そらんぢ堂

アーカイブ図書館として残します。

新・言の葉供養0047

2024年06月26日 12時00分00秒 | 言葉遊び、言の葉供養
『COLORS〜辿り着いた色〜』

眠れずに迎えた
夜と昼の間の時に見た景色は

山並みや空や風さえも
紫色してた

大切な人を失って
涙枯れるまで泣いた春の日は

遺影も雨も匂いさえも
灰色だった

半世紀を目の前にして
黄泉の国から戻された日から

一筋の光漏れる事さえ拒む
漆黒に心奪われた

あんな穏やかさは
あそこにしかあり得ない

様々な色の中を生きて
やがて辿り着いた色

遥か昔

君の瞳に
僕の眼鏡に
カメラのレンズに

映した空の青さすら
ただの懐かしさに変える

様々な色の中を生きて
やがて辿り着いた色

※書き下ろし。


新・言の葉供養0046

2024年06月22日 20時00分00秒 | 言葉遊び、言の葉供養
『夜の果てに』

独り占めまでして
見守り
見送る
この夜の果てに

いったい何が
あると言うのか

無関心に
リズムを刻む

電波時計の
デジタル表示

遠くからまた
雨の匂い

北へ向かう新幹線と
南へ向かう長い貨物列車

明日が来ることの意味の
ほんとのところを

語れる者など
きっと居ない

※某アプリ内に投稿した文章にタイトルを付けたもの。



新・言の葉供養0045

2024年06月18日 12時00分00秒 | 言葉遊び、言の葉供養
『壊れた人の声』

きっと
何かが壊れて
しまった人

それでもその声に
耳を傾けるのは
多分よく分からないエゴだ

拾える声もあれば
どうしても
意味を成せないものもある

結局その人達との
役にはたたないままに

中途半端に
打ちひしがれる

だから今はもう
関わらずに逃げるだけ

見かけたなら
無言で距離を取るだけ

現実はきっと
なにより淡白で
温度を持たないもの
そうなのかもしれないね

※某アプリ内に書き下ろしたもの。


新・言の葉供養0044

2024年06月15日 10時00分00秒 | 言葉遊び、言の葉供養
『空〈ウエ〉しか見えない』

今はもう
ある意味気楽

最底辺な暮らし
病がくれたプレゼント

下を向く必要は皆無
だってここが一番下

見上げれば
遥か遠くに青い空

以前はもう少しだけ
近くにあったけど

今はもう果ての果て
だけどここからはそう

空しか見えない

それでいい
何もかもを受け入れて

※某アプリ内に書き下ろしたもの。