笑いの効用

昨夜の伯父の通夜では何十年ぶりに親戚一同が集結した。
今はもう正月やお盆と言っても顔を出し合うこともなくなった人達。
葬儀くらいでしか会わないなんて寂しいもんやね。

久しぶりに皆さんご対面なものだから何を話して良いかわからぬご様子。
そんなお茶する場で何か和む話題はないものか？
客がライブでのらぬ時に感じるものと同様、頭をよぎった。

幸運にもというか、その伯父はいくつものエピソードを持ち備えた人物であったことを思い出した。
うちの母親は僕に似て話好き。昔からお盆になると故郷に集まる親戚にそのエピソードで笑いをとっていたっけ。

故人が子供の頃、ぼっとん便所と言われるそのトイレのドアにぶら下がり遊んでいたら誤って落ちてしまったこと、
人さらいにチャリンコで誘拐されそうになったこと。
頭が禿げて大人になってからは、アデランスが発売されて間もなくかぶって登場したら、突然の髪の多さに皆に爆笑されたことなど。

さっそく僕は母親に話を促した。

静まり返ったその場は空気が入れ替わったように僕と母親のやりとりで一気に笑いに包まれた。
最後の方になると何人かハンカチで涙を拭くほどまでに盛り上がった。
伯父の家族も嬉しそうだった。

通夜でちょっと騒ぎすぎたかなと思ったけれど、天国の伯父もきっと喜んでくれたのではと思う。

笑いってホント素敵やね。

おっちゃん、安らかに眠ってや・・・。