そらんぢ堂

『そらんぢ』の【墓標】

ネタ切れ時対策!(小咄に次ぐ)

2022年10月27日 20時00分00秒 | 小咄
ずっと昔に書いた拙い『小説もどき』でも読んでやって下せぇ、お代官さま〜😭🙏
 
という訳で冬間近に「ある夏」のお話し🌤
 
結構「リアル」を混ぜ込んである作品です📖
 
『10years』
あなたはまだ、そこにいますか…



 
 

小咄お米ちゃんシリーズⅡ✨

2022年10月25日 12時00分00秒 | 小咄
『おこめちゃん物語#2』
 
さてさて雀の涙と言う言葉を生み出した(大嘘)おこめちゃんとお婆さんですが、穏やかな暮らしは今日も続いておりました。
 
川に洗濯に来ていたお婆さんとおこめちゃん。そこに上流から「ドンブラコ…ドンブラコ…」と、控えめに黒い粒が流れてきました。
 
お婆さんが拾い上げると、それは小豆でした。
「上で小豆研ぎが悪さしとるかの」
と、妖怪が居るかもしれない事態を気にも止めず、お婆さんは言いました。
すると、
「あたちあずき!」
と、喋るではありませんか。
 
おこめちゃんの時は腰を抜かしそうなほど驚いたお婆さんですが、既視感というか、デジャビュ感というか、まあそのようなもののおかげで、今回はすこぶる冷静に対処出来ました。
「爺さんにみせてやるか」
そう言うとお婆さんは、おこめちゃんと喋る小豆を連れて、山にいるお爺さんの元へ行きました。
 
小豆を見たお爺さんは
「これはあずきちゃん!」
と、おこめちゃんの時と変わらない反応を見せましたが、その後で
「この子も三歳」
と、何故か年齢まで決めてしまいました。
 
しかしお婆さんは知っています。ここへ来る間、おこめちゃんに「ちゃんちゃい、ちゃんちゃい」と話しかけられたあずきちゃんが、「ニ…ニチャ…」と、どうも二歳と言おうとしてたらしい事を。ですが面倒くさいので訂正はせずに、お爺さんの言う三歳で強引な納得を自ら導き出しました。
 
とりあえず一服にしようと、腰をおろしたお爺さんは、目の前の楽しげな光景を見て
「小豆に婆さん」
と、ぽつんと呟きました。
 
お爺さんの背には、あぜ道のような、だけれども、まばらとはいえ人通り、往来がある
道が通っており、たまたまそこを通った松阪の商人が、ところどころ聞こえたお爺さんの呟きに
「あずきばあ?」
と、不思議な響きを感じました。
 
時は現代。
 
1896年に三重県飯南郡松阪町(現在の松阪市中町)に井村和蔵によって開業された「井村屋」によって、あずきバー(1973年)なるアイスが誕生したことに『あずきちゃんとお婆さんとお爺さん』が関わっていたのかどうかは、誰も知らない、知る術も持たないのであった。
 
めでたし。
めでたし。
(おこめちゃん関係ないやん)
 
※井村屋のホームページより、
歴史資料をお借りしました。
あずきバーを宜しくね♪






ネタが切れた為の小咄お米ちゃんシリーズⅠ✨

2022年10月23日 20時00分00秒 | 小咄
『おこめちゃん物語』
 
昔々、ある所にお爺さんとお婆さんが住んでおったそうな。
 
ある日のこと、お爺さんは山に柴刈りに、お婆さんは川に洗濯に行ったそうな。
 
お婆さんが洗濯物をすすいでいると、上流から「どんぶらこ~どんぶらこ~」と、何故か茶碗が流れて来たそうな。
 
はて?なぜに茶碗が?
お婆さんはそれを拾い上げました。
 
茶碗の中には小さな米粒が一つこびり付いておりました。
 
お婆さんが指ですくうと、どうしたことでしょう、その米粒がいきなり
「ぼくおこめ。ちゃんちゃい!」
と、喋りだしたではありませんか。
 
腰を抜かしそうなほど驚いたお婆さんですが、冷静を装い、お爺さんの元へ急ぎました。もちろん指に米粒を付けたままで。
 
喋る米粒をお爺さんに見せると、お爺さんはこともなげに
「うん、これはおこめちゃん」
と、勝手に名前までつけてしまいました。
 
おこめちゃんはこの老夫婦の元で幸せに暮らすはずでしたが、ある日突然どこからともなく現れた『舌を切られた雀』に、食べられてしまいました。
 
おこめちゃんは雀に食べられながら思いました。
「そもそも雀って舌あるん?」
と。
 
でもおこめちゃんは、何を喋っても「ぼくちゃんちゃい」になってしまうので、誰に理解されるでもなく、雀に食べられていました。
 
おこめ力(リキ)でもがいてもがいて、やっとの思いで雀の口から逃げられそうになりましたが、外に出たのは何故か雀の目ん玉からでした。
 
たまたまそれを見ていたお婆さんが、
「あれま、これが雀の涙ってやつかい」
と、いいましたとさ。
 
めでたし。
めでたし。
※このお話しは、昔ある人とのおやすみ前の会話の中で『即興』で作ったお話しを、加筆修正したものです。クレームは受け付けません…ていうか、泣きます(泣)
合言葉は「ぼくちゃんちゃい!」でお願いします。