狩猟を始めてはいますが、免許を持っている先輩のお手伝いをしているに過ぎません、そこで自分で能動的に活躍し、かつ社会貢献もしたいと目指している狩猟生活なのです
免許が無くても止め刺しや解体は出来ます、狩猟で一番大変な過程
狩猟をするには狩猟免許が必要です、これは都道府県の主催する国家試験に合格しなくてはならないのです。
ざっと説明すると4種類の免許があります
第一種狩猟免許 装薬銃(散弾銃、ライフル銃)
第二種狩猟免許 空気銃
わな猟免許
網猟免許
リゲインが目指しているのは大物※狙いの第一種狩猟免許と葉山界隈でのイノシシ狩に必要なわな猟免許です。 ※一般的には熊、シカ、イノシシ
銃を使えるのは神奈川県では丹沢山系でのシカです。(現在個体数が増え、農作物への被害が出ており神奈川県では管理捕獲の対象となっています)
そして猟銃は基本的に3つの目的以外では所持の許可は降りません。
1. 狩猟
2.有害鳥獣駆除
3.標的射撃(クレー射撃など)
ここを勘違いする方もいるのですが、基本的に猟銃に免許制度はありません、第一種狩猟免許を取得しても猟銃を持てるわけではありません。銃の所持には公安委員会に所持許可申請をして上記の3つの目的の為の所持許可を得る必要があります。
従って狩猟免許を取ってから猟銃の所持申請を出すか、または銃が先になるかは試験のタイミングになります、試験は年に数回しかなくリゲインは2022年の試験に間に合わなかったので2023年度の狩猟免許取得を目指しています。
そこで銃の所持許可を先に申請したのですがこれがまた大変な厄介な手続きです。
基本的に銃刀法では一般市民が銃を所持することを禁じており、特に所持を認められた一部の人間だけが所持許可証を発行してもらえるのです。
所持に至るまでにはお金も時間も手間もかかります。
第一難関、まず所持の許可を申請する人は必ず「猟銃等初心者講習」を受講し、試験に合格しなければなりません、しかし最初に警察でこの申請をすると何故銃が必要なのか等々を念入りに調べられます、いい加減な動機だとこの時点で見透かされて申請さえままならない場合もあるようです。
最初の申請は自分の居住地を管轄する警察の生活安全課になります
リゲインの場合は有害鳥獣駆除を今後の仕事にしたいというブレない目標があった事や年齢もあり、すんなりと申請してもらえました。
次の難関が初心者講習です、ただ講習を受ければ良いというものではなく試験が待ち構えているのです、しかも講習の内容は試験とは比較的無関係な話も多く(講師の狩猟自慢とか)相当な勉強をこなしていないと間違いなく落ちます。
リゲインの時は60人ほどが受験し合格したのはリゲインも含めて29名でした。ひっかけ問題も多いのでよくよく注意していないと間違えます。
これが終わると今度は射撃教習の許可を得るための教習資格申請に移ります。ここからが非常に厳しくなります、何故ならば射撃場で実弾を撃つわけですから・・・
必要な書類も増えて行きます
申請者の写真(2枚)
教習資格申請書
精神科医の診断書(かかりつけ医でもOKですが基本精神科医がベター)
身分証明書(本籍地の役所で発行、破産宣告等を受けていないかの確認)
経歴書(転職歴、転居歴など理由を事細かく調べられます)
同居親族書(同居人に問題がないか調べられます)
講習終了証明書(初心者講習の考査に合格すると発行されます)
近隣、職場、友人、家族への聞き取りを含めた身辺調査が始まります
約1ヶ月の身辺調査が終わるとようやく射撃教習に入れます。
リゲインは効率重視で銃の販売も行っている射撃場を予約しました、というのも射撃教習が終わると銃の所持許可に移るのですが購入する銃が決まっていないと申請が出来ません。従って、通常は射撃教習で合格すると、終了証明書を持って銃砲店に行き銃を選んで予約し、銃砲店から銃のスペックやカタログ写し、譲渡許可証を発行してもらい所持許可申請書に添付するのです。
