特定外来侵入生物という嫌われ者で、駆除することが求められているという情報がバーンと出てくる。道端にちょこっと咲く可愛い花なのに・・・
と思っていたら、あるときバイパス道路の両脇斜面に群生する姿を見かけた。コンテナを積んだ大型トラックが年中行き交う産業道路の脇に外来の植物がみるみるうちに茂る事例は頻繁に見かける。それで納得した。
撮影日: 2017/04/22
鳴門市あたりで最初に見つかり、在来のサワギク(沢菊)に似ていることでこの名がついたようだが、なぜアレチサワギクのようにならなかったのか? サワギクの変種と思われたのかな? とも想像できる。地名を冠する在来の野草はたくさんあるから、それにならったのかな?
学名など欧米風の名で呼ばれないのは園芸では使えないからと思えるが、園芸種の原種として使われる例が他の花にあるので、この先この花はどうなるだろう?
撮影日: 2017/02/02
サワギクはボロギクと呼ばれ、さらにノボロギクもある。ナルトサワギクも、いわゆる数多ある野菊の仲間と位置づけられる。
撮影日: 2006/04/07
サクラソウ科サクラソウ属 ( Primula )
園芸種プリムラは花の姿が多様でプリムラ・ジュリアンのように品種で呼ばるのが一般的になっているが、とても種類が多く見た目で品種の判断は危ういので、総称でプリムラと呼んでおく。
花の世界の主役は昔は自然観察を中心としたが今は種苗メーカーや園芸家あるいはDNAなど科学つまり学者。我の強い世界。
タイトルの花名がアメリカセンダングサだけの記事が次々と出てきます。
私の暮らしの周辺で見るのはアメリカセンダングサがほとんどのようです。新たに舶来し先に同種の花がある場合、頭に「アレチ」「セイヨウ」「アメリカ」などを付けて区別するのが野草の分野の流儀みたいです。
ではセンダングサで検索すると?
こちらもセンダングサで沢山の記事があります。古い時代に帰化した雑草で、今でも田園地域にたくましく生えています。これも押さえておく必要があります。
私の棲み家は、かつて田畑も里山も豊かだった場所が新興住宅になった地域にあり、年々新たな住宅が建ち、道路や公園が整備され、田畑や里山が減少しつつ、なお少し残っています。ですので、昔から生える野草と、次々とどこからか侵入してきて、こっそりと、しっかりと、住みついている新参者の野草の両方が見られます。
かつては野に咲く花を、遠い子供のころの記憶を追いながら、時に図鑑で確認しながら調べていましたが、それではもう追いつきません。インターネットというすごいものができて、莫大な情報にアクセスできるようになって、たくさんのことが分かるようになりましたが、一方で複雑さを知るにつれ、ますますわからなくもなっています。
私は日に日に、大局的にあるいは広義でみれば妥当性のある、あえてシンプルな仕訳や分類を、まったく私風にしてみようと考えています。
撮影日: 2016/10/06
撮影日: 2016/11/07
ハルジオン(春紫菀)キク科ムカシヨモギ属 Erigeron は春先から初夏が一般的な花期
ヒメジョオン(姫女菀)キク科ムカシヨモギ属 Erigeron は初夏から晩秋が一般的な花期
ムカシヨモギ属 Erigeron にはペラペラヨメナ(ゲンペイコギク)やヒメムカシヨモギなどがある
園芸種エリゲロンはケンペイコギクといくつかの交配種
ムカシヨモギもエリゲロンも、これでまとめるとなると難点がある。ハルジオンとヒメジョンはそっくりではあっても別の植物とされている。
ハルジオンとヒメジョオンは季節でバトンタッチするわけではなく、気候や環境など生育条件が合えば、長く咲き続けたり、季節外れな咲き方もする。晩春から初夏という季節は、今この国から無くなりつつあり、短い春に続いてすぐに暑い夏がくる。このころに咲いているのは、さてどっちなのか?
