Seriously?

ひとりごとです

映画 ■■グリーンブック■■

2019年03月26日 | 映画
本年度のアカデミー賞作品賞



映画 ■■グリーンブック■■





日本では
一応世間の評判は良いけど
映画ツウから見ると
「ええ?そんなに???」
という感想が多い気がする



私は、1950年代~1960年代の
アメリカの公民権運動が活発になりつつある頃
活発だった頃の映画が大好き

「ヘルプ ~心がつなぐストーリー~」
「大統領の執事の涙」
「ドリーム」
「グローリー/明日への行進」

公民権法が制定されたのが
私が1歳の時、1964年
それでようやくジム・クロウ法(黒人取り締まり法)が
廃止されたのだ

つまり私が生まれた時まで
有色人種(つまり私も!)は
白人とは違う出入り口や受付やトイレを使ったり
洗練されたホテルやレストランでは
門前払いされ
夜間の外出が禁止されていたりしたのだ

黒人が使ったグラスを
「バイ菌が移る」とでも言いたげに
汚らしそうにつまんでゴミ箱に捨てたり
私が使ったグラスも
あんな風に捨てられたのかも
あからさまに蔑称を使われたり
バイ菌扱いされていたのかも知れない



今から見ると、本当に信じられない
なんて古い
なんて時代錯誤の
なんて愚かな
なんて野蛮な
と、呆れてしまう

今という時代が60年代に比べると
そんな風に大きく進歩しているという事実が
とても嬉しいのだ

でも、その背景には
多くの運動家達の死
或いは何の罪もないのに命を落とした人達
たくさんの犠牲が払われたからこそ

そのお陰で今
当時は当たり前であった差別を
「なんと馬鹿げた」と笑うことが出来る
この前進が本当にありがたいと味わえる



だから、今から更に50年後
今の日本のセクハラや
女性差別の現状を映画にしたら
「なんてバカバカしい
こんな信じられない差別が当たり前だった時代が
本当にあったのか!」
と、驚く人がいると良い

今はこんなにまかり通っているけれど
それが
旧時代の、時代錯誤のエピソードに
なっていたら良いな、と願うのだ

「グリーンブック」を観ると
「だって確かに克服して
世の中は良くなってきているんだもの」
と、未来に対して肯定的な気分になれる



私たち世代、ともすれば
「あの頃は良かった
昔は良かった
今の若い人達は...」と
自分が若かった頃を美化しがち

でも、幻影に騙されちゃいけない
昔は良かったなんて
あの時代に戻りたいなんて
私は思わない

世の中は良くなってきているんだもの



さてさて
上記のように
同じような時代とテーマを扱った映画は
いろいろあるけれど
この「グリーンブック」の良かった所は
黒人と、白人の歩み寄り
両者が共に、自分の姿勢を反省し
少しずつ、現状を変えるべく挑戦していく所



こういう作品では
白人の方が知的で洗練されており
黒人の方が無知で教養も無く
白人が
無力な黒人に親切にも手を差し伸べる...
という図になりそうだけど

最近は「ドリーム」とか「グリーンブック」とか
そういう先入観を壊そうとする設定が
増えているような気がする

愚かなのは差別する側だ



たくさん涙が流れた映画だった
最近、映画観て泣くことはあまりない
アカデミー賞は納得の作品
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