら終わりの試合。より確率の高い戦法。能力の低い選手は使い捨て。どこかで終わった。この国は良くなった。ただ目先の勝ちだけを目指して野球してんじゃない。と言える国になった。楽しいから。それを奪って得るものは空しい。三振も敗戦も悔しい。屈辱感はもっと悔しい。
ベッドタウンで見るカタバミには、田舎であった昔から生え続いている雑草のカタバミと、時代の流れで次々と建てられた住宅の庭から飛び出した元園芸種のカタバミがある。
園芸種はオキザリスと呼ばれ、野草はカタバミ。仕分けの一般的な基準はないが、人に育てられることなく野で持続的に咲くようになった花はもはや野草。ひ弱な花は野では育たない。元々が野にあり園芸に入ったものが野にこぼれ、本来の生命力を復活し、さらに園芸で加わったパワーを生かしてたくましく咲く。それが、新たな洗練された野草のカタバミ。