射撃教習は約3時間、前半は座学で銃の扱い方の注意点をおさらい、銃の構造を実銃を使いながらお勉強、さらに分解・組み立てを行ってから射撃場へ移動です。射撃場での注意点を説明してもらいイキナリ射台に移動し、銃の構えの練習、この日は自動銃を使ったので薬莢は撃つと自動的に飛び出します。
試験は飛んでいるクレーに2発当たれば合格なのですがトラップ射撃で9発、真横にクレーが飛ぶスキート射撃では14発当てることができました。この日はこの射撃場の社長さんが講師だったのですが褒め上手で
「すごーい!素晴らしい!上手い!」
最初は怖そうだったのですが写真まで撮ってもらいました。
この日のスコアシートです、50発撃って23発命中・・・移動標的とはいえまだまだ練習が必要です
射撃場で銃を購入すれば教習終了と同時に商談となって、その日のうちに全ての書類が揃います。事前に目をつけていた中古の散弾銃を見せてもらいその場で購入予約、内金を払って書類をもらいその足で警察へGOでした
リゲインが購入予約をしたレミントン870mウィングマスター、狩猟で良く使われている名銃です
ここからも簡単には所持許可はおりません、自宅に銃を保管するので専用のガンロッカーが必要となります、また実包は銃と別の場所に保管しなくてはならない為、装弾ロッカー(強固な金庫)も買わねばなりません。設置後は警察の自宅への立ち入り検査が行われます。そうやって1ヶ月ほどかけ再度身辺調査を行うのです。
ここまでの費用をざっとまとめると
初心者講習受験費用 6,900円
初心者講習用参考書 2,530円
証明写真 700円
診断書 3,000円
身分証明書 300円
教習資格申請費用 8,900円
射撃教習費用 33,630円(内訳講習 27,500円 弾代 6,130円)
ガソリン代 5,000円
猟銃購入内金 50,000円
ガンロッカー代金 40,000円
装弾ロッカー代金 30,000円
所持許可申請代金 10,500円
計191,460円になります。
銃の購入代金の残金もあるのでまだまだかかります、従ってこれだけの手間と金をかけるので軽い気持ちで所持できるものではありません。
また所持してからは一年ごとに警察に実包の購入や消費を記載した帳簿と銃を持っていって検査を受けねばなりません。
※公安委員会の方針では最初の更新までに一回も撃っていない場合は必要なしとみなして所持許可の取り消し対象となるそうです。従って猟の機会がなかった場合はそのままにせず、射撃場に通い射撃練習だけはしっかりしておかないとダメということになります、初回の更新で失効する人が多いのはこのような理由も多々関係していると思われます。
ここまで時間とお金と手間をかけた結果、何を目指すのか、専業猟師と言われるマタギは関東にはいないと思われます、主に北海道や東北の羆撃ちの人たちがこう呼ばれるのでしょう。
この人たちは人里離れた山で暮らし毎日が狩猟の日々、俗世間の人間とは異なったライフスタイルの人たちです、かつて情熱大陸で特集された「羆撃ち」等の書籍でも有名な"久保俊治"。
生涯で300頭近い羆を仕留めた伝説のマタギ"山本兵吉"などが有名です。特に山本平吉は書籍「慟哭の谷」のモデルとなった史上最悪の獣害と言われる北海道三毛別事件※で340kgの羆を仕留めた名人です。
※一頭の羆に6日間の間に12人が死傷(胎児を含めた7人死亡)した事件
それでリゲインがマタギを目指しているのか?有害でない鳥や小動物をスポーツ感覚で撃つ気はさらさらありません。あくまで有害鳥獣駆除を行政から委託を受けて行う、その意味では猟友会に所属はしますが、"巻狩り(グループ猟)"よりは単独で山に入り大物を狙う"忍び猟"が自分には合っていると思うのです。結果気がついたらマタギになっているかも知れません。
人生波乱万丈・・・