そらんぢ堂

アーカイブ図書館として残します。

新・言の葉供養0043

2024年06月15日 03時00分00秒 | 言葉遊び、言の葉供養
『朧気に溶け行く』

朧気に溶け行く
夜と朝の色

生まれ来るもの
枯れ果て逝くもの

抗うこと敵わぬ
理という仕組み

ただここに居て
静かに眺めている

朧気に溶け行く
私もあなたも

やがて溢れる
色で賑わう

※某アプリ内に書き下ろしたもの。


新・言の葉供養0042

2024年06月14日 22時00分00秒 | 言葉遊び、言の葉供養
『淡く揺れる明日』

いつでも
いつまでも

淡く揺れる
明日

はっきりと
視認出来ないから

不安になって
苛立って

価値の無い
言葉綴って粋がって

なあ
もうやめようぜ
お互いにさ

今の俺達
最高にカッコ悪いから

淡く揺れる明日
それで良いじゃないか

きっと元々そんなもん
きっとそれが明日なんだ

※某アプリ内に書き下ろしたもの。


新・言の葉供養0041

2024年06月14日 09時00分00秒 | 言葉遊び、言の葉供養
『透ける叫び』

あまりに薄っぺらな
裏が透ける叫びは

もう沢山で

だから小さな
その世界

ほんのちょっぴり
遠ざける

構われたいなら
そう言えばいい

何度も同じ叫び
繰り返したら

それはきっと狼少年と
同じなのさ

あまりに薄っぺらな
裏が透ける叫びは

もう沢山で

だから小さな
その世界

ほんのちょっぴり
遠ざける


※某アプリ内に書き下ろしたもの。


新・言の葉供養0040

2024年06月13日 21時00分00秒 | 言葉遊び、言の葉供養
『逝きたきゃ逝きなよ』

逝きたきゃ逝きなよ
別に止めはしないさ

その理由は人それぞれ
千差万別十人十色

だけどね

これだけは
覚えていてね

そうさ

黄泉帰りした人間の
経験値

魂の解放なんて
そこにはないよ

本当の無だけ
ただそれだけ

それだけ
きつく握り締めて

逝きたきゃ逝きなよ
別に止めはしないから

※某アプリ内に書き下ろしたもの。


新・言の葉供養0039

2024年06月13日 10時00分00秒 | 言葉遊び、言の葉供養
『本末転倒の涙』

誰かの心の
居場所で在りたくて

見知らぬ誰かの
止り木でいたくて

偽りの笑顔で
着飾って

自分の首を
きつく絞め上げ

その苦しさに
涙を流し

見知らね誰かに
助けを叫ぶ

承認欲求だと言われ
本末転倒だと笑われる

あの子の姿は
いつかの私に似ていた

それでも私は
それなのに私は

手を差し伸べたりは
しない

ただ見守るだけ
それしか出来ない

だって私は
無能だから

そのことを
嫌と言う程

知ってしまって
いるから

あなたを見ている
人間がひとりいる

そこにはただ
その事実が在るだけ

※某アプリ内に書き下ろしたもの。