花には個体差がある。大きさ色合い。やたらと正体を探ろうと近づきすぎて土壌を荒らすのは野暮だ。不安定な足元に滑ったり転倒するのはもってのほか。適当な距離から愛でるのが風流というものだ。
撮影日: 2017/05/04
春先はハルジオンで、暑さがすぎればヒメジョンである確率は高い。間の時期は「どちらかだろう」で十分ではないか。種類のいっぱいある花にいちいち個別の名前を聞くことはしないのだから。
いーい名前があるじゃないか。野菊だよ。
あなたきらひですひょ鳴いてをります(川上弘美)
世間にはみっともない顔や姿はさらせない。創作は楽天呑気であるはずはない。私生活が幸福や否や。内心との解離。本音を密かに綴った俳句なのであろう。老境に差し掛かり思う所があり発表したのだろう。作品としての飾りが皆無な誠のある俳句。私はそう読む。
脳の奥 自縄自縛の 苦き日々(笑顔慈治)
バブル崩壊から長きに渡り苦きくるしき年月。幸い妻子の愛で心はドン底を免れた。忘れ去りたいが消せない記憶。目覚めさせないように心掛けて来た。罪な俳句に出合ってしまった。己れの誠。向き合わねばならない。
花の名前: ジシバリ(イワニガナ)
撮影日: 2016/10/06
朝に和み
昼に戦い
夜に旅する
Calm in the morning,
fight in the day,
travel at night.
😇
インスピレーションは瞬間。蚊を叩き殺すように「パチッ」とものにしないと飛んでいってしまう。即エックス。いや。まず別の場で書いて置いておけばいい。出すタイミングが悪いと何か場にそぐわない感をかんじてしまう。選びもまた品質だ。
【クサフジ】で検索すると? 多くが日本に広く自生する野草となっている。なのに、長く生きてきて初老のころに初めて見ることになった。もっとも長く関心を持つことがなかったので見過ごしてきた。かもしれないが、その後も棲み家の周辺で見ることはない。野草がそこそこ咲いている場所なのに・・・
撮影日: 2017/04/13
ネット情報での記述の多くは他からの引用なので、同じような内容がリレーされていく。基本情報としてはそれでいいわけだが、実際の姿は基本情報のようではない。当たり前に、そうなってる。失われていくことの多い自然環境の変化。交通インフラの発達による意外な伝播。商品化された品種の思わぬ拡散。自然を代表する野花も総合的な社会文化の産物になりつつある。
Pixabay
いやいや、タイトルにヘクソカズラだけを付けた情報ばかりです。この名に異を唱え、サオトメカズラを推奨する花のファンも一時見かけましたが、大きな流れにはなっていないようです。
撮影日: 2006/07/08
屁と糞、おならと大便ですから臭い汚い。確かに強烈な臭いがあり、手に付くとなかなか消えません。まさに早乙女のような清楚で可愛らしい花に、ちょっかいを出すと臭いで撃退される。悔しい。そんな思いを悪態で浴びせたのがヘクソカズラに違いない。これが私風の理解です。
撮影日: 2016/06/23
ただたださげすんだ表現ではないのですが、愛情の裏返しにしては、それこそ「ヘタクソ」で、大人げなさがおかしく、ユーモアにも感じられます。この大らかな可笑しさが「この名でいいよ」と言わせてしまうのでしょう。
撮影日: 2016/09/17
ところで「ハマサオトメカズラ」という花があるようですが、私には出会いがありません。こちらはハマヘクソカズラとは呼ばないようです。さて、こちらは臭うのでしょうか? それとも匂うでしょうか? 気になります。
いまはストックの名で多彩な園芸花となっている植物に、日本に古くにもたらされた種があってアラセイトウ(紫羅欄花)なる難しい名がつけられた。後年に外来したこの植物は、当時のアラセイトウとの類似性からオオアラセイトウとなった。今ならストックモドキになるかも?
撮影日: 2017/04/27
中国原産で食用や油の原料にもなるのでショカツサイ(諸葛菜)やムラサキハナナ(紫花菜)とも呼ばれるが、今では一般的ではなく、一部の特別に関心を持つ人々の間での使われ方なので、花として見るときはオオアラセイトウ(Orychophragmus)で、ストック(Matthiola 英名 Stock)と同種ではないが縁のある花だと押さえるのがポイント。
これだけで数多くの情報がズラズラと出てきます。でもフユシラズの花でホントにいいの?
撮影日: 2017/01/09
今は園芸花カレンデュラ Calendula の種類のひとつと思うのが合理的なようです。
Pixabay
しかし、キンセンカとともに歴史的にけっこう長く親しまれてきた花名なので、この姿の花を見ると自然にフユシラズと口から出てくる人々が数多い。そこで、多様な園芸種の一部が’フユシラズ’を付けてで販売される。’キンセンカ’も同様に。今はそんな時代なんですね。